バリアフリーからフロアフリーへ

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スロープをつけたり段差をなくしたりすることで、高齢者や障がい者の方たちの生活の支障となる物理的、精神的な障害を取り除く概念として、「バリアフリー」という言葉は広く浸透しています。そして、「バリアフリー」から一歩踏み込んだ「フロアフリー」という考え方も生まれつつあります。これはご自宅が2階、3階建ての場合にホームエレベーターを設置して、「フロアでの移動に障壁のない生活を実現する」ことです。ホームエレベーターには建築基準法上の規定があり、設置には原則として確認申請が必要です。ホームエレベーターの設置が難しい場合には、いす式階段昇降機も選択肢となります。

ホームエレベーターでフロアフリーに

戸建て住宅では高齢になると階段の昇り降りが困難になるという問題が生じます。加齢とともに足腰に不安を抱えると、2階建て住宅であっても2階をほとんど使用せず、1階のみで生活する高齢者世帯がみられます。

しかし、2階の方が日当たりがよい場合も多く、ほとんど使わない居住空間があるのはもったいないことです。ただ、階段は転倒などの事故も起こりやすい場所です。

そこで、ホームエレベーターを設置することで、フロアを気にせずに往来が可能な「フロアフリー」化を図ることができます。ホームエレベーターがあれば、1日に何度でも、車椅子の生活でも気軽に昇り降りすることが可能となるのです。

階段の昇り降りに支障がない場合も、洗濯物を2階に干す場合や2階にキッチンがある場合には、重いものを持って昇り降りすることから解放されます。ホームエレベーターによるフロアフリーで、日々の生活を便利で安全に過ごすことができます。

ホームエレベーターの種類と設置

ホームエレベーター
ホームエレベーターとは、個人住宅用の3人乗り以下のエレベーターです。最下階から最上階までの昇降行程は最大10m、積載量は200kg以下、エレベーター内の床面積は1.1m2以下などの規定が建築基準法で設けられています。

ホームエレベーターには、電動ポンプで制御する「油圧式」とエレベータールームをロープで巻き上げる「ロープ式」の2種類の駆動方式があります。ホームエレベーターは設置スペースや乗る人数、車椅子の利用の有無をもとにサイズを選ぶことが必要です。押入れサイズほどの省スペースで設置できる商品も展開されていますが、簡易車椅子の利用に限られます。車椅子での利用にあたっては乗降のための切り返しのスペースなども考慮しましょう。

階段昇降機でもフロアフリーにできる?

階段昇降機
住宅でホームエレベーターと比較されるものとして、階段昇降機があげられます。住宅の階段に設置されるものは「いす式階段昇降機」といわれるもので、直線階段だけではなく、曲がり階段やらせん階段に設置できるタイプもあります。階段の側面にレールを取り付けて、レールに沿って椅子が昇降していくものです。

いす式階段昇降機は費用面ではホームエレベーターよりも安く、不要となったら取り外し可能なことがメリットです。ホームエレベーターの設置スペースが取れない、構造上難しい場合にも、いす式階段昇降機は一般的な階段であればほぼ取り付けが可能です。

しかし、車椅子での利用では車椅子からの移動が必要であり、ホームエレベーターほど移動が容易ではないことから、「フロアフリー」とまでは言えないかもしれません。腕の力が弱くなると、自力では車椅子からいす式階段昇降機への移動ができなくなるため、乗降には介護の手が必要となります。

高齢化社会を迎える日本では、QOL(Quality Of Life:生活の質)の維持や介助者の負担の軽減のために、ホームエレベーターはますます必要とされることが見込まれます。ホームエレベーターの設置は、新築時よりもリフォームでは費用がアップし、構造的に難しいケースもあります。新築で戸建て住宅を建てるときには、将来ホームエレベーターを設置することも見据えたプランとしておくのがおすすめです。

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