グローバル化でカンボジアに進出する日本企業の業種とは

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グローバル化による競争激化から、日本企業の海外進出が進む中、カンボジアへ進出する企業が増加しています。カンボジアはASEAN諸国の中でも、若年層の多い人口構成と人件費の安さから、チャイナプラスワン、そして、タイプラスワンとなる拠点として注目されてきました。
そこで、カンボジアへの日本企業の進出について業種に着目するとともに、経済発展に伴う人件費の高騰の問題について触れていきます。

製造業の進出が日本企業の進出増加の足掛かりに

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カンボジアは1990年以降、アメリカ向けの縫製業と、世界遺産のアンコールワット遺跡や首都プノンペンを観光資源に観光業を中心に経済発展を遂げていました。

日本企業のカンボジアへの進出は、2011年から増加しています。中国のカントリーリスクの問題や人件費の高騰により、製造業のチャイナプラスワンの拠点としての進出が中心でした。日本企業の進出が進んでいたタイで、長期に渡る洪水が発生したことや人件費が高騰したことも、カンボジアへの日本企業の進出が加速した要因です。

タイのバンコクからカンボジアへは、陸路で運送できるという地理的優位性も、カンボジアが日本企業の進出先に選ばれた理由としてあげられます。タイから部材を運び、カンボジアで組み立てた部品を再び、タイの工場に運んで製品として組み立てるという、タイの工場の補完的な役割も果たしてきました。タイプラスワンの生産拠点としても、日本企業の進出が進んでいったのです。

日本企業進出の契機となったのは、グローバル化を進め、中国やASEAN諸国に多くの工場を展開するミネベア(現:ミネベアミツミ)のカンボジアへの進出です。
2011年12月に小型モーターなどの組み立て工場を稼動させました。2012年4月には住友電装、2012年12月には矢崎電装が、それぞれ自動車用ワイヤハーネス工場を設けています。2013年3月には、王子ホールディングスの段ボール工場が稼働しました。

日本企業の製造業の進出はカンボジア政府に認可されたSEZ(経済特別区)が中心で、中でもプノンペンに近いプノンペン SEZ が人気です。自家発電設備や下水処理場などのインフラが整備され、日本料理店やコンビニ、銀行といった生活利便施設が整っていることが理由にあげられます。部材調達の利便性などから、タイ国境やベトナム国境に近いSEZに進出する企業もあります。

金融や小売り業のカンボジアへの進出へ

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日本企業の旺盛な進出意欲を受けて、2012~ 2013年にかけて、日本のメガバンクが相次いでプノンペンに駐在員事務所を開設するなどの進出があり、預金や貸し出し、インターネットバンキングといった金融サービスも取り扱うようになり、本格的にカンボジアでの金融サービスの展開がスタートしました。

小売り業もカンボジアへの進出を進め、2014年6月には大手流通グループがプノンペンにモールをオープンしまし、日本のテナントも出店しています。また、2018年夏に2号店をオープンさせるため、建設工事に着工したことが発表されています。

経済成長に沸くカンボジアでは、ホテルやコンドミニアム、オフィスなど高層ビルの建設ラッシュが続いています。新興国の不動産投資はハイリスクではありますが、不動産投資の分野でも、カンボジアの首都プノンペンは注目されるようになってきました。カンボジアでは個人、法人を問わず、外国人の土地所有は認められていませんが、コンドミニアムやアパートは、総専有面積の70%以内を上限に外国人、外国企業でも所有することができます。

賃金の上昇が今後の課題に

安いといわれてきたカンボジアの人件費は、ここ数年で急激に上昇しています。
2017年1月1日から適用されている最低賃金は、2016年の140ドルから9.3%増の153ドルになりました。これは縫製・製靴業に従事する労働者にたいする最低賃金ですが、日本企業はその他の業種でも、準じて賃金を決定しています。カンボジアの最低賃金は2012年には61ドルでしたが、2013年は80ドル、2014年100ドル、2015年128ドルと上昇し続けてきました。2013年にカンボジア政府は最低賃金を5年で倍増する計画を発表しており、2016年分の賃金改定からは、最低賃金の決定に客観的な指標が取り入れられるようになりましたが、政治的に進められている面もあります。

賃金が上昇し続けることで、早くからカンボジアに進出していた製造業にとっては、人件費の高騰にどこまで耐えられるかが課題となっています。

今後の日本企業のカンボジア進出では、製造業では人件費の負担増の中、利益を出すためには付加価値の高い商品をつくることが求められます。また、これまでに以上に、内需に目を向けた産業の進出が求められるようになるでしょう。

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