【後編】税理士が語る相続税対策『高齢化社会における不動産オーナーのための相続税対策〜JPコンサルタンツ・グループ〜』

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写真は左から深津栄一氏、小林登氏、JPコンサルタンツ・グループ代表取締役の下吹越<しもひごし>一孝氏、金子幸男氏、戸島潤吏氏

前編では、相続税対策を早くから行うべき理由やその中身について、レオパレス21と提携している会計事務所の連合体、JPコンサルタンツ・グループの税理士の方々に伺いました。後編では引き続き、賃貸集合住宅オーナーにとっての相続税問題について伺います。(写真は左から深津栄一氏、小林登氏、JPコンサルタンツ・グループ代表取締役の下吹越<しもひごし>一孝氏、金子幸男氏、戸島潤吏氏)

相続対策よりも、まず「事業性の確かさ」がアパート経営に踏み出す際には重要

Q:アパート経営の節税効果というのは確かなものでしょうか。

小林:まず、声を大にして言いたいのは、集合住宅の賃貸経営は相続対策ありきで考えるのではなく、事業として成立することが先決だということです。借り入れをしてアパートを建て、相続税を節税することは可能です。でも大切なのは、相続を終えた後も事業として成り立っていくような賃貸経営案件であることなのです。
実際、資産を現金で持つよりも土地・建物のほうが相続税の課税評価額は低く、アパート経営には節税効果があるというので、事業性までは思い至らずに経営に踏み切るケースは少なくありません。「隣が建てたから自分も」というような気安い考えで始めた結果、入居者が上手く集められず、ローンが払えない・・・といったことも現実に起きています。

Q:事業として成り立つかは、どのように見極めるのですか。

小林:アパート経営を始めるかどうかも含めての税務相談であれば、地域に根付いた会計事務所として、そのエリアでどの程度の入居が見込めるかを調べることもあります。これから建てて事業を始めて成り立つのかということですね。また、現在所有している土地・不動産をどのようにしていくかというご相談もあります。
地主の方は皆さん、土地を有効活用したいという意欲は持っていらっしゃるものです。新たに賃貸住宅が建て上がった時というのは、大変に気持ちの良いものだそうですね(笑)。でも、肝心なのはそれからです。笑顔で続けていただくためにも、事業性のアドバイスといったところまで、私どもで支えていければと考えています。

戸島:お客様とそうした相談を進める時、レオパレス21ではその案件の市場性を踏まえてアドバイスされていますね。同席していて感じるのですが、場合によってはお客様に考え直していただけるよう説明したりもするのです。そうしたスタンスは税理士から見ても安心できます。

下吹越:専門家として関わった案件においてお客様のリスクが顕在化するようなことがあれば、私たち会計事務所としても大問題です。地域で築いてきたこれまでの信用を失い、顧客との信頼関係が揺らぎかねません。その意味でも、レオパレス21は信頼でき、そのような心配がないからこそ提携できるわけですね。このように、関係者が事業性に留意しながら賃貸住宅経営を考えていけば、お客様にとってより良い結果につながっていくのではないでしょうか。

幅広い専門分野にもワンストップで対応できるグループの強み

グループの強み

小林 登氏

Q:アパート経営をしていく上での相続問題は、節税対策のほかに何が考えられますか。

戸島:速やかな現金化が難しい不動産資産ですから、納税資金の準備も大切です。所有する資産をトータルで試算して、税額がどのくらいになるかをあらかじめ想定しておかなければなりません。必要な納税資金を用意するために、不動産収入をどうしていくかなど、いろいろな観点でのアドバイスが考えられます。

金子:もうひとつ、家族間のトラブルを未然に防ぐことも相続では大切なポイントです。何も準備しないまま相続に入ってからの遺産分割協議というのは、それはもう大変なものですから。

Q:そのためにも、早めに税理士に相談し、親族間で話し合っておくことが大切です。

小林:相続にまつわる税理士への依頼内容には、税務調査への対応もあります。相続税の税務調査で問題になるのは、家族名義預金を相続財産ではないかと指摘されて修正申告をしてしまうといったことですね。けれども実際にはご自身が稼がれたもの、あるいは贈与されたものということをきちんと説明できれば問題ない場合も少なからずあるわけです。
私自身、40代まで税務署に勤めていましたので、こうした問題で押さえるべきポイントを見極めやすいということがあります。税務署から見た場合にどういう点が問題視され、またどう説明すれば分かってもらえるのかといったことですね。

