毎日の電力使用量が分かる。HEMSのメリットとは?

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HEMS(ヘムス)は電力などエネルギーの一元化を図り、エネルギー消費量の見える化を図る仕組みです。この導入によって省エネ意識が高まることが期待されるとともに、電気機器などの自動制御が可能となり、暮らしが便利になると言われています。HEMSを活用することによって、具体的に消費者にはどんなメリットがあるのでしょうか。

そもそもHEMSってなに?

HEMSとは「Home Energy Management System=ホームエネルギーマネジメントシステム」の略で、家庭での消費エネルギーを管理するシステムです。電気やガス、水道の使用状況をはじめ、太陽光発電の発電量や蓄電池の残容量を「見える化」して、エネルギーの一元管理や機器の制御を行います。

HEMSの導入にあたっては、エネルギー計測ユニットを分電盤につなぐか、HEMS専用の分電盤に交換します。使用状況などのデータがインターネットを通じて、パソコンやスマートフォン、メーカーのサーバーなどで共有される仕組みです。HEMSの導入には10万円〜30万円程度の費用を要します。

2016年からの電力の自由化に伴い、電力会社のメーターは従来の機械式メーターから、情報通信機能を持ったスマートメーターへと切り替わり始めており、徐々に検針が不要となっています。スマートメーターがHEMSと連携することで、リアルタイムで電気の使用量を把握できるのです。

日本は石油や石炭、天然ガスなどのエネルギー資源の多くを輸入に頼り、2011年の東日本大震災以降の原発の停止で、エネルギー需給はひっ迫しています。一方、家庭での電気の使用量は生活スタイルの変化により、20年前よりも大幅に増加しています。

エネルギー問題の解決やCO2削減目標の達成のため、政府は「平成24年グリーン政策大綱」で、2030年までに全ての家庭にHEMSを普及させることを目標に掲げています。

エネルギーの消費量の見える化によるメリット

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HEMSの導入によってエネルギーの見える化が図られることで、リアルタイムでエネルギー消費量が分かり、前日や前年と比較することで、節電につながりやすいことは、いちばんのメリットです。電気だけではなく、ガスや水道を含めたエネルギー消費量を把握することもできるようになります。
エネルギー消費量の「見える化」は節電へのモチベーションにつながるだけではなく、楽しみながら省エネに参加することが期待できます。

また、スマートメーターとHEMSが連携することで、電力需要に合わせた料金体系を強化しやすくなり、ピークカットやピークシフトを進めやすくなることもメリットです。リアルタイムで需給状況に合わせて電力料金が変動する仕組みがとられると、電力会社にとっては予備電力を持つ必要性が低くなります。電力会社の経営にとっても、スマートメーターによる料金体系の変化はプラスとなるのです。

エネルギーの一元管理や制御によるメリット

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HEMSの導入によってエネルギーを一元管理すると、パソコンやタブレット端末などから、エネルギーを一元管理し、自動制御をすることも可能です。外出先から電気機器を操作する、電気の安い時間帯に電器機器を稼働させるといったことができます。

HEMSによる一元管理では、たとえば、外出先からスマートフォンでエアコンを操作して、帰宅前に部屋を涼しくしておくことができます。温度や電気消費量によってエアコンの電源を自動的に切る、照明器具の明るさを時間によって変える、電気料金の安い深夜に食洗器を動かすといったような自動制御も可能です。

HEMSの導入によるエネルギーの一元管理は省エネにつながるだけではなく、快適な暮らしを実現できることがメリットです。最近ではレオパレス21がネットワークを利用したコントロール機器の開発などを行っているグラモと提携し、新築アパート全戸にスマートフォンによる家電制御機器「Leo Remocon」を標準搭載することを発表しました。大きなメリットがあるだけに、今後、このような導入は増えていくことでしょう。

HEMSの導入にデメリットはないの?

HEMSによって暮らしが便利になり、省エネにつながることが期待されますが、デメリットはないのでしょうか。

HEMSの導入にあたっては費用がかかります。しかし、エネルギー消費量の見える化が図られることで、どれだけ省エネにつながり、電気やガス、水道料金の削減につながるのかは、世帯によって差が出ます。天候や今後の電力料金の動向によっても、費用対効果は変わってくるでしょう。

また、日本国内でのスマートメーターとHEMSを繋ぐ通信規格として認定された「ECHONET Lite」の対応機器がまだ普及できていないため、エネルギーの制御の機能が享受できるのも、現時点では限定的です。

現状ではHEMSの導入によるメリットが、導入コストを上回るのか分かりにくい面は否めません。しかし、今後「ECHONET Lite」対応機器の普及によって、一般の消費者にHEMSの導入メリットが広がることが予想されます。スマートメーターの普及によって、電力の需要量に合わせた時間別料金が広まると、HEMSは日々の生活に欠かせないものとなっていくことも想定されます。HEMSはこれから導入が進むシステムとして、今後、目が離せないでしょう。

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