ロールモデルのない女性管理職を増やす体制づくりとは?女性がキャリアアップを辞退しないために働き方改革で求められること

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企業が女性管理職の登用を推進しようとしても、キャリアアップを辞退する女性も多いと言われています。
ワークライフバランスを重視した生活が難しくなることや、ロールモデルになる女性管理職がいないことなど、理由は様々です。
そこで、女性が結婚や出産を経て、管理職として働く上で必要な体制づくりについて解説します。

悩みや不安を乗り越えた経験を語れるロールモデルが、女性には必要

帝国データバンクが2016年8月にまとめた「女性登用に対する企業の意識調査」によれば、調査対象企業の管理職における女性の割合は、平均6.6%でした。政府が掲げる働き方改革の中で、指導的地位に占める女性の比率目標は2020年に30%とされており、各企業においても女性管理職比率目標を置いて人事制度などの取り組みで実現を目指してはいますが、難しい現状があるようです。

それにはまず、意識の高い女性社員自身においても、専門性を高めるといったキャリアアップ志向はあっても、部下を持ってマネジメントを行うという管理職業務に対してはまだまだ腰が引ける状況があります。そうした層に対しては、ロールモデルとなる女性管理職の在り方を分かりやすく示していくことが必要で、社内にそうしたロールモデルとなれる管理職がいれば講師となって実体験を語ってもらうセミナーを対象女性社員向けに開催するなどは有益でしょう。女性管理職としての悩みや不安、そしてそれらをどう乗り越えたか、その先の満足や得られた価値などを共有することができれば、「自分も管理職を目指していいのかもしれない」といった意識改革が、女性社員の中で醸成されていく素地となります。そうしたセミナーを繰り返し行うことで、日常でも相談しやすい環境ができれば、「キャリアを重ねる女性社員のコミュニティ」ができ、互いにも相談、啓発し合えるようになるかもしれません。

社内にロールモデルを求めにくい場合には、日本経済団体連合会の外郭団体が主催する「経団連女性チャレンジ支援講座」のように1社1名参加でリーダーシップやキャリアプランニングについて考え、他社のロールモデルとなる女性管理職と対話する機会を得られるような勉強会もあります。

ライフイベントと両立できるよう、長時間労働の軽減と業務効率の改善を

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女性が管理職となりにくい理由には、管理職となる30代半ばから40代くらいが、女性にとってはちょうど出産や子育てといったライフイベントの発生時期と重なることもあります。管理職と言えば、人の上に立つ以上、部下の面倒を見て責任範囲も広がり、自ずと長時間労働となるイメージがあります。管理職手当てがつく一方で、残業代は出ないことへの不安もあるかもしれません。

ただ、こうした従来型の管理職像は女性に限らず、ワークライフバランスを重んじる若い男性社員にもハードルの高いものです。働き方改革においては全ての業務においても長時間労働とならないよう、業務効率の改善が望まれるものですが、管理業務においても効率化を図っていく必要があります。無駄な会議の見直し、報告書式の簡略化などをITツールの導入などで補いながら行っていくのも有効でしょう。そうした中で、管理職にはむしろダラダラと会社に残らず、手際良く業務を終えて就業時間で退社して自分の時間を大事にするといった行動を率先して示すことが求められるかもしれません。

実際に、男性管理職でも朝は子どもを保育園に送ってから出社するといった育児参加を積極的に行っている例も見受けられるようになってきました。このように、仕事は仕事で責任もって行いながら、育児や介護も大切にするという姿勢をまず管理職が示せば、一般社員にも伝わり、引いては育児中の女性であっても素養と本人の意思があれば管理職として周りも認められるようになっていくでしょう。

会社として、女性に求めるマネジメントの重要性をきちんと伝えていく

そうは言っても、女性が考えるキャリアアップの方向性として、やはり専門性を高めることを重視する人のほうが多いのかもしれません。そもそも、「管理職とは何か」「会社として、なぜ管理職になってほしいのか」ということを、女性社員に対しては男性に対するのと同様にきちんとメッセージしていかねばならないでしょう。「部下を管理する」と考えると難しくても、「人に知識ややり方を教える」「人を育てる」ことは女性には向いていたりもします。

それには、管理職になる年代になってから声をかけるのではなく、新人の頃から女性でも、ある程度社歴を積んだら、自分の仕事だけでなく周囲を見て会社の業績を考えられるようなリーダーらしく仕事をしていけるようになることを、示しておくことが大切でしょう。また、将来のライフイベントも加味しながら、○年後の自分を思い描けるよう、また、そのためには今何をすべきかを逆算して考えるような意識付けも重要です。そうした中で、自ずと「管理職を目指してみたい」と考える女性社員も出てくるでしょうし、そのために仕事と生活をどのように設計していくかが考えられれば、実現性も高まるでしょう。

女性管理職を育てるには、女性社員自身の意識改革と、会社全体の働き方改革をともに行っていくことが肝要なのです。


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