進化する暮らし IoTによって防犯への考え方が変わる

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IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が発達することによって、暮らしが大きく変わっていくという可能性が語られています。それは防犯についても絶大な効果を発揮します。監視カメラがインターネットにつながっていれば、カメラが壊されてもデータは損失しませんし、設置機器はカメラのみとなって設置もシンプルになります。今後、IoTの進化とともに広がっていくであろう防犯について説明します。

利便性や安全性を担保するスマートなツールが住まいにも

アナログの時代の防犯カメラシステムは、ビデオレコーダーなどの録画機器やモニターとカメラを伝送ケーブルでつないでいました。そのため、各機器の購入や業者による設置工事が必要で、それなりの初期費用を要し、何より映像確認の手間が煩雑でした。シンプルな構成ゆえに、ホームセキュリティやアパート、マンションの防犯ツールとして扱いやすく、120分のVHSテープに上書きして繰り返し使っていたものです。
記憶媒体がSDカードやUSBメモリになれば、比較的長期にわたっての録画データの保存もある程度はできました。しかし、盗犯や暴力行為などの軽犯罪が以前に比べると身近な危険となってきている現代の日本では、何かしら犯罪が起きた時に過去まで戻っての検証が必要になるケースも考えられます。また、カメラや記憶媒体が壊されるといった暴力的なリスクにも備える必要があります。

こうした状況も、IoTの発達によって大きく変わりました。モノ自体が通信機能を持ってインターネットにつながることにより、様々な分野で自動認識や自動制御、遠隔操作などの利便性が格段に上がってきています。工場では大型の機器などにセンサーと通信機能を内蔵して稼働状況や故障箇所、交換の必要な部品などを供給元がリアルタイムに把握できるシステムなども使われ始めていますし、道路では自動車の位置情報をリアルタイムに集約して渋滞の解消に役立てるシステムも考案されています。
住まいにおいても、人間の検針員に代わり家庭やオフィスの電力メーターと電力会社を通信で結んで、電力使用量を申告するスマートメーターが導入されつつあり、さらに高齢者や乳幼児、ペットに対する見守りツール、帰宅時間を見計らって遠隔操作できるエアコン、開けなくても内臓カメラで食材の有無を確認できる冷蔵庫などが続々と開発・商品化されています。

クラウドに映像データを集積するから、省スペースで安全

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IoTの技術が防犯分野に役立つのは、家の外からも遠隔でモニタリングができるIPカメラやネットワークカメラと呼ばれるタイプの「クラウド型防犯カメラ」です。カメラの映像記録機能は従来のままですが、ネットワーク経由で映像を送れること、録画した映像はカメラから自動的に専用サーバーに送信されるのでレコーダーが不要であること、外部からのモニタリング用アプリやインターネットブラウザがあれば簡単に設置ができることなどの特徴があります。
つまり、従来の防犯カメラシステムでは、映像を記録するカメラ、録画するレコーダー、映像確認のモニター、各機器をつなぐ伝送ケーブルが必要でしたが、クラウド型であれば設置に必要なのは、ネットワークに接続可能な専用カメラ、そして映像を確認するパソコンやタブレット・スマートフォン・Wi-fiなどの無線インターネット環境だけとなります。スマホやインターネット環境はすでにあるもので十分ですので、多くの場合は専用のカメラを用意するだけでシステムがつくれることになります。また、カメラの映像をレコーダーではなくクラウド上のサーバーに集積するので、従来手間だったレコーダーの設置場所の確保や保守・故障時対応も手がかからなくなり、機器が壊されたりしても録画データは確保されていることから、解決策も見出しやすくなるといえます。

気をつけなければならないのは、ネットワークのセキュリティです。2016年の年明け早々に、ロシアのウェブサイトで世界中のネットワークカメラの映像が誰でも見られる状態になっているという騒動がありました。この報道で、改めて防犯カメラシステムの利用者としては、ユーザー認証のON/OFFの確認、ID・パスワードの管理の徹底の重要性が認識されました。また、サーバーやアプリ、Wi-fiのサービスを提供する会社のセキュリティ対策が信頼の置けるものかどうかを見定めることが必要となります。

遠隔・リアルタイムの監視体制で早期のトラブル対応が可能に

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セブン-イレブン・ジャパンは2016年4月に、綜合警備保障(ALSOK)およびNECと連携したクラウド型防犯カメラサービス導入を発表しました。全国の店舗に広げる予定で、多店舗展開する小売業における同サービスの大規模展開としては初の取り組みです。既存のネットワークを活用してクラウド上で防犯カメラの映像を収集・管理しますが、専用レコーダーにはNECの高速軽量暗号技術を搭載するなど、セキュリティ対策も考えられています。セブン-イレブン・ジャパンとしては、各店舗の映像が本部でリアルタイムに閲覧できることで、防犯に加え、大規模災害時の初期対応にも有効活用する考えです。また、フランチャイズ店が多い同社において、店舗オーナーも外出先や自宅から店舗の映像を閲覧できるこのシステムが、他社との差別化になっています。

レオパレス21でも2016年10月に、同社管理の賃貸物件にNECのクラウド型防犯カメラサービスの導入開始を発表しました。このようなサービスを賃貸物件に導入するのは、業界でも初※の先進的な試みです。これにより、物件のエントランスやゴミ捨て場、駐車場などの防犯カメラ映像が遠隔でリアルタイムに確認でき、不審者の立ち入りやゴミの散乱、違法駐車といったトラブルの芽を早期に摘むことができます。もちろん、物件における防犯対策強化の効果も大きく、入居者にとっても差別化のポイントとなることが見込まれます。

※2016年10月24日現在、レオパレス21調べ

このように、IoTの進化によって防犯分野では、より少ないコストでシステマティックに遠隔・リアルタイムでの監視が実現しつつあります。人の住まいや働く場所にIoTが「安全」をもたらしてくれることでしょう。

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