【後編】業界初の試みとなった賃貸契約の電子化『お客様からの評判と今後の可能性』

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導入から1周年を迎えたレオパレス21による賃貸契約の電子化は、お客様の利便性向上や業務負担軽減、省資源化など多くのメリットを生み出しています。
業界初の取り組みとして注目を集めたサービスは、各方面からの評判も良く、十分な効果を挙げています。後編では、お客様や現場の声などをご紹介しつつ、今後の可能性について、賃貸事業部の黒田博久課長代理(写真右)と田島和樹新宿支店店長(写真左)にお伺いしました。

記載漏れを事前に防ぎ、業務の軽減につながるメリット

Q:賃貸契約の電子化による担当者の評判はいかがですか。

田島:とても良いですね。紙を使っていると、目視で行っていただくので、記載が漏れたまま進めてしまい、後で気がつくということも起こります。そのときは、お客様にご迷惑をかけてしまうこともあるのです。電子化になってからは、1項目ずつ確認していくのはもちろんですが、記載が完了したら「次へ」というボタンをクリックして進めていくので、記載漏れということが起こりません。もし漏れがあった場合は、「次へ」をクリックするところで先に進めなくなるので、その場で気づくことができるからです。

審査のときも同様ですが、例えばお勤め先の名前はいただいていても、勤続年数が抜けていたり、もしくは電話番号が抜けていたりすると、後日、必ず確認しなければなりませんが、そういうことがなくなるのは、業務の軽減に大きくつながっています。

これは慣れてしまえば、契約がリアルタイムで終了するので、残務がなくなります。担当者からも喜びの声が上がっています。

黒田:書類自体も回収手続きは完了していますので、その後の保管手続きも大幅に業務の負担が減りました。これまでは、紙で契約を取り交わしたものについては、回収した書類に不足や記入の不備がないことを確認してから、指定された期日には所定の保管先へ送付して、倉庫で管理しておかなければなりませんでしたが、電子化によって、そのような業務自体も軽減されています。

Q:導入から1年が経ったわけですが、お客様の反応はいかがですか?

田島:スマートフォンなどのデジタル機器に慣れている方からは、すぐに受け入れていただきました。ただ、ご高齢の方には不評の場合があります。それと、少し文字を崩して書かれる方には補正作業が必要になります。
また難しい漢字を使われる方もいらっしゃるので、紙に書くときよりもスムーズにいかないという声もなかにはあります。クセがあったり崩して書かれる方の文字はそのまま読み取りできないことがあります。

黒田:今回の取り組みでは、お客様に文字を書いてもらった後に、ソフトで文字認識をして全部テキスト化するという仕組みを採用しています。これはソフトによる文字認識率が100%にはどうしてもならないため、それを補正する作業が必要となります。ただし、慣れの問題もあり、同じような現象がどこでも起きますので、文字をチェックするポイントは次第に分かってきます。そうすると担当者のレベルが上がることで、よりスムーズに進められるようになります。

ただ、タブレットで全てを完結させるためにはお店で手続きを行わなければなりませんが、契約を急ぎたい方や、1度来られた後に、再度のご来店がなかなか難しいなどということがあると、途中までタブレットで手続きをしているところで紙に移行する場合は、申込からやり直さなければならなくなります。当社としましては、できるだけタブレットで完結させていただけるようご案内をしていますが、お客様のご都合によっては柔軟に対応させていただくようにしています。

契約書の倉庫での管理や取り寄せが不要に

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Q:ほかには何か気づかれた点はありますか。

田島:お客様が見たいときに、いつでも契約書を見られる状況なのが便利だという声があります。よくある例としては、借りているお部屋が会社の社宅扱いになっている場合は、毎年、会社へ契約書を提出しなければいけないことがあります。紙による契約書の場合は、控えをお客様にお渡ししているのですが、それを紛失されたりしているときには、お客様から当社側で保管している契約書のコピーの提供を求められたりします。その際、当社の書類は倉庫に送ってしまっているので、倉庫に問い合わせをして取り寄せてからコピーして送付するという手続きが必要になっていました。
今では、お客様はマイページ上で簡単に見られるようになっていますので、そのようなお問い合わせに対する作業の軽減にもつながっています。

黒田:長くお住まいになっていると、それだけ書類を紛失されるケースは増えますね。私にも同じような経験はありますが、そういうときに、すぐに取り出せるようになっているのは、お客様はもちろん、当社にとっても賃貸契約の電子化による大きなメリットです。

Q:導入時には、現場でどのようなご苦労がありましたか。

田島:紙を電子にするというのは、全くやり方が変わるので、最初はやはり苦労しました。テスト用の環境を利用して操作手順を繰り返し確認し、何度も社員間でミーティングをして、想定される出来事についての対処法について話し合いを行いました。

黒田:開発の段階での話ですが、内部統制上の観点から、契約手続き等の運用の制御に関する検討に時間を使いました。順序良く手続きをしていかないと、仕組み上、進まないように制限をかけています。要は手順を簡略化して追い越してしまうようなことができないようになっているのですが、これは、業務上で必要な事務作業や提出書類等の抜け・漏れの防止、担当者が社内での所定の決裁を得ないまま1人で契約手続きを進められないよう、不正な行為を防止する等の目的があり、電子化によって、きちんとしたプロセスを踏まない状態では契約をできなくしています。

1年前の導入段階では、全国の主要な店舗に訪問し、周辺の店舗からスタッフを集め、実際の手続きをひと通り行って見せ、全体の流れと具体的な操作内容を確認してもらうというやり方で研修を行いました。そこからお店に帰ってトレーニングをしてもらい、電子化による運用をスタートしました。

契約に至らなかったお客様の分析で、ニーズへの対応を

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Q:契約書の電子化の今後の可能性について教えてください。

黒田:電子化をするにあたって、情報をテキスト化して取り込んでいますが、これまでは、契約したお客様のデータしか活用できる状態で残せていませんでした。契約に至らなかったお客様の情報は店舗で一定期間保管しているだけなので、それらの情報はほとんど残せていません。今後は受付した全ての情報がデータとして残りますので、それをどんどん蓄積することによって、契約をしたお客様、そして契約に至らなかったお客様について、どのような傾向があったのかを分析することで、今後に役立つのではないかと考えています。これは電子化における大きな目的のひとつになっています。

例えばお客様が来店されたときに、どういうニーズで来られているのかも、契約された方については残っているのですが、契約されていない方の分は、ほとんど残らないわけです。どうして、その方は契約をしなかったのか、その人が部屋探しをした条件はどのようなものだったのかなどということは、これまでほとんど見えていなかったわけですが、今後は、それを分析することで、やり方が変わってくるでしょう。

分析の方法は今後の課題となりますが、お客様の傾向を掴むためにも電子化を推進していきたいと考えています。

(プロフィール)
レオパレス21
賃貸事業部
営業企画推進部 営業企画課
課長代理
黒田博久
2002年に入社。2015年より現任。

レオパレス21
賃貸事業部
新宿支店
店長
田島和樹
2005年に入社。2014年に新宿支店の店長に。

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