ダイバーシティマネジメントで広がる働き方の多様性

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世代や性別を問わず、様々な価値観が存在する現代。働き方で言えば、出世したい人もいれば、ワークライフバランスを重視したい人もいます。
ライフステージによっては、育児や介護に専念せざるを得ない時期もあります。こうしたニーズに応え、多様な働き方が選べる人事制度を導入することで、実は働く人のモチベーションアップを図ることが可能です。そんなダイバーシティマネジメントについてご紹介します。

ワークライフバランス目的の時短や効率化でモチベーションもアップ

長時間労働は長らく日本人の働き方の特徴とされ、「サービス残業」や「過労死」といった言葉も度々耳にしてきました。家長である世帯主の男性が主な働き手として、終身雇用のもと、家族のために働いてきたという背景もあります。
しかし、日本の労働人口も1995年の8726万人をピークに減少へと転じており、女性の社会進出や景気に左右される面はあるものの、今後ますます労働力そのものが不足していく状況にあります。そこで政府が推進しようとしているのが、女性・高齢者・外国人・障がい者も含め、誰もが社会に参加できる環境づくりであり、多様な働き方を選べる人事制度=ダイバーシティマネジメントが脚光を浴びているのです。

多様な働き方のひとつに、ワークライフバランスという考え方に基づくスタイルがあります。残業や転勤など、家庭より仕事を優先させるというのではなく、仕事も家庭もどちらも大切に調和させていこうという価値観です。それを実現するには、帰宅して家族と過ごしたり、趣味やボランティアなど自分のために時間を使ったりできるように、常識的な時間で仕事を終えられる労働環境が求められます。

これまでもノー残業デーや公休取得キャンペーンといった手法が取り入れられてきましたが、休んだシワ寄せで他の日が忙しくなったり、仕事を家に持ち帰ってしまったりといった弊害も見られました。最近はさらに踏み込んで、会議時間の短縮やICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)などの連絡ツールによる仕事の効率化を同時に進めて、労働時間そのものを実質的に減らせるようなサポートを会社が率先して行うようになりました。夜間の決まった時間帯には全従業員を退出させる、ある時間以降はクライアントからの急ぎの依頼も断る、といった英断を下している企業の例もあります。業務を見直し、集中して仕事にかかれるようになったこれらの企業では、社員のモチベーションアップ効果も見られました。まさにダイバーシティマネジメント効果といえるでしょう。

ワンオペ育児に陥らせない、子どものための時間を作れる働き方

ダイバーシティマネジメント
日常的な労働時間のほかに、ライフステージによって働き方を変えたいというニーズも存在します。出産・育児・介護など、家庭の事情によるものです。実際に大企業を中心に、産前産後休暇・育児休暇・介護休暇、短時間勤務や在宅勤務といった制度の充実が図られており、取得率などの情報をCSRの一環で開示しているダイバーシティ先進企業も多数あります。また、2016年12月には厚生労働省が、現行制度では最長1年半の育休期間を2年に延長する方針を固めました。都市部を中心とした保育所不足による待機児童問題もあって、子どもの預け先を見つけるのに十分な期間が必要という配慮によるものです。

2018年春までの実施を目指して育児・介護休業法の改正が進められますが、同時に、男性の育児参加に向けた新たな休暇制度の制定も企業に促す方針が決まっています。事業者の努力義務という形ですが、子どもの幼稚園の行事、妻の出産直後などにも利用できる休暇制度がつくられ、また企業サイドから男性社員に育休取得を促すことが求められるようにもなります。

夫不在で妻だけが育児や家事、ときには仕事までも含めてひとりで背負い込み疲弊してしまう「ワンオペ育児」と呼ぶような状況が問題にもなっています。男性の育児参加は日本社会にとって急務であり、そのためにも職場の理解が必要不可欠といえるでしょう。

親の介護や自分の病気、不慮の局面でも働き続けられる制度が必要

ダイバーシティマネジメント
ダイバーシティマネジメントは、親の介護に直面する40代50代の社員にとっても重要です。未婚あるいは離婚歴のある人も多い世代であり、男女を問わず、親の面倒を見られるのは家族中で自分だけという状況にもなりかねません。夫婦や兄弟で世話をするにしても女性だけでなく、男性にもある程度、介護への参加が求められます。同居ではなく、離れて暮らす親が要介護状態になった場合など、仕事をしながらでは状況を把握して在宅で介護するか入居施設を探すかを検討するだけでも大変です。

2017年1月1日に改正された育児・介護休業法では通算93日間の期間内で5日間までの休暇を3回に分割して取得でき、育児と同様に介護についても対象家族1名につき、必要がなくなるまで残業や休日出勤など所定外労働の免除が受けられるようになります。企業によっては、産休・育休制度とともに、法定日数を超えた取得上限日数を定めたり、短時間勤務制度と組み合わせて効果的に取得できたり、1日・半日だけでなく時間単位など職場への影響を最低限に抑えながら運用できたりと、積極的に取り組む事例も出てきています。

また、社員の家族の問題だけでなく、例えば本人ががんになった場合の、がん就労支援も重要です。最近はがんでも早期発見であれば治癒が可能なものもあり、治療方法も手術だけでなく、抗がん剤や放射線など通院で足りる場合も少なくありません。職場復帰の可能性も高く、治療費のためにむしろ仕事を辞めるわけにはいかない事情もあることから、体力の衰えや通院負担をサポートできるような短時間勤務や一時的な異動・休業および復職制度の整備が必要となります。偏見を生まないよう、職場の理解・啓発に努めることもダイバーシティマネジメントの観点からは大切でしょう。

こうした人事制度は、国の方針や指導ばかりでなく、最近の若者の働き方に対するイメージにも合致します。アグレッシブに出世を目指すよりも、プライベートを大切にしながら仕事を長く続けていきたいという風潮を受けて、新卒などをはじめ優良な若年労働力を確保するためにもダイバーシティマネジメントは必要なのです。これらの制度が風土として定着していくことで、一人ひとりが志向する多様な働き方ができる社会が実現していくことでしょう。


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