下吹越:それぞれの会計事務所の得意分野を共有できるのがJPコンサルタンツ・グループの連合体としての強みです。例えば、相続税という分野ひとつをとっても広範囲です。不動産や税務調査であれば小林税理士、会社経営における節税なら深津税理士というように専門知識を活かすことができます。被相続人が海外在住である、海外にも財産があるなどの場合には、外国語や各国の税制に関する知識や経験も必要です。相続人が会社を経営していたような場合で後継者がいないような場合、事業継続のためのM&Aが必要になります。
当グループには、様々な専門業務に長けた会計事務所が所属し、相互協力体制ができています。したがって、自分たちの顧客にそのような専門的な業務が発生した場合、お互いに連携して助言しあい、、お客様に対して最適なコンサルティングが行えます。また場合によっては複数の会計事務所で共同で業務にあたることも可能です。このように複雑で専門的な問題に対してJPコンサルタンツ・グループとしてワンストップで対応できるのもお客様には頼もしくかつ便利に感じていただけるのではないでしょうか。

信託や国際税法、女性ならではのアプローチなど顧客ニーズを捉えて切磋琢磨を

顧客ニーズを捉えて切磋琢磨を

株式会社JPコンサルタンツ・グループ代表取締役 ペンデル税理士法人 代表社員 公認会計士・税理士 下吹越 一孝氏

Q:連携は、実際にはどのようなものですか。

金子:オールJPメンバー約100事務所で年6回の定例研修会を含め、東京・大阪で年間20回ほどは研修会を実施しています。そのほかに、信託部会や相続部会、医療部会など個別のテーマで小規模な勉強会も多数行っています。こうした専門分野の切り口に加え、女性会計人フォーラムという形で、女性の税理士や職員の方に集まっていただき、女性ならではの細やかさ、柔らかさをお客様への対応に活かしていこうというサークルもあります。
実際、お客様からは「女性の税理士だと話しやすい」「この程度の質問でも良いのかということも尋ねやすい」「こちらの話をよく聞いてもらえる」といった声もいただきます。オーナー様がご主人に先立たれた奥様であったり、相続人が娘様であったりなど、お客様が女性の場合には同性の税理士のほうが相談しやすいかもしれません。

Q:研修会には信託部会もあるとのことですが、ニーズに対応して新しい分野にも積極的に取り組まれているのでしょうか。

金子:その通りです。10年前には相続のご相談で信託を用いるとは思いもよりませんでした。それが今では、信託は相続対策に欠かせない要素になっています。ただ、信託そのものは税法と直接関係がありませんので、税理士としてはまず信託法に通じるところから始め、それを相続や事業承継対策に活用していくことになります。
これは全く新しい分野への挑戦であり、ひとつの会計事務所が自ら勉強の機会をつくりながら実践していくというのでは時間、労力ともに途方もないものになってしまいます。JPコンサルタンツ・グループではこのような新しい高度なテーマに対しては研究部会を設けて問題点を掘り下げ、グループ全体での経験を実務に活かしているのです。

Q:税務に通じた方々がプラスαの知識も身に付けることで、相乗効果に導かれた実践的なアドバイスに繋げられるのですね。

金子:そうですね。税法だけでなく、会社法や国際税法、さらに遺言なども関わってくれば民法、そして信託法など、クロスさせるべき分野が時代とともにいくつも増えています。グループ内の例で言えば、深津税理士は事業承継のエキスパートで、豊富な事例を扱ってこられました。そこで事業承継が焦点となるご相談については、グループが窓口として受けた後に深津税理士にご対応いただく、あるいは共同での対応といった形になります。
私たちがネットワークを構築することで、お客様にベストなご提案ができるわけですね。

下吹越:名前だけの連携では実が伴いません。JPメンバー間において本当の信頼関係をつくってからお客様に向き合ってこそ、連合体としての強みが発揮され、お客様へのサービスが向上します。私たちは経営に関する様々な情報、時には財務内容やトップの報酬までも共有して信頼関係を築いてきたのですが、そこまで強固な連携はこの業界ではほかに例がありません。一昨年からのレオパレス21との提携により、そうした私たちの連合体としての強みを発揮できる場面がより多くなってきました。そのおかげで、私たちの連携をより強くするという好循環が生まれつつあります。

