IoT機器に割り当てられる「020」の電話番号が普及を加速させる

テクノロジー

関連キーワード
IoT機器
IoT機器のデータ通信には、これまで携帯電話の番号と同じ「090」や「080」が使われてきましたが、2017年1月よりIoT機器間通信のための「020」の割り当てがスタートしました。そこで、IoT機器の普及の現状や専用番号導入に伴う今後の展望などについてまとめました。

IoT機器は「020」の電話番号に

2017年1月に総務省は、IoT機器向けにM2M専用の「020」の番号を割り当てることを発表しました。IoTといわれるモノのインターネット化が進み、インターネットに接続する機器が急増したため、パケット通信に使われる携帯電話の番号が枯渇してきたことがその理由です。M2Mとは、「Machine to Machine(マシーン・ツー・マシーン)」を略した言葉で、人の操作を介することなく、機器同士が直接通信し合うシステムを指します。

「020」の電話番号はパケット通信専用で、加入電話や公衆電話、緊急電話を維持するために徴収されているユニバーサルサービスの負担金が課されないのが特徴です。第一種指定電気通信設備であるNTT東日本とNTT西日本の固定電話に接続しないこと、電波法に基づく基地局の無線免許を保有していることが接続の条件とされています。

020の番号では約8000万台といわれるIoT機器をカバーできますが、将来的には2億台まで膨れ上がることが予想されます。IoT機器がさらに増加した場合には、現在の090や080と同じ11桁から12桁の番号にする方針が打ち出されています。

スマートメーターや家電など普及が進むIoT機器

IoT機器
IoT機器の中でも全国的に広がりを見せているのが次世代型電力計といわれるスマートメーターです。
2016年11月の時点での一般家庭や小規模事業所への普及率は約3割に達しており、2020年度末までに東京電力が設置を完了し、2024年度には全国で設置が終わる予定です。スマートメーターは電力使用量を自動計測、通信機能によって送信されるため、検針員の目視による検針が不要になります。1ヵ月の電力総量の検針から30分ごとの電力使用量まで幅広く見える化が進むことで、最適な料金プランの選定に役立つとともに、省エネへの効果も期待できます。

スマート家電といわれるIoT技術を活用した家電製品は、従来品との価格差が縮まり始め、家電に便利さや面白さを求める層を中心に広まっています。
ダイソンの「Pure Cool Link タワーファン」は、部屋の中の花粉やPM2.5の飛散状況などを見える化してくれます。Dyson Link アプリで、スマートフォンから外出先からも部屋の空気の状態を把握できるとともに、空気清浄器を稼動させることも可能な家電です。
シャープの「ともだち家電」と名付けられたシリーズでは、スマートフォン専用アプリの「ココロボ?ド」を使って、スマホで家電とつながることができます。家中のエアコンをまとめて消したり、「るすばんON」の状態にしておくと、例えば冷蔵庫のドアの開閉といった家電の使用で通知が届く機能があり、これを利用して子どもの帰宅を確認したりすることも可能です。
さらに、タニタの体重計インナースキャンデュアルは、スマートフォンアプリ「ヘルスプラネット」によって、体重はもとより、体脂肪率や筋肉量などの測定結果も記録できる家庭用の健康機器です。このようにIoT機器の製品化は、多種多様で、日常の暮らしに浸透しつつあります。

IoT機器で収益性を高める時代に

IoT機器の普及は生活が便利になるだけでなく、企業のビジネスモデルにも影響を及ぼし、コストを削減し、収益性を高める方向に活用が進んでいくと思われます。

例えば、アメリカでは既に自動販売機に変革の波が押し寄せてきています。無線機器のプラットフォームやソリューション開発を手掛けるSAPの「Smart Vending」は、自動販売機の売上げやメンテンス情報を即時に把握できるものです。公共性の高い場所や企業などで導入が進み、オフィスの備品や食品などの販売に用いられています。また、コカ・コーラ社の次世代スマート自動販売機「Freestyle」には、顧客の好みをリアルタイムで把握し、在庫に反映させるシステムが導入され、ファストフード店で稼働しています。

日本でも、2017年2月にSAPジャパンから自動販売機などのリモート監視のためのクラウドシステム「SAP Connected Goods」が発売されました。ネットワーク全体、あるいは各々の自動販売機がどのように稼働しているかなどのリアルタイム情報を得るとともに、商品がなくなったときにアラートを出すこともできます。商品の補充のスケジュールの最適化を図り、効率性を高める運用に役立てることができ、IoT機器の活用をビジネス効果につなげます。

IoT機器の普及には、ネットワークとつながるためのバッテリーや通信コストの問題がありますが、今後経営の効率化に向けてビジネスの分野でますます活用が進んでいくとみられます。

ユニバーサルサービスの費用負担のないパケット通信専用の「020」の電話番号は、政府がIoT機器の普及を後押ししている体制の表れともいえます。今後、ますますIoT機器の普及が一般化していき、人を介さないサービスが拡大していくと、少子高齢化による人手不足の解消にも役立っていくかもしれません。

その他のテクノロジーの記事

キーワード一覧

 ページトップ