【後編】留学生受け入れに欠かせない「JAFSA」による留学生への支援体制とは〜JAFSA(国際教育交流協議会)〜』

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日本企業の進出が進む東南アジアでは、日本への留学熱が高まっています。しかし、日本が進める「留学生30万人計画」を実現するためには、受け入れ体制の課題が残されています。前編では、JAFSAが行っている活動や外国人留学生受け入れへの課題についてお話いただきました。後編では、日本の外国人留学生受け入れ体制の現状や、JAFSAによる留学生の支援体制について、引き続き、JAFSA事務局長の高田幸詩朗氏に伺いました。

ベトナムやネパールを中心に留学生が増加

Q:実際に外国人留学生は増加傾向にあるのでしょうか。

A:外国人留学生の数は、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)が公表しているデータでは、2015年5月現在で 20万8379 人と、前年の18万4155 人から2万人以上も増加しています。中国からの留学生が9万4111人と最も多い状況は変わりませんが、ベトナムからの留学生が3万8882人、ネパールからの留学生1万6250人と数年前から比べると倍以上の伸びで大きく数を増やしています。ベトナムなどの東南アジア諸国やネパールは非漢字圏ということもあり、日本語の問題から、大学へ直接留学できる人は少なく、日本語学校で学んだ後に大学へ進学するという流れとなります。

ただし、ネパールの場合には、大学へ進学できる学力が備わった人の数が元々少ないという問題があります。一方、ベトナムは勤勉で優秀な人が多いのが特徴で、日本人に似たメンタリティを持っているといわれますので、今後も留学を希望する人が増えていくことが見込まれています。

賛助会員企業のJAFSAの活動への参画

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Q:賛助会員企業はどのような形でJAFSAの活動に関わっているのでしょうか。

A:賛助会員企業は、留学生を直接サポートするのではなく、B to Bとして大学を通じて留学生支援を行っています。賛助会員企業は、住居や教育システム提供など様々なカテゴリーで参画し、大学に対してサービスを提供したり、アウトソースを引き受けたりしていますし、事業に関する協賛をいただくなど関わり方は多様です。

留学生に対するマーケットのニーズを把握したい企業側と、留学生関連でアウトソースを考えている大学側の間を、事務局が橋渡ししている形です。

賛助会員企業と大学はJAFSAのデータベースをもとに、ダイレクトメールを送ったり、電話をかけたりするなど、直接やり取りすることもできます。大学や企業から相談があった時には、こちらでアドバイスをしたり、企業にイベントへ参加していただいたりすることもあります。

JAFSAへの加盟を希望される際には、加入して何をなさりたいのか、お聞きするようにしています。大学側に一企業としてアプローチするのは難しいですが、JAFSAのメンバーとなることでアピールしやすくなることもメリットです。

企業が会費を払って参加されているので、賛助会員企業を続けていただいていることが、JAFSAの活動に対する評価だと理解しています。

留学生への支援は就職先と住居の確保が課題

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Q:「就職じゃぱん」ではどのような就職支援をされているのでしょうか。

A:日本に留学した学生が、日本で就職できるような展望を持てるようにするべきだと考えています。

外国人留学生の求人サイトである「就職じゃぱん」は日本商工会議所がもともと立ち上げを企画していました。実際には、東京商工会議所とJAFSA、そして当時の日本データビジョンの運営によりスタートし、今は運営事務局がプロシーズに変わっています。

大学のキャリアセンターにある就職情報を電子化して、掲示板のように管理しています。東京商工会議所の会員企業で、スクリーニングを受けた信用できる企業も参加し、日本の企業の80〜90%を占める中小企業にも、優良企業があることを理解してもらいながら、アプローチをしています。留学生も大企業志向が強いですが、大企業に就職できる人は限られています。始めてから4年経ち、実績も上がってきているので、今後は事業化することが課題となっています。

外国人の留学生が日本で学ぶだけではなく、今後は就職して日本に定着していく時代になってきます。グローバル化が国内でも進むことで、日本経済にとってもよい刺激になるのではないでしょうか。

Q:留学生の住宅事情の現状はいかがでしょうか。

A:留学生向けの住宅は、政府が「留学生30万人計画」を推進して増え続けている外国人留学生に対して、まだまだ数が足りていないのが実情です。留学生といっても、全員が2年間や4年間留学するわけではなく、日本から海外へ留学する学生と同様に、交換留学生として短期間、滞在する人もいます。その間の住居を見つけることは担当者にとって大きな負担となっているのが現状です。留学生が何百人も来る時には、住居の確保が頭痛の種になります。家具付き、サービス付きが理想的で、契約期間についてもフレキシブルに対応してもらえる賃貸住宅が求められています。

かつては専門学校への留学生の失踪が問題になったことがありますが、日本語学校でも厳しく基準を設けたため、今はほとんど起こらなくなっています。留学生の失踪という問題では、留学生向けの保証機関を利用する方法もあります。一日も早く住宅問題が解決するように望んでいます。

(プロフィール)
特定非営利活動法人JAFSA(国際教育交流協議会)
事務局長
高田幸詩朗
1981年早稲田大学卒業後、民間企業勤務、大学院修士課程在籍(国際関係修士)、91年より笹川平和財団にて民間非営利活動、NGO活動の支援担当プログラムオフィサー。2000年より国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部にてTOEFLテストの事務局として広報・ETSとの交渉に関わる。
2007年より初の専従専任の事務局長として、JAFSAの運営に携わる。

JAFSA(国際教育交流協議会)
https://www.jafsa.org/

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