【前編】2017年、「建築物省エネ法」規制措置『建築物省エネ法とは?〜国土交通省〜』

トピックス

関連キーワード
国土交通省
東日本大震災の影響による原発の停止により、化石燃料への依存度が進み、一次エネルギー自給率は、震災前の2010年の19.9%から2012年時点の6.0%へと大幅に低下しました。これはOECD34ヵ国中2番目に低い水準(IEA 「Energy Balance of OECD Countries 2013」(2012年のデータは推計値)を基に作成)となっています。そのためさらなる省エネルギーの必要性が出てきました。新たに策定された「建築物省エネ法」について国土交通省の川田昌樹氏(写真右)と歌代純平氏(写真左)にお話を伺いました。

建築物に特化した「建築物省エネ法」が誕生

Q:建築物省エネ法とはどういった法律でしょうか。

A:2015年7月に、新たに「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下:建築物省エネ法)」が公布されました。その内容は大きく分けると2つあります。1つは大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務化等の規制措置。もう1つは省エネ基準に係る表示制度や誘導基準に適合している建築物の容積率特例といった誘導措置です。誘導措置は2016年4月1日に施行されましたが、規制措置は公布後2年以内の施行となっています。

Q:この法律が制定された背景には、どういったことがあげられますか。

A:産業部門や運輸部門のエネルギー消費量が減少するなか、世帯数の増加や、ライフスタイルの変化など社会経済情勢の変化に伴い、建築物におけるエネルギーの消費量が著しく増加しています。具体的には、90年比で約34%増、73年比で約2.4倍と、現在では全エネルギー消費量の1/3を占めています。このため、建築物における省エネルギー対策の抜本的強化が、必要不可欠な状況にあります。

Q:これまでの省エネ政策の経緯を教えてください。

A:省エネルギー法は、我が国の省エネ政策の根幹となっています。石油危機を契機として1979年に制定されました。同法は対象が広く、産業・運輸・建築物等の各部門におけるエネルギーの効率向上を求めたものとなっています。建築物部門については、1979年に省エネ基準に適合することの努力義務、2003年に大規模非住宅建築物の届出義務を設けるなどの省エネ施策を段階的に行ってきました。今回、建築物における抜本的な省エネルギー対策を行うため、省エネ法から建築物部門を切り離し、建築物省エネ法が新たに制定されました。

既存の建築物については省エネ化が求められない!?

国土交通省
Q:既存建築物に対する省エネ基準の適用についてはどうなりますか。

A:建築物省エネ法の省エネ基準では、既存部分も含めた建築物全体で省エネ基準適合を判断するものの、2016年4月に現存している建築物の増築等については緩和した基準を適用することになっています。また、既存建築物については、既存部分の性能が低いことも想定され、この場合基準適合が困難なことから、既存の非住宅建築物に関し、大幅な増改築をする場合のみ基準適合義務を求めることになりました。次回は住宅の省エネ化を進めるための具体的な施策などについてご紹介します。

(プロフィール)
国土交通省 住宅局
住宅生産課 建築環境企画室
課長補佐
川田昌樹
2006年度に国土交通省に入省。2016年度より現職。

国土交通省 住宅局
住宅生産課 建築環境企画室
省エネ係長
歌代純平
2013年度に国土交通省に入省。2016年度より現職。

その他のおすすめ記事

その他のトピックスの記事

キーワード一覧

 ページトップ