【後編】ますます需要が高まるデイサービス/ショートステイとは『ショートステイを第2の住まいとして』

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佐藤不二雄
4人に1人が65歳以上の高齢者という日本の現状を踏まえて、前編ではレオパレス21のシルバー事業から、日帰りで施設に通って日常生活の介護や機能訓練を受けられる「デイサービス」について伺いました。後編では引き続き、佐藤不二雄シルバー事業部長(写真中央)、同運営企画課の野口和之マネージャー(写真左)、同運営推進課の伊佐友善マネージャー(写真右)に、施設に短期間入所できる「ショートステイ」のサービスについて、現状、展望などのお話をお聞きしました。

認知症介護や重度の医療ケアの必要なケースでも、お泊りを受け入れ

Q:「あずみ苑」のデイサービスには、ほとんどショートステイが併設されていますね。

佐藤:2割近くの利用者様が、両方のサービスを使っておられます。そもそも「あずみ苑」のデイサービスをお選びになるのは、近い、食事が美味しい、お友だちがいるなどのほか、ショートステイがあることも理由といえるかもしれません。

野口:お泊まりいただくサービスの利用というのは、高齢のご利用者様にはなかなか勇気のいるものです。それが、普段から行き慣れているデイサービスのショートステイであれば、顔馴染みのスタッフがたくさんいることで、安心して使っていただけます。

Q:ショートステイの利用に当たって、予約はできるのでしょうか。

佐藤:「あずみ苑」では3ヵ月前から予約を承っています。もちろん、前日でも空いていれば予約は可能です。個室や2人部屋、4人部屋などがあり、どの施設でも24室をご用意しています。ご利用される方の事情としては、デイサービスのようにご本人が行ってみたいというお気持ちよりは、ご家族の意向のほうが強いかもしれません。旅行や法事で家を空ける間、施設に泊まってほしいといった理由や、老老介護などで時には息抜きの時間が必要だからといったことです。また、「あずみ苑」ではデイサービスもショートステイも、ある程度の医療的ケアが必要な方についてもお引き受けしています。認知症で徘徊の可能性もある方、胃ろうを付けておられる方、じょく瘡のできてしまっている方、糖尿病のインスリン注射の必要な方でも受け入れが可能です。痰吸引の必要な方だけは、夜間の時間帯は看護師がおりませんので、受け入れが難しいですね。それでも、ご利用者の介護度で言えば、平均2.8くらいです。

伊佐:高齢者の6割の方が、最期まで自宅で過ごしたいと希望しているデータもあります。在宅での療養生活をバックアップするような形でもお使いいただきたいですね。

見守りロボットや感知センサーを使って、夜間の安全性をより担保

あずみ苑
Q:お泊りのサービスということで、トラブル対策も考えられていますか。

野口:夜勤のスタッフが最大で24人の方を見守っていますが、特に転倒防止には気を使っております。最近はロボットやセンサーでの見守り技術が進んでいますので、いろいろな商品を検証しているところです。例えば、ベッドのある範囲からご利用者様が出られるとアラームが鳴るようなシステムもあります。人のいる空間に風を送るエアコンの機能のような仕組みを利用したものですね。ベッドマットがレム睡眠やノンレム睡眠といった眠りの状態を感知して知らせてくれるものもあります。センサーを手首に付けたりする必要もないので、ご利用者様への負担もありません。

佐藤:24人全員の状態を確認するのは大変ですので、このように、ご利用者様の行動や睡眠をチェックできると、職員の安心感にもつながります。今は数時間おきに巡回していますが、すやすや眠っておられる方をかえって起こしてしまいかねません。ご利用者の状況が感知できれば、必要なところに効率良く、適切なケアを行っていけるのではないかと考えています。