個別の税務のほか、高齢化社会の空き家問題など地域の課題にも対応

Q:レオパレス21との連携について、今後の展開をお聞かせください。

下吹越:提携してまだ約1年半ですが、数多くのオーナー様にしっかりとしたサービスをお届けし、ご満足いただけたと自負しております。その結果、私たちとレオパレス21との間の信頼関係も深まりました。レオパレス21では、賃貸事業や請負事業のほかにも法人様へのソリューション提供を実施されているので、その際のお悩みに「税」という分野があれば、今後はそちらでのご相談にも対応させていただくことになるでしょう。
それから、社会問題化している空き家問題などについても私たち専門家の知見を活かしながらの問題解決の仕組みを模索中です。賃貸住宅が飽和状態である地方においても、地主様や賃貸集合住宅のオーナー様のお役に立ちたいという、顧客サービスの一環としてですね。不動産を多く所有されているとそれだけ様々な悩みが生じますし、地主様としては地域全体の発展についてもお考えになることでしょう。そのような中で、こと税務に関するニーズであれば、レオパレス21がJPコンサルタンツ・グループをリソースとして活用して、地域のニーズに応えていく、そういう考え方が発想の原点なのです。
まずは埼玉地域からということで、早速、私たちのメンバーで埼玉県内の複数の会計事務所でプロジェクトチームをつくって対応しております。この仕組みが上手くいけば、千葉県、神奈川県などにも広げていき、先々には全国展開していくことも視野に入れています。北は北海道から南は九州・福岡県までの会計事務所グループですから、いろいろな地域でお役に立てるのではないでしょうか。

(プロフィール)
株式会社JPコンサルタンツ・グループ 代表取締役
ペンデル税理士法人 代表社員
公認会計士・税理士 下吹越 一孝
鹿児島県指宿市出身。早稲田大学卒業後、1979年に監査法人朝日会計社(現あずさ監査法人)入社。その後、コンサルティング会社勤務を経て1992年下吹越会計事務所(現ペンデル税理士法人)を設立。2008年に株式会社JPコンサルタンツ・グループを設立し、2013年に代表取締役就任。一般法人や病医院の経営コンサルティングを得意とし、現在も顧問先含め多くの会社の取締役や監査役に就任している。

株式会社JPコンサルタンツ・グループ 取締役
税理士法人JPコンサルタンツ
税理士 小林 登
1971年東京国税局総務部・東京国税局管内税務署に勤務し、主として資産税関係事務を担当。1996年神田署を最後に退職、小林登税理士事務所開設。2005年税理士法人トゥモロー・ジャパン設立。待山会計事務所との経営統合化により、2012年税理士法人JPコンサルタンツに組織再編し、代表社員就任。資産税特化税理士として全国に名を馳せ、年間100件を超す相続案件を手掛ける。

税理士法人おおたか
社員税理士 深津 栄一
東京生まれ。東洋大学経営学部経営学科卒業。東京・日本橋にある商社就職後、税理士を目指し東日本橋にある吉村税務会計事務所へ転職、1990年税理士試験合格、1991年4月税理士登録。吉村税務会計事務所と税理士法人おおたかの統合化に伴い、2015年7月税理士法人おおたかに入所し、2017年社員税理士就任。

ペンデル税理士法人 税務部部長
社員税理士 戸島 潤吏
一般事業会社を経て、1999年に大手会計事務所に入所し税務の専門家としての経験を積んだ後、2001年にペンデル税理士法人入所。企業のタックスマネジメントやM&A(合併等)の提案、相続税や事業承継対策などの業務に従事している。JPコンサルタンツ・グループ組織活動の一翼も担い、職業会計人のための税務戦略マスターズクラブ「JP税務戦略研究会」の顧問相談役を担当している。

株式会社JPコンサルタンツ・グループ 執行役員・統括本部長
金子 幸男
会計事務所勤務の後、大手会計システム会社、会計業界専門企画会社、全国会計事務所研修組織団体を経て、2008年5月株式会社JPコンサルタンツ・グループの立ち上げに参画し、設立とともに執行役員・統括本部長に就任する。これまでの三十余年間、一貫して会計業界に軸足をおき、会計事務所の発展・繁栄に資する経営支援業務に携わり、幾多の事例を踏まえ、先進会計事務所の研究研鑽に努める。

JPコンサルタンツ・グループ
税務会計業務に隣接する経営コンサルティングの専門力を結集させたワンストップサービス体制を整え、幅広い顧客ニーズに対応して解決策を見出す実践手法は評価が高い。JPメンバーの構成事務所は関東全域をはじめ全国にわたり、タックスプランニング、業績改善、組織再編、マーケティング、ベンチャー支援、相続事業承継対策に至るまで多くの実績を有す。また、メンバーによる執筆・講演活動のジャンルは広く、積極的に取り組む姿勢は各方面から賞賛の声が寄せられている。
http://www.jp-cg.jp/

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