なぜカンボジア?日本企業の進出が進むカンボジアの魅力とは

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中国の人件費の高騰や日本のグローバル化によって拠点を東南アジアへ移す企業が増えています。中でも、日本企業の進出が増加している国としてカンボジアが挙げられます。しかし、カンボジアといえば、「内戦が続いた国」という印象を持つ人も多いのではないでしょうか。そこで、なぜカンボジアが日本企業の進出先として選ばれているのか、またカンボジアに進出するメリットについて解説します。

中国からカンボジアへのシフトが進む

日本企業は安価な労働力を中国に求めてきましたが、中国ではここ10年間で人件費が10倍にも高騰し、日本での人件費の3分の1程度にも迫る勢いとなってきました。また、2015年に進んだ人民元高は、2016年に入ってゆり戻しが起こりましたが、2012年までは1人民元=約12円であったのが、最近では1人民元=約15円となっています(2016年10月現在)。

チャイナリスクといわれる中国特有のカントリーリスクも、中国からの日系企業の撤退が進む要因となっています。2007年に発生した冷凍餃子への農薬の混入事件、2014年の大手ハンバーガーチェーンの輸入する鶏肉の消費期限切れ問題などが発覚し、食品の製造管理における安全性も危惧される事態となりました。日本との外交問題では、尖閣諸島の領有権問題や、日本の領海への中国漁船の侵入問題などがありますが、2012年の反日デモでは破壊活動が行われ、日系企業は直接的な被害を受けました。

そこで、日本企業は「チャイナ・プラス・ワン」といわれる新たな海外進出先として、最低賃金の安い東南アジア諸国のカンボジアやミャンマー、ラオスに注目し、中でもカンボジアへの進出が増えているのです。カンボジア日本人商工会の会員企業リストには、企業が並んでいます。

政情が安定し外資優遇策をとるカンボジアの魅力

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カンボジアは、かつての内戦が続いた時代から20年ほど経過し、安定した政治環境となっています。日本からのODAの影響もあって親日国家であるため、日本企業に対して好意的なイメージがあります。

また、国家予算の多くを国際援助に頼っている反面、積極的な外資優遇政策がとられていることが、外国企業の進出を促進する要因のひとつです。カンボジアは100%外資企業による参入が容易であり、SEZ(Special Economic Zone)という経済特区はインフラ整備が優先的に行われ、投資や税制面などでの優遇措置が受けられます。通貨は「リエル」ですが国内通貨の信認性の低さから、米ドルが流通していることも、ビジネスのしやすさにつながっています。

また、人口の約60%を25歳以下の若年層が占めおり、労働力が豊富なことに加えて、今後、購買力が向上し、市場規模の拡大が期待されるのです。

地理的な面では、ベトナムやインドネシア、マレーシアといったアセアン諸国へは、2時間ほどで移動できることから、カンボジアを拠点としたビジネス展開も可能となります。

日系企業のカンボジア進出の課題とは

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一方で、日系企業のカンボジア進出には懸念材料もあります。カンボジアではインフラ整備が遅れ、道路の舗装率は主要国道だけをみると99%に達するものの、それ以外の国道では3割にも満たない状況です。さらに、電力の供給は不安定で、住宅への電気の復旧率は2割程度という状況です。ラオスやタイといった近隣諸国に比べて、電気料金が高いこともネックとなっています。若年層が多いことから今後の人口の増加は見込まれますが、カンボジアの人口は2013年の政府統計で約1470万人と消費市場はまだ小規模です。

また、内戦時代の大量虐殺などの影響によって、熟練の労働者が不足し、中等教育の就学率が4割以下であることから、マネージャークラスの人材育成への課題もあります。

インフラ整備や教育水準の向上は、日本など諸外国の支援によって解決していくべき問題ともいえるでしょう。

カンボジアはインフラ整備など課題があるものの、政府が外国企業の誘致に積極的なため、日本企業にも進出しやすい体制が整えられています。人口が減少し国内市場の縮小や労働力不足が懸念される日本にとって、労働人口が増加傾向にあることも魅力です。加えて、日本がODAを通じて援助をしてきたことから国民は親日的であり、中国で見られるようなカントリーリスクが薄いこともメリットです。

今後の経済成長が見込めるカンボジアへの日本企業の進出は、WIN-WINの関係を築いて、共に発展していく可能性を秘めています。そのためには、単に賃金が安いからカンボジアに進出するのではなく、人材を育てていくという姿勢が日本企業に求められているのが現状です。



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