【前編】被災地・熊本の復興『居住上の安全確認のために派遣した調査チーム』

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谷本一紀
2016年4月に起こった熊本地震。東日本大震災からわずか5年後に起こった震災は、津波こそなかったものの、震度7を観測する地震が2度も起こったことで、大きな被害をもたらしました。
多くの人々が支援に動くなか、レオパレス21も現地に調査チームを送り込み、当社賃貸アパートの状況や入居者様の安否確認、オーナー様やご自宅の状況把握、そして支援を行いました。当時の状況について、建築請負事業部の谷本一紀理事統括部長にお話を伺いました。

震度5強以上の地震が起こったときには現地にチームを派遣

Q.地震発生時の対応から教えてください。

A:まず1回目の地震は4月14日の午後9時ごろだったと思います。当社のルールとして、震度5強以上の地震が起こったときは、入居者様の安否確認とアパートのチェックを行うことが決まっています。それに基づいて棟数などを出した上で速やかに対応を開始して、派遣するチームを結成しました。調べたところ、九州の震度5強以上を観測した地域の物件は、全部で693棟ありました。

Q.派遣チームはどのような規模か教えてください。

A:技術者2名と賃貸の担当者1名が組んだ体制を1チームとして、それを15チーム作って調査に当たることとし、4月19日〜24日までの6日間で全ての棟をチェックしました。震度6以上あったところを重点的に行い、基本的には建物の安全性確保を判断するということで、入居者様がいるところは外観が中心となりました。また空き部屋については内装も確認しました。東日本大震災のときは、技術者のチームだけでチェックしましたが、入居者様への説明には、賃貸の者がいたほうが、よりスムーズになることが分かっていましたので、今回はこのような体制としました。

技術者が建物の状態を7段階でチェックし、それに合わせて対応

震災
Q.チェックはどのような基準で進められたか教えてください。

A.建物の状態をA〜Gという7段階で判定しました。異常のないものから、補修で済むもの、そして入居者様に退去してもらって直したほうが良い物件など、様々でした。状況によっては、後日に再調査が必要なものもありました。調査の結果、倒壊した物件はありませんでしたが、27棟については、何らかの形での修繕が必要と判断しました。今回の地震は震度7の揺れが2度起こっているので、1度目は大丈夫でも2度目のダメージを考慮して判断した物件もありました。

Q.問題点としては具体的にどのようなことがあるか教えてください。

A.建物については、壁のヒビや地面のズレによる被害などがありました。内部で問題となったのは水回りの部分でした。揺れによって洗濯機が倒れたことでホースが外れて部屋が水浸しになったところもありました。これに対しては、洗濯機が倒れないような補助を付けることを含め、いま対策を検討中です。今回の地震における入居者様の声を集めていると、冷蔵庫や洗濯機が倒れて、外に出られないというケースがいくつかありました。これまでは、あまり想定していなかったのですが、今後は対策を講じていかなければならないと考えています。

Q.そのほかに地震に備えて気をつけたいことを教えてください。

A.あまり物を高く積み上げないほうが良いでしょう。地震のときには予想以上に上から物が落下するので、逃げ道が塞がったり、怪我をすることもあります。最近のレオパレス21の物件では、高いところにある家具については耐震ラッチが導入されています。これは揺れたときにロックがかかって扉が開かなくなるという機能を備えているので安心です。

耐震基準をより厳しくすることで、物件の安全度が大きくアップ

震災
Q.今回の熊本地震では災害対策にどのような印象をもたれたか教えてください。

A.問題があった建物もいくつかありましたが、レオパレス21の物件は全体を考えると、それほど大きな被害を受けることはありませんでした。近年は日本の様々な地域で地震が頻発しているので、会社として耐震基準をより厳しくして、基準の合格レベルになったのではないかと思っています。やはり東日本大震災のときに、資料を作って徹底的に対応をしたことも今につながっています。

Q.今後の対策として動いていることはありますか。

A.今は地震のときの膨大な資料を作成しているところです。物件ひとつずつの写真とチェックリストを作ってデータとして保存しているので、それを集計していくことで全体像が分かってくると思います。それらを分析していくことで、被害が多かったのはどこか、また防ぐためには何をしていかなければならないかということをしっかりと検証していきます。

(プロフィール)
株式会社レオパレス21
建築請負事業部
建築統括部
理事統括部長
谷本一紀
1988年に入社。2013年より現職。


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