【前編】ゼミナールの体験学習が授業科目へステップアップした産学連携『海外でのビジネス体験を社内リソースでコーディネート〜桜美林大学〜』

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レオパレス21では産学連携として、美術系の学校で「my DIY」のコンテストイベントを実施したり、インターンシップによる「キャリ活」というキャリア形成活動支援を行ったりしています。
これにより、賃貸事業だけではない多角的な取り組みを行う企業としての認知が進んでいるのです。そうしたレオパレス21との産学連携が、授業科目にまでなっている例を、桜美林大学ビジネスマネジメント学群を教えている五十嵐元一教授に伺いました。

グアムにある観光リソースを活用して、学生にリアルな体験実習を提供

Q:レオパレス21と行っている産学連携は、どういうものですか。

A:本学群では実習科目を必修化しておりまして、学生が実際に企業で働く経験をするインターンシップのほか、「海外ビジネス研修」という授業科目があります。その中のひとつで私が担当している「ホテル&ブライダル」の研修部分を、レオパレス21さんにご協力いただいて、グアムで毎年実施しているのです。

これは2年生以降に履修できる科目です。ほとんどの場合、2年生から3年生に進級する春休み中にグアムで研修を行う形で履修しています。本学では1月下旬に定期試験を終えると学生はしばらく休みに入ります。3月下旬に1週間、事前学習を行い、それを受けて4月中旬に授業が始まる前の春休み期間中に、4泊5日でグアムに行くというスケジュールです。

Q:グアムで実施されている研修とは、どういった内容でしょうか。

A:30名ほどの学生が、レオパレスリゾートグアムのホテルに宿泊して、ホテルとブライダル両方のビジネスを学ぶプログラムです。ホテルでは宿泊と料飲部門の研修として、支配人によるレクチャーや観光マーケティング研修、ベッドメイク、レストランでの配膳実習やテーブルマナー、さらにコンドミニアムやゴルフ場などスポーツ施設見学など、多様な施設を所有するレオパレス21さんならではの協力体制で、学生が観光の現場を実体験することができます。

ブライダル研修は、これも手配や準備は全てレオパレス21さんにお任せしているのですが、現地のブライダル会社を通じて模擬挙式を実施してもらっています。学生は新郎新婦や参列者、結婚の誓いの証人などに扮しますが、牧師や聖歌隊も含め、挙式のスタッフは全て本物で、実際に挙式を執り行っていただくのです。ほとんどの学生はまだ結婚式への列席経験はありませんので、ブライダルの仕事に興味を持っている学生にとっては大変貴重な経験になります。

また、ブライダル研修でありがたいのが、ウエディングドレスの着付けなど、裏方の仕事を間近で見学できるということです。実は女子学生を中心に、就職先としてブライダル業界の人気は大変高く、研修に参加するのは女子学生がほとんどを占めるほどなのです。このほか、グアム大学の学生との交流会や英語学習、現地文化に触れるチャモロダンスレッスンなど、国際的視野を得られるような体験にも時間を割いています。

レオパレス21に転職していた元同僚が、実践的な研修プログラムへの橋渡しを

Q:この体験学習を始められた経緯について教えてください。

A:実は私自身、もともとホテル業界におり、10年ほどホテル勤務した後に、大学教員に転じた経歴を持っています。最初の大学は北海道で、その後に現在の桜美林大学に移る際、東京に戻ってきました。その時、ホテル勤務時代の先輩と久しぶりに会おうということになったのですが、その方がたまたまレオパレス21さんに転職されていたんですね。それで互いに近況報告をするうちに、レオパレス21さんでは社内のリソースを用いて企業に様々な形の産学連携を提案しているのだと知りました。

ただ、ホテルでの研修ということであれば、私も以前に勤めていたホテルとは今も交流があり、北海道での大学教員時代にも学生を連れて行く機会はありました。ですが、レオパレス21さんからのご提案で魅力的だったのは、グアムで研修をアレンジしていただける点でした。

Q:海外での研修は珍しいのですか。

A:そういうわけではありません。実際に本学群の海外ビジネス研修にも、行き先としては欧米やアジア、オーストラリアもあります。ただし、内容が視察や英語学習、観光などになりやすいのです。レオパレス21さんのご提案では、国内における研修と変わらず具体的かつ実践的なプログラムを組んでいただけるのが画期的でした。

学生を引率しての研修にはうってつけの条件が揃っていたグアム

Q:グアムという場所については、いかがでしたか。

日本から飛行機で3時間ほどと近く、4泊5日の日程でも現地で十分な研修プログラムと自由時間までも取ることができるのが良いと思いました。時差も1時間ということで、すぐに活動できて無駄がありません。距離が近いため、旅行費用の面でも学生の負担が少なく、参加のしやすさにつながっているのではないでしょうか。

また、日本人観光客の多い土地ですから、英語以外に日本語も通じやすいので安心です。研修ですので、安全面への留意は重要ですし、言葉の壁をさほど感じずに現地の人と交流もできますからね。実は、この研修が初めての海外旅行経験だという学生も多いのです。私が学生だった頃は、ほとんどの学生が海外旅行に行くような時代でしたが、今の学生はそうでもないのです。だからこそ、研修で海外に行くということの価値は大きいと思いますね。

また、学生を引率しての授業の運用という意味で助かっているのが、グアムに向かうフライトが夜中に出発し、午前2時に到着する深夜便を利用できる点です。ほかに午前発というフライトもあるのですが、それだと成田空港の集合時間が早朝になり、学生ではおそらく遅刻者が続発する可能性が大です(笑)。若者は早起きが苦手なものですし、普段の生活パターンでは午前9時だと起床するかどうかといった時間帯かもしれません。深夜便を利用しているおかげで、これまで遅刻者は出ずに済んでいます。暗いうちに到着してチェックインしますので、翌朝からすぐ研修プログラムを始められるのも良い点です。4泊5日をフルに有効活用できますね。

もう一点、グアムは観光地であると同時に、太平洋戦争の戦地だった場所でもあります。そうした歴史的な背景については、事前学習で学生に伝えています。私自身、グアムでの自由時間を使って個人的に、太平洋戦争博物館を訪れたりもしているんです。今は日本にいても、インバウンドの活況で外国人旅行者と接する機会も多いですし、観光業に携わるのであればなおさら、文化的・歴史的な背景に通じていることが大切です。
後編では具体的な研修内容についてお話しします。

(プロフィール)
桜美林大学
ビジネスマネジメント学群
ビジネスマネジメント学類
教授
五十嵐元一

1991年早稲田大学法学部卒業後、全日空エンタプライズ株式会社に入社。
東京全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)などでホテルマンとしてキャリアを積み、新人研修なども担当。
休職してニューヨーク大学でホスピタリティ産業学を学んだ際に指導教授や研修先の対応に感銘を受けたのを機に、大学教授への転身を目指す。
2002年より札幌国際大学観光学部に入職し、後に観光ビジネス学科学科長を務める。
2010年桜美林大学に転じ、2015年より現職。
専門はホスピタリティ・マネジメント。博士(経営学)。
学生が創造力・実行力・コミュニケーション能力を高めることができるよう、理論と実務の架橋的教育を双方向的な授業により行っている。

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