【前編】ますます需要が高まるデイサービス/ショートステイとは『豊かな生活空間としてのデイサービス』

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佐藤不二雄
日本は総人口が減少する一方、高齢者は増え続けており、2013年9月には4人に1人が65歳以上となりました。2015年の高齢者人口は3400万人近くにも上りましたが、2035年までの20年でさらに345万人の増加が見込まれており、3人に1人が65歳以上となると予測されています。そうした中、日帰りで施設に通い、日常生活の介護や機能訓練を受けられる「デイサービス」が、お年寄りやご家族の生活を支える上で、必要不可欠なサービスとなっています。

レオパレス21では、どのような考えの下で運営がされているのか、シルバー事業へ参入した背景や現状、今後の展望などを、佐藤不二雄シルバー事業部長(写真中央)、同運営企画課の野口和之マネージャー(写真左)、同運営推進課の伊佐友善マネージャー(写真右)に伺いました。

“こころの元気”をコンセプトに、生活しながらのリハビリを

Q:レオパレス21でシルバー事業に取り組まれている理由を教えてください。

佐藤:われわれは、オーナー様が所有する土地にアパートやマンションを建設させていただき、経営のお手伝いをすることをコア事業としていますが、その中で、老人ホームなどの介護施設に適した土地があります。また、オーナー様が地元の名士である場合は地域への社会貢献を重視されることもあります。それで2005年に初めて、当社の介護施設が誕生いたしました。この2年ほどで社会からのニーズが高まり、開発のペースが早まっています。2016年7月現在、「あずみ苑」という名称で関東・中部地方において71施設を運営しています。デイサービスが49施設、有料老人ホームが23施設で、そのなかの51施設ではショートステイにも対応しています。

Q:デイサービスをご利用されるのは、どのような方々を対象にしているか教えてください。

佐藤:介護保険の要介護または要支援の認定を受けられている方で、担当のケアマネジャーが作成するケアプランに必要なサービスとしてデイサービスが組み込まれれば、ご利用いただけます。一人暮らしであったり、配偶者と二人のいわゆる老老介護であったり、ご家族と同居ではあるけれど皆さんお仕事や学校で昼間は留守がちなど、ご事情は様々ですね。曜日を決めて週2日くらいのご利用が多いですが、なかには週5日通われる方もいらっしゃいます。デイサービスは通常、月〜金曜日のみというところも多いですが、「あずみ苑」では利用者の方のニーズに応じて土日も実施しています。日曜日も7割程度のお客様が利用されています。ご利用者様の要介護度は、平均するとちょうど2.0ですので、身の回りのことに見守りや手助けを必要とされ、歩いたりお食事をされたりする際にも支えが必要な状態です。平均年齢は80歳くらいで、女性のご利用者様が圧倒的に多い、というのは、他社の施設でも同様の傾向かと思います。

伊佐:高齢の方は要介護状態になりますと、不活発病とでも言いますか、体を使わないことでどんどん身体機能のレベルが下がっていってしまうものです。「あずみ苑」では“こころの元気”をコンセプトに、お食事もレクリエーションもすべて生活のなかでのリハビリという考え方で運営しています。楽しみながら体も動かすことで、要介護度が進むことを防いで、維持することもできています。私は8年前には「あずみ苑」のある施設におりましたが、その時のご利用者様が今も元気に通われているんですよ。

皆で調理するアクティブなイベントや、おしゃべりを楽しむだけの時間も大切に

あずみ苑
Q:お食事やレクリエーションは、施設の特徴が表れる部分ですね。

佐藤:レクリエーションでは、外に出かけるイベントを意識して多く取り入れています。季節ごとのお花見やいちご狩り、ぶどう狩りなどは自然を感じられて、良い刺激にもなりますね。帰りに外の飲食店で食事を楽しんでくることもあります。スターバックスやデニーズとコラボレーションして、「あずみ苑」に来ていただいたり、あちらの店舗に伺ったりもしているんです。CSRの観点から、どちらの企業も社会貢献活動に力を入れていらっしゃるので、そうした相互協力はいろいろやっていけると良いですね。お食事は、月に5回イベント食というのを設けています。天ぷらでも海老が入っていたり、うなぎの蒲焼やひれかつを提供したりするなど、ちょっとしたプレミア感を大切にしています。お品書きの紙が添えられるのもご利用者様にとって楽しみとなっているかもしれません。

