【後編】2017年、「建築物省エネ法」規制措置『これからの住宅に必要とされる省エネ視点とは〜国土交通省〜』

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国土交通省
前編では「建築物省エネ法」の内容について伺いました。後編では引き続き、国土交通省の川田昌樹氏(写真右)と歌代純平氏(写真左)に、住宅の省エネ化を進めるための施策や省エネを「見える化」するための具体的な施策などについて伺いました。

住宅の省エネ化を推進するための様々な取り組み

Q:住宅の「トップランナー制度」とはどういったものでしょうか。

A:住宅トップランナー制度は、来年度施行する建築物省エネ法に基づく規制措置のひとつであり、戸建建売住宅を新築する住宅事業建築主を規制の対象とするものです。具体的には、最も優れた住宅事業建築主が採用している性能に相当する省エネ性能として「住宅トップランナー基準」を設定し、年間150戸以上の戸建建売住宅を供給する住宅事業建築主に対し、当該基準に照らして必要に応じ、国土交通大臣が勧告などを行うことができることとした制度です。

Q:「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく低炭素建築物の認定とは。

A:省エネ基準に比べ一次エネルギー消費量が10%以上削減されるなどの要件を満たす住宅・建築物は、低炭素建築物として所管行政庁の認定を受けることができます。認定を受けた低炭素建築物は、低炭素化に資する蓄電池や蓄熱槽などの設備で通常の建築物の床面積を超える部分は、容積率の算定対象から除外することが可能となります。また、特に住宅については、税制優遇なども受けることができます。減税額は、住宅ローン減税の限度額が2019年6月末までに居住する場合で500万円と、通常の住宅より100万円上乗せされます。登録免許税については、保存登記及び移転登記の税率がそれぞれ0.1%に引き下げられます。

表示制度で市場での選別を行うことによって省エネ性能の向上を目指す

国土交通省
Q:省エネ性能の表示制度とはどういったものでしょうか。

A:省エネ性能の表示制度の目的は、建築物の省エネ性能の「見える化」を通じ、省エネに優れた建築物が市場で適切に評価され、消費者に選択されるような環境整備を図ることにあります。建築物省エネ法における表示制度は、販売・賃貸事業者の表示の努力義務(法7条)と、所管行政庁による省エネ基準適合認定・表示制度(法36条)の2種類があります。法7条に基づく「建築物の省エネ性能表示のガイドライン」に基づく第3者認証の例としてBELS(ベルス。Building-Housing Energy-Efficiency Labeling System<建築物省エネルギー性能表示制度>)が挙げられます。
これは、(一社)住宅性能評価・表示協会が運用する新築・既存の建築物において、第三者評価機関が省エネルギー性能を評価し認証する制度であり、性能に応じて5段階で★表示がされます。本年度より評価対象に住宅が追加されており、住宅・非住宅、新築・既存、規模を問わず全建物で評価を受けることが可能です。一方、法36条の建築物の所有者を対象とした表示制度は、既存建物が省エネ基準に適合しているか否かを一般の利用者などに分かりやすく伝えることが目的です。通称は「eマーク」で、建築物の所有者は、建築物が省エネ基準に適合すると行政庁の認定を受けた場合、その旨を建築物や敷地、広告、契約書などに表示できます。

Q:省エネ性能の表示制度の普及に向けた支援策はあるのでしょうか。

A:こうした表示制度の推進に向け、補助制度を用意しています。本年度より、「既存建築物省エネ化推進事業」において、300m2以上の既存の住宅・非住宅建築物を対象に、省エネ性能の診断・表示に係る費用の一部を国が補助することとしています。また、BELSの申請手数料の減免を行う第三者機関への支援も行っております。

2020年までにZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を

国土交通省
Q:今後、住宅・建築物の省エネ政策はどのように進められていくのでしょうか。

A:2015年4月に閣議決定された新たなエネルギー基本計画において、建築物については、2020年までに新築公共建築物などで、2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現を目指すことや、住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指すことが掲げられています。また、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化することが掲げられています。このため、低炭素認定建築物の普及や省エネ性能の表示制度の普及などに取り組んでいくこととしています。また、来年度施行される大規模非住宅建築物の省エネ基準適合義務化は、2020年までの段階的適合義務化の第一歩となるものであり、まずは、円滑な施行に向けて、申請側と審査側に対し、手続きや基準などの周知を進めています。

(プロフィール)
国土交通省 住宅局
住宅生産課 建築環境企画室
課長補佐
川田昌樹
2006年度に国土交通省に入省。2016年度より現職。

国土交通省 住宅局
住宅生産課 建築環境企画室
省エネ係長
歌代純平
2013年度に国土交通省に入省。2016年度より現職。

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