【前編】グローバル企業に求められること『事業のグローバル化の現状とは〜ショーワグローブ株式会社〜』

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日本の国内市場が人口減少などの影響で縮小化する中、新たなマーケットを求めて、企業がグローバル化を図る動きが進んでいます。グローバル企業として成功するためには、どういったことが求められるのでしょうか。
世界規模のユーザーを抱え、マレーシアやベトナムに生産拠点があり、アメリカやオランダに営業拠点を持つショーワグローブ。家庭用手袋や様々な現場で使用される作業用・産業用手袋の専業メーカーとしての実績がある企業です。同社の執行役員管理本部長の高知寛幸氏(写真右)と海外赴任経験のある管理本部システム企画グループの中溝克洋氏(写真左)に「事業のグローバル化」についてお伺いしました。

日本企業として海外戦略にあたる現状と分析

Q:グローバルな視点から見て、日本企業についてどう思われますか。

高知:インターネットの急速な普及などによって、日本企業は自然とグローバルな環境と向き合わざるをえません。競争力をつける事によって大きな商機となることがある一方、競争力がないと今後、国際競争に負けて淘汰されてしまう可能性もあります。当社の海外展開は1980年代に生産拠点としてマレーシアに進出、1990年代にアメリカで販売法人を立ち上げたのが始まりです。当時は今のような時代が来るとは想像していなかったと思いますが、業界の中では海外進出は早い方で、先鞭をつけることができました。見習うことのできる事例が少ないため、苦労も多かったと思いますが、他に先んじて世界各地から商品開発のニーズを受け、グローバルスタンダードに即した商品開発を行えたことなど、得られるものも大きかったと思います。

中溝:一般論として、日本企業は細やかな気配り、先鋭的な技術力で海外でも高く評価されていると思いますが、自分自身の強みをうまく伝えることが苦手な企業が多いように感じます。当社も含めて、国内のお客様の要望に細かく応えてきた経験と実績を強みに、グローバルな環境での発信力をもっと強めることが出来れば、さらに活躍の場があると考えています。

Q:グローバル展開で、御社が世界に貢献できることにはどういった点が挙げられますか。

高知:手袋を通じて、世界の人たちに安心と安全をお届けすることで社会に貢献する、というのが当社の企業理念です。より多くの方々に当社の手袋をご使用いただけるよう日々活動しています。現在では2000以上の種類で、幅広い用途に適した多彩な製品を生産しています。

中溝:様々な作業の際に「手を守ること」は重要なファクターになります。海外では革製の手袋を使っている場合が多く、丈夫にすればするほど硬くて作業性が悪くなります。日本では手袋に対し、安全性はもとより作業性が大変重視される傾向にあります。日本のユーザーからの要望に合わせて開発した商品が結果的に海外でも、柔らかく作業がしやすいと好評をいただいております。また、海上油田のように海外特有の市場ニーズに応じた商品開発を行うケースもあります。そうした「海外向けの」商品が逆輸入のように日本の他の市場で受け入れられたりするのは嬉しいことです。

海外の現地での起業としての存在と評価

高知寛幸
Q:海外における御社の地元での評価はいかがでしょうか。

高知:生産拠点であるマレーシアやベトナムでは、現地の人材の雇用を創出している企業として、地元でも評価をいただいていることが多いです。現地での雇用は全体で1500〜1600名ほど、さらに他の国からの労働者は1000人に上ります。

中溝:販売している製品への評価は高く、世界各国に滞在する当社の営業担当や販売代理店の協力により、当初想定しなかった範囲にまで浸透し、信頼をいただいています。例えば、アラスカのサーモン漁師が当社の手袋を愛用していたり、スイスの山岳鉄道の職員が愛用していたり、様々な場面で活用されているのを見ると、驚きと嬉しさがありますね。

海外赴任の現状と問題点の解決策

中溝克洋
Q:海外赴任される社員の方の生活面での苦労や問題点などはありますか。

高知:生産拠点に赴任する場合には、工場に隣接した寮で暮らしている社員が多く、特段、住まいに対する心配はありません。欧米の場合は、現地にいる日本人や現地のローカルスタッフがアパートや戸建ての住まいを用意するようにしています。

中溝:私の場合、初めてフランスに赴任したころは英語が通じなくて、意思の疎通が難しかったのですが、現地スタッフの協力もあり、だんだん慣れていきました。現地には現地出身の人間と日本人スタッフが常駐していますので、生活習慣なども教えてもらえます。
(※現在フランスのオフィスは閉鎖され、オランダに統合されています)

Q:海外展開において、御社がご苦労されていることは何ですか。

高知:経営のローカル化を目指していますが、幹部クラスの育成には時間を要する点が難しいですね。現地の方で、なかなかマネージメントまでやろうというモチベーションを持つ方は少ないです。現地で人材の育成をできるところまでいけば良いですが、なかなかそこまでの準備はできていません。今後の課題として取り組んでいきたいと思っています。

中溝:現状では、日本へ留学生として来た方たちを採用して、日本で仕事を覚えてもらい、母国に帰ってマネージメントをしてもらうケースが多い状況です。現地である程度の学歴があり、上昇志向のある方をピックアップして、教育をしていく必要があると考えています。

(プロフィール)
ショーワグローブ株式会社
執行役員 管理本部長
高知寛幸
2013年にショーワグローブ入社。
システム企画グループ、財務経理グループ、総務グループでグループリーダーに従事したあと2015年に現職。

ショーワグローブ株式会社
管理本部 システム企画グループ
中溝克洋
2000年にショーワグローブ入社。
国内営業部、海外事業部、商品企画室、販売促進グループを経て2014年に現職。

ショーワグローブ
家庭用・作業用・産業用各種手袋の製造・販売を行っている。1990年代から海外に製造、販売拠点を設立して、グローバルに展開。
http://www.showaglove.co.jp/

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