【前編】産学連携で若者のアイデアを採用『いまの市場と住まいの事情』

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森田昌伸
「産学連携」とは、企業と大学など教育機関が共同してプロジェクトに当たるなどして、相互理解や相乗効果を生み出す動きのことです。産学連携でよく聞かれるのは、理系の研究室がその技術力で法人の商品やシステムの開発に参加するといったものですが、実はレオパレス21でも、この「産学連携」を盛んに行っています。どのようなジャンルで、どういった学生様たちと動いているのか? 賃貸事業部の森田昌伸営業部長(写真右)と原英太郎マネージャー(写真左)に、活動の詳細や狙いを伺いました。

産学連携によくある理系分野ではなく、「文系・芸術系」へのアプローチが特徴的

Q:レオパレス21における「産学連携」はいつ頃から、どのような目的で始まったのか教えてください。

森田:ご存知のとおり、民間企業と大学など教育機関が連携して、知的財産を活用したプロジェクトを行うことが昨今トレンドとなっています。当社も、衣食住というインフラの重要な一角を占める「住まい」の提供を担う企業として、この「産学連携」を活用して、参加される学生様のキャリア形成の幅を広げられると考え、展開を始めました。本格的な始動は、学校法人営業部が設立された2014年10月です。学生様にとって当社は、お部屋の賃貸事業のイメージが強いと思われます。そこで好評をいただいている「お部屋カスタマイズ」の魅力を存分に感じていただけるよう、文系・芸術系の学部の学生様などを対象に、イベント的にアイデアを競う、あるいは展示・発表の場を提供する形で始まりました。他社様の産学連携の動きとの違いは、この1年10ヵ月ほどで130回ものイベントを実現していることです。

Q:イベントなどの例をいくつか教えてください。

原:パターンのひとつとしては、アートやインテリア、ディスプレイの場を、レオパレス21が街中に有しているコミュニティスペースや、当社グループのホテルなどで提供するというやり方です。最近好評だったのは、世界初のクロマグロの完全養殖で名を挙げ、数々の産学連携の実績を持つ「近畿大学」の文芸学部の学生様たちに、大阪支店のショールームとモデルルームをガラス造形作品や階段デザインアートで飾っていただいた「アートプロジェクト」です。また、東京では、青梅街道沿いにある新宿店2階のウインドウディスプレイを、「首都大学東京」システムデザイン学部の4年生6名様に、3ヵ月にわたり企画・設計・施工までをお願いいたしました。プレゼンテーションの度に、提案内容の精度が上がっていく様は、私たちも見ていて感心しましたし、最終的には、その新宿店に外国人に対応する営業窓口があることに着目されて、「こんにちは」「お元気ですか」といった言葉を9言語の吹き出しであしらうウィンドウディスプレイを作っていただきました。レオパレス21の、「海外展開」という特徴を上手く捉えていただき、ありがたかったです。また、学生様の立場でも、こうしたコンテストの参加実績・入賞暦などはご自分の履歴書にも書けるので、就職活動の際のアピール材料になると聞いております。

教室の中での課題制作とは異なり、社会経験・ビジネス経験につながるのが強み

首都大学東京
Q:学生の皆様からしても、人目につく街中で発表の場が持てるのは喜ばしいことでしょうね。

原:そうですね。ご自分たちで個展を開くとなると、ギャラリーのレンタル費用もかかりますし、いわゆる、ごく一部のアートに興味のある方たちの目に触れるだけとなりかねません。レオパレス21で提供できる場は一般の方々の目にも触れやすいので、学生様としても、学校の課題で教授から評価を受けやすい作風に流れるのではなく、普通の方々から支持される、喜んでいただけるような作品をと、普段とは違う意気込みで張り切って制作していただけるようです。われわれは、ある意味で“クライアント”でもあるので、その要望に応えながらの創作というのが実践的で、社会に出る上でも良い経験になるというのは、担当の先生方からも感想としていただいております。

森田:期間限定の展示だけでなく、例えば介護サービス施設である「あずみ苑」ではロビーの壁紙を「尚美学園大学」の学生様に制作していただいています。作品という以上に、生活空間として残るものですし、若者らしい柔軟な発想のデザインに、ご入所者様からも「気持ちが明るくなる」「楽しい」などと喜ばれております。 

  
尚美学園大学
原:高齢者向けということで言えば、デザインではないのですが、「国立音楽院」の音楽療法学科が「若返りリトミック」という高齢者向けメソッドを行っています。もともとは子ども向けである音楽教育の手法を、介護予防を目的として一緒に歌ったり体を動かしたりすることで、高齢者様が伸びやかに、にこやかになられるのです。これをいくつかの「あずみ苑」でツアーを組んでキャラバンしていただいたところ、大変に好評で、今後もぜひお願いしていきたいと思っています。

メーカーを巻き込む「3者間連携」や地域振興につながる「産学官」の取り組みも

Q:アート系のほかには、どのような連携があるか教えてください。

原:「阪南大学」の国際観光学部の方たちに、レオパレスリゾートグアムの夏場の集客につながる旅行企画のコンテストを行っていただきました。審査は、レオパレス21の社員たちの投票で行いました。学生様にはビジネススキルにおいて良い社会経験になったことと思いますし、当社としても学生様の新鮮なアイデアをいただいて、よい刺激になりました。

森田:あとは、アートイベントではあっても、教育機関と当社のほかに、メーカーも加わり素材提供をされた例があります。サンゲツの内装材を使用して、「モード学園」の名古屋校・大阪校・東京校でそれぞれの土地らしさを打ち出したデザインでレオパレス21のお部屋を実際に飾っていただくというものです。コンペ形式で資料やパースも付けてチームでプレゼンテーションしていただき、優秀作品はモデルルームで製作しました。これも3者ともに満足度の高いイベントの形ですね。メーカーからは、これまでの戸建て住宅以外に賃貸住宅への訴求の機会ともなり、新たな販売チャンネルにつながったと聞いております。また、今後ニーズがさらに高まりそうなのが、地域創生に伴い、地方自治体と学校、当社で行う「産学官」の取り組みです。すでに前橋市・鳴門市・福岡市・山口市において、地元の大学生と、マスキングテープを利用した「マステアート」で、自治体のゆるキャラをもとにした作品発表イベントを行っています。地域振興に一役買うことができるので、当社としても社会貢献の一環として、力を入れていければと考えています。

(プロフィール)
株式会社レオパレス21
賃貸事業部
学校法人営業部営業部長
森田昌伸
1990年の入社以来、賃貸事業部の地域営業責任者を歴任し、2014年の学校法人営業部立ち上げから担当。

株式会社レオパレス21
賃貸事業部
学校法人営業部 首都圏ブロック
マネジャー
原英太郎
学生時代の接客アルバイトでの経験で、お部屋探しの提案・アドバイスに興味をもち、2006年入社。2015年より学校法人営業部。現在、首都圏・1都4県で提案する9名のグループを統括。

学パレス レオパレス21と学校の様々なコラボレーション企画
http://www.leopalace21.com/gakupalace/

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