今後のスマートハウス事業の行方

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スマートフォンなどを扱うメーカーS社と小売電気事業を行うT社が、2016年8月、スマートハウス事業で業務提携をする方向で話を進めていることが発表され、話題になりました。こうした動きは何を意味するのか、また、今後のスマートハウス事業はどのような方向に進んでいくのでしょうか。

スマートハウスとは?

スマートハウスとは、太陽光発電システムなどによって電力を創出し、蓄電池に蓄え、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、CO2排出量の削減を実現する住宅です。2011年頃から主に大手ハウスメーカーによって市場に登場してきました。以来、省エネ関連の法規制や太陽光発電の固定価格買取制度を背景に発展してきました。2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、エネルギーを創出して、使用量を賄う仕組みを備えたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及促進が目標と掲げられていますが、その中核機器であるHEMS(ヘムス:ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)は現時点では数パーセントの普及率です。

HEMSの導入メリットは、エネルギー管理の効率化によって電気代・ガス代を抑えられることにあります。設置する機器費用の一部に対する補助金制度などもありますが、認知度もまだ高くはなく、自らHEMSを導入しようという家主が少ないというのが現状です。官民による積極的な広報活動が待たれるところです。

コミュニケーション技術と顧客基盤の融合で、一般市場に発信を

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今回、S社とT社で業務提携を考えているのは、スマートホーム分野でのIoT活用によるサービス開発です。IoT(モノのインターネット)とは、モノに通信機能を持たせて制御し、インターネットを活用してデータを集めて革新的サービスや製品につなげるものです。両社それぞれの利点を活かした今回の提携で、利用者のライフスタイルに添ったサービスの提供を目指しているそうです。

S社は、携帯電話やスマホなどの開発で培われたコミュニケーション技術や、分かりやすいデザインのアプリ操作画面、通信技術やサービス・ソリューション構築のノウハウを活かし、T社では電気使用に関する技術やノウハウ、HEMS技術を活かして、利用者のニーズに応えていこうという試みとなります。
IoTが一般住宅向けに発信されていくことは、スマートホーム事業の普及拡大につながることかもしれません。

2社の高度な技術や高いコミュニケーション能力は、一般住宅でIoTを普及させるか

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両社が取り組んでいくIoTサービスは、見守りやセキュリティに関するものが中心とされています。S社による通信技術の提供で、エアコンや照明機器の稼動状況や電力使用量を把握し、外出先からのスマホによる確認・制御を行うことや、家電の使用状況を通して高齢者や子どもの生活を見守ることなどが考えられます。

両社は、利用者のライフスタイルに合わせたサービスを企画開発し、2017年以降、IoTを活用したサービスを開始する予定です。新たなサービスモデルが提案されれば、市場の活況につながるかもしれません。また、T社の顧客網による営業活動で、サービス自体の認知が進み、その結果、一般住宅におけるHEMSの普及がより進むことにつながるでしょう。

モノを売るだけの時代は終わり。あらゆる業種での模索が新たな連携を生む

スマートハウスやHEMSの分野では、これまでにハウスメーカーと電機メーカー各社の連携が進んできました。今回の業務提携をきっかけに、さらに幅広い業種間での提携が期待できるようになるかもしれません。今回のような、家庭内および双方向でのサービスを実現する開発力と、それらを普及させる場としてのサービス基盤を補い合うような、異業種が提携し合う時代が来ています。今後の動向が楽しみです。

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