IoTで医療が変わる!? 遠隔診療や医療相談!スマホで高齢者もセカンドオピニオン

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団塊世代の高齢化が始まっている現在、通院自体が困難だったり、在宅での療養希望者がますます増えています。そんな中、スマホやタブレットを使っていつでもどこでも医師の診断やアドバイスを仰ぐことのできるサービスが始まっています。そうしたサービスの最新事情や今後の課題を見ていきましょう。

政府も後押し、自宅でもスマホで受けられるオンライン診療

2017年4月、医療・介護分野におけるICT活用を議論した「未来投資会議」を受けて安倍晋三首相は、対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせれば、かかりつけ医による継続的な経過観察を無理なく効果的に受けられるようになるとし、「こうした新しい医療を次の診療報酬改定(2018年度)でしっかり評価する」と表明しました。

厚生労働省による2015年8月の通達で、それまでは離島、へき地など対面診療が物理的に困難なケース以外は原則禁止と解釈されてきた遠隔診療が、事実上解禁されました。それを受け、離れた場所にいる医師と患者がスマホやタブレットなどのスマートデバイスを通じてオンライン上でやり取りをし、診療や健康相談を行うことができるサービスが、民間から続々と登場しているのです。先の安倍首相の表明は、その流れを後押しするものと言えるでしょう。

これらのサービスでは、専用アプリを手持ちのスマートデバイスにインストールすることが前提となりますが、リストから選んだ医師に予約を入れて健康相談に乗ってもらったり、1度、対面診療を行った医師に、以降の診察をオンライン上で行ってもらうことができます。

診療のために患者が医療機関に行くという、既成概念を打ち破る

こうしたオンラインでの診療を現実のものにしたのは、カメラが標準装備されているスマホやタブレットの一般への普及が大きいでしょう。特別な機材を用意しなくても、テレビ電話やテレビ会議のようなスタイルで医師と向き合い、問診を受けることができるのです。また、そうしたデバイスのカメラ機能も高度になっているので、表情や顔色も鮮明に再現できますし、症状のある患部をアップで写すことで、オンラインでも対面診療に遜色のないレベルの診療が可能となっています。また、サービスとしては、クレジットによる診療費の決済機能や、診断を受けて発行した処方箋、あるいは薬局も巻き込んだサービス体制で、実際に処方薬を患者に届けるといったところまで考えられています。

これらの仕組みは、高血圧など、長く薬を服用する必要のある慢性疾患の患者には朗報で、さらに適しているのが外出の難しい高齢の患者でしょう。通院困難な患者に対しては、自宅に医師が訪問診療を行う在宅医療がありますが、対応できる医師の数は限られています。また、医師が訪問できる患者数にも物理的に限りがあるため、それを補完するためにも遠隔診療を組み合わせて行う例は、今後、増えていくでしょう。

遠隔での診療は、移動や通院が物理的に困難な高齢者にこそ便利

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もうひとつ、通院が不可能というほどではないけれど、医療機関までバスを乗り継がなければ行けない、介助してくれる家族の予定が立ちにくいなど、現実的に通院をすること自体に手間がかかる場合、緊急を要する症状があるわけではなく、経過観察や定期薬の処方をしてもらいたい時などに、遠隔診療が利用できれば、円滑に診療を進めていけるでしょう。体が辛い、歩くのが大変な時に、医療機関で長時間待って診察を受け、会計を済ませて処方箋をもらい、移動してまた薬局で待つというのは大きな負担になるものです。それら全てを自宅でスマホを操作して行うことができるのは、体の不自由な高齢者には大きなメリットとなります。

診察以外にも、健康相談のサービスを利用すれば、ちょっと不安に思うがわざわざ受診するほどでもないといった健康上の悩みも相談できます。また、いくつか受診したけれど原因が分からない時や、通院していてもなかなか治らずセカンドオピニオンを求めたい時にも、オンラインであれば相談しやすいでしょう。ただし、本来のセカンドオピニオンは、かかりつけの担当医にその旨を伝えて診療情報提供書を作成してもらったり、検査データを提供してもらって別の医師に意見を求めるものです。オンライン上ということであれば、口頭で症状を伝え、服用している薬を見てもらうなど、あくまでアドバイスを求めるということになりますが、不安の解消にはつながります。

高齢者がIoTの恩恵を享受するには、スムーズなデバイス操作が肝要

健康相談のサービスには、経済産業省主催のビジネスコンテストでグランプリに選定された企業や、政府の「未来投資会議」で有識者として提言を行っている企業など、国の方針に沿ったものとして推進されている企業からのサービスも多くあります。また、現在、ソフトやアプリのツールを組み合わせて使うことができるサービスを試みている企業が、実証実験や高血圧の遠隔診療についての臨床試験を行うなど、日々、より良い遠隔医療の実現に向けた模索も重ねられています。

今後の課題としてはやはり、患者が自分でスマホやタブレットの操作をスムーズに行えるような環境整備です。家族の助けが得られない場合などでも操作できるようなサポート体制の構築や、さらなる簡易なデバイス操作およびアクセス方法の検討が求められます。また、日々計測している体温や血圧のデータをスマホやタブレットに取り込んで、医師がそれらをチェックしながら診療できる便利な仕組みもあるので、そうした操作の流れも患者自身が覚えて使いこなせると良いでしょう。

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