野口:「あずみ苑」には管理栄養士も施設ごとにおりますので、給食会社の方とアイデアを出し合って、栄養価など高齢者に不足しがちな部分も補えるよう考えています。また、“フードレク”と言って、管理栄養士の指導のもと皆さんで、巻き寿司や水饅頭などを協力しながら作っていただき、皆さんで食べましょうというレクリエーションも月に1回は行っています。手を動かされた後は、美味しさも格別のようで好評です。

伊佐:そうした活発なイベントやレクリエーションのほか、「あずみ苑」では “井戸端会議”も大切にしています。おやつの後の夕方の時間帯などに、過去の思い出などテーマを決めて、自由におしゃべりをしていただくんです。一人暮らしの方は普段から会話が少ないでしょうし、単純におしゃべりを楽しむ時間も必要なんですね。そうしてお友だちができて、「あずみ苑」というコミュニティで皆さんがつながってくだされば、とても嬉しいです。

顔認証で名前を読んでくれるロボットや、ホスピタリティある外国人スタッフの活用も

佐藤不二雄
Q:デイサービスでは入浴も大切なサービスですね。

佐藤:私の母も年寄りですが、疲れるし、もったいないから毎日はお風呂に入れないと常々言っています。お湯を張って、お掃除もと考えると、高齢の方の家庭での入浴は本当にひと仕事なんですね。「あずみ苑」では、どの施設にも機械で椅子ごと浴槽にはめ込んでからお湯をじわりと張っていく、機械浴の設備がありますので、車椅子や寝たきりの方でもお風呂を楽しんでいただけます。職員の介助も楽なので、お互いに負担を感じにくいのではないでしょうか。

野口:大浴場のある施設もありますので、広々として、気分も変わられるようですね。もちろん浴室は男女で分かれておりますし、介助も基本的に同性の職員が担当します。

Q:新しい取り組み、サービスは何かございますか。

野口:レクリエーションで、コミュニケーションロボットを導入し始めています。“PALRO(パルロ)”という人型ロボットで高さが40cmくらいなので、テーブルの上にいると、座っている方と目線が合うのです。体操したり歌ったり、しゃべりも流暢なので落語も“寿限無”など上手に演るんですよ。5歳児くらいの知能があるので、登録されたパターンを答えるのではなく自然な会話ができますし、名前を覚えて顔認証で話しかけることもできます。PALROはあだ名を付けたり、誕生日も覚えていたりするので大人気です。今は3施設のみので導入ですが、今後は広げていきたいですね。また、介護現場での人材不足を受けて、一部の施設で外国人の介護スタッフの雇用を始めています。日系フィリピン人の方々ですが、ホスピタリティに長けた国民性もあり、言葉づかいや接遇態度も素晴らしく、評判が良いですね。

佐藤:介護人材については、当社としてヘルパー養成の学校を作ろうと申請中です。そこで日本人、外国人に限らず、質の良い介護スタッフを育てて、「あずみ苑」でのより良いサービス提供につなげられればと考えております。

(プロフィール)
株式会社レオパレス21
常務執行役員 シルバー事業部長
佐藤不二雄
1985年入社以来、賃貸事業・建築請負事業での営業をはじめ、人事部、総務部、監査部など幅広い分野で活躍。2011年より現職。
「自分が任されるだろうという予感はしていました。目先のビジネスではなく、これだけのサイズの会社になった以上は、企業としても社会貢献に大いに取り組むべきで、地域に根を下ろしてやっていくシルバー事業には大変なやりがいを感じています」

株式会社レオパレス21
シルバー事業部 運営部 運営企画課 マネージャー
野口和之
介護分野での経験を積んだ後、2006年入社。
施設長などを歴任した後、2016年より現職。
介護現場運営のプロとして、質の高いサービスの維持向上に努める。

株式会社レオパレス21
シルバー事業部 運営推進課 マネージャー
伊佐友善
介護分野での経験を積んだ後、2007年入社。
施設長などを歴任した後、2014年より現職。
新たな施策やサービスを取り入れる上でのエンジンとして、シルバー事業を支える。

レオパレス21グループの介護サービス
あずみ苑
http://www.azumien.jp/

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