Q:スタッフへの教育でこだわっている点はありますか。

伊佐:基礎研修や階層別研修を実施して、教育の機会を数多く設けています。また、今進めているのが、厚労省が推進している「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」の認定へ向けた取り組みです。介護の知識・スキルの評価を全国統一基準で行うものですが、「あずみ苑」の品質を外部基準で見ていただけるわけで、ショートステイの運営実績などからお客様への対応力は高いと自負しております。段位が取得できれば、「『あずみ苑』にはレベル4が○名います」などと公表できるのです。

佐藤:介護プロフェッショナルキャリア段位制度は、施設内に必要な外部研修を履修した評価者を置かねばならないなど、ハードルが高いのですが、職員のモチベーションアップにもつながると考え、推進していきます。離職防止の意味合いもありますし、この段位の評価は個人でも履歴書に書けるキャリアになりますので、レベルアップの効果はかなり期待できると思います。

「安住の地」を願う気持ちから、読み替えた「あずみ」をブランド名にして

野口和之
Q:ご利用者様への接し方で、心がけられていることは何でしょうか。

伊佐:老人ホームなど施設系サービスは介護技術が高いと言われますが、ご利用者様の介護度が高いため、決まったお世話を反復することで習熟していった結果だと思います。一方、デイサービスなどの通所系サービスでは、お客様の嗜好や特性、背景などを知って、いろいろな方に合わせていくスキルが必要で、「あずみ苑」の職員はその部分に長けているのが特徴です。初めてご利用される場合には、座る席を趣味やご出身の似た方の近くにして、「○○さんも東北のご出身なんですよ」などとご紹介して、場が盛り上がるようにしています。細かいことでは、相手の方の眉間を見てお話すると、優しい感じに見えます。真剣な話であれば直視が良いのでしょうが、ご利用者様に対しては、身長の高いスタッフでも屈んで、軽く見上げる感じで話しかけたほうが、圧迫感なく楽に見ていただけるんです。昨今、高齢者施設における虐待が社会問題にもなっていますが、普段からこうした姿勢でご利用者様に接していれば、そういう事態には至らなかったのではないかと思います。

佐藤:「あずみ苑」はもともと、住み慣れた土地に「安住(アンジュウ)の地」をつくっていきたいとの想いで、「安住」を読み替えて名称にいたしました。最近では、地域の公民館のような感じで、介護に関する情報発信ができたり、ご利用の有無に関わらず住民の方たちが相談にいらしたりできる場にしていこうと考えています。実際、地域の町内会・婦人会と協力して、健康相談や介護保険の説明会、振り込め詐欺防止の講習会などを企画し始めているところです。オーナー様に「あずみ苑」なら地域に還元していけると思っていただければ幸いです。時間がかかることかもしれませんが、地域に根差した社会貢献を行うことで、お互いにとって、より良い関係をつくっていきたいですね。

(プロフィール)
株式会社レオパレス21
常務執行役員 シルバー事業部長
佐藤不二雄
1985年入社以来、賃貸事業・建築請負事業での営業をはじめ、人事部、総務部、監査部など幅広い分野で活躍。2011年より現職。
「自分が任されるだろうという予感はしていました。目先のビジネスではなく、これだけのサイズの会社になった以上は、企業としても社会貢献に大いに取り組むべきで、地域に根を下ろしてやっていくシルバー事業には大変なやりがいを感じています」

株式会社レオパレス21
シルバー事業部 運営部 運営企画課 マネージャー
野口和之
介護分野での経験を積んだ後、2006年入社。
施設長などを歴任した後、2016年より現職。
介護現場運営のプロとして、質の高いサービスの維持向上に努める。

株式会社レオパレス21
シルバー事業部 運営推進課 マネージャー
伊佐友善
介護分野での経験を積んだ後、2007年入社。
施設長などを歴任した後、2014年より現職。
新たな施策やサービスを取り入れる上でのエンジンとして、シルバー事業を支える。

レオパレス21グループの介護サービス
あずみ苑
http://www.azumien.jp/

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