インドネシアの豊富な労働力は消費市場としても魅力〜ASEANへの海外進出〜

グローバル

関連キーワード
インドネシア
インドネシアでは自動車産業をはじめとした、日系企業の進出が進んでいます。インドネシアは若年層の人口が多く労働力が確保しやすいという生産拠点としての魅力に加えて、消費市場としても注目されています。インドネシアへの日系企業の進出の理由や現在の状況などについて解説していきます。

「現地生産」+「現地販売」が期待できるインドネシアの魅力

インドネシア
中国に代わる海外進出先として、ASEANの中でもインドネシアを選択する日系企業が増えています。インドネシアの人口は2億5217万人(JETRO HPより2014年、中央統計局データ)と、世界第4位、東南アジアでは最も人口の多い国です。特に20代以下の若年層の人口比率が高いことから、労働力としてだけではなく、今後の継続的な内需も期待できます。2015年の実質国内総生産(GDP)成長率は4.79%でしたが、これまで5〜6%を維持してきました。インドネシアは安価な労働力による現地生産を行うだけではなく、経済成長する国として現地販売も見込めることが日本企業の進出する要因となっています。

インドネシアは親日国家としても知られ、日本語学習者が比較的多いとされる国です。
また、イスラム教徒が90%を占める国ではあるものの、イスラム国家ではないことも、進出しやすさにつながっています。政治の面では、2014年10月に軍人やエリート出身以外で初のインドネシア大統領となる、ジョコ・ウィドド政権(通称:ジョコウィ政権)が発足し、産業界との対話路線を進めています。

日系企業が強さをみせる自動車産業

インドネシア
インドネシアで日系企業の進出が目立つのは自動車産業です。インドネシアはASEAN諸国の中で、最大の自動車市場でもあり、日本車のほぼ独占市場です。2015年度のインドネシアの自動車販売総数は約101万台で、2位タイの約80万台を引き離しています。そのうち日系企業の自動車の販売台数は約 99 万台で、 97.5%ものシェアを誇ります。それは日本が1980年代から、自動車を国内で生産したいというインドネシア政府の求めに応じて、日本の自動車メーカーが進出して工場を建設したことが現在の状況につながっています。部品工場も現地化が進み、600社もの部品メーカーがインドネシアに進出しています。

日本車が圧倒的なシェアを維持している背景には、「日本製品は故障しにくく、耐用年数が長い」という長所がインドネシアの国民に受け入れられたことにあります。また、インドネシアモデルも生産し、現地のニーズを取り入れています。さらに販売策としては、割賦販売を行うため、商社などによる販売金融会社を設立したことが、販売台数の拡大につながりました。

一方で、タイには2000社にも及ぶ部品メーカーが進出していることから、部品メーカーの進出はまだまだ不十分ともいわれ、人材育成にも課題があります。また、輸入原料の高騰による販売価格の上昇、加えて金利の上昇に伴い、ローン金利が上がっていることも懸念材料です。ただし、部品生産の現地化をいっそう進めることで、価格競争力を高める動きもあります。

とはいえ、インドネシアでは、自動車の保有割合が20人に1台であり、若年層の割合も多いことから、今後も自動車の国内市場の拡大が期待できます。インドネシアではミニバンが市場の4割を占め、2012年の初めまでは、トヨタとダイハツが圧倒的なシェアを誇っていました。2012年にスズキや日産が新型車を投入、2014年にはホンダも小型ミニバン市場に参入しました。これまで商用トラックが中心であった三菱自動車は、2017年に稼働予定のインドネシアで2ヵ所目となる工場の建設を進め、高所得者層向けのSUVや小型ミニバンの生産に力を入れます。

食費など一般消費財の分野にも日系企業の進出が進む

インドネシアでの日系企業の進出は、食品などの一般消費財を生産する製造業をはじめ、飲食業や小売業、教育産業などのサービス業、通信業や金融業まで広がっています。

少子化によって市場の成長が見込めないことから、これまで日本国内での売上が大半を占めていた製菓メーカーのインドネシアへの進出が目立ちます。2013年に森永製菓が現地企業との合弁による子会社を設立し、2016年4月からはイスラム教の戒律に沿ったハラール認証のソフトキャンディーの生産・販売を始めました。イスラム教においては、この認証がされているかどうかが宗教上の大きな問題となり、認証されてはじめて、人々はそれを口にすることができます。
カルビーも2016年7月から、ハラール認証のスナック菓子の製造や販売をはじめています。ロッテホールディングスも、チョコレート菓子の製造や販売を2014年から行っています。

インドネシアへ日系企業が進出する理由は、生産拠点としてだけではなく、消費市場としての魅力も大いにあります。インドネシアはASEAN最大の市場であり、ハラール認証を得ることでイスラム圏の国々とのビジネスの糸口にもなります。そのため、チャイナプラスワンの国として、インドネシアに進出にするにとどまらず、その大きな市場を目的に進出する企業が増えていくことでしょう。

その他のグローバルの記事

キーワード一覧

 ページトップ