DIYが難しいとされてきた賃貸集合住宅に革命!?原状復帰がいらない?

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DIY型賃貸借
賃貸の集合住宅の場合、退去時には原則原状回復が義務づけられてきました。そのため、自身で部屋を暮らしやすくするためにリフォームする、いわゆるDIY(Do It Yourself)は難しいとされてきましたが、現在様々な理由から「DIYが可能な賃貸集合住宅」が増えています。
今回は、そんなDIYが可能な賃貸集合住宅の現状や、DIY物件を契約する際の注意点などを紹介していきます。

国土交通省がDIY型賃貸借に関するガイドラインを公表

2016年、国土交通省から「DIY型賃貸借に関する契約書式例」と、DIY型賃貸借の活用にあたってのガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」が公表されました。
これまで国土交通省では、個人所有の住宅につき賃貸住宅としての流通を促進することを目的に、指針(ガイドライン)を作成したり、報告書を取りまとめてきました。さらにDIY型賃貸借に関心がある事業者などから、本事業にあたってひな型となる契約書例があったほうが良いと意見も出ていたため、ガイドブックと併せて契約書式例も公表される運びとなりました。現在どちらも国土交通省のホームページからダウンロードすることが可能となっています。

公式HP:http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000104.html

「DIY型賃貸借」とは、入居者の意向を反映した改修(リフォーム)ができる賃貸借契約やその物件のことを指します。
これまで賃貸物件において、できるだけ良好な状態で賃貸するためには基本的に貸主側で物件の改修や修繕を行う必要がありました。しかし、賃貸物件でも自分の好きなようにリフォームしたいという借主側のニーズも多くなっていたことから、工事費用の負担が誰に掛かるかは不問であることを前提に定義づけられたのが「DIY型賃貸借のすすめ」です。そしてこれにより、貸主・借主の双方に以下のようなメリットが生まれることが想定されています。

貸主のメリット
・入居者自身が好きなように改修できるため、部屋に愛着が生まれ長期入居が期待できる
・入居前よりも魅力的な部屋へと姿を変える可能性もある
・DIY費が入居者持ちの場合、一切費用が掛からない

借主のメリット
・物件を購入するよりも安価で自分好みの部屋を手に入れることができる
・DIY費用を負担する分、賃貸相場よりも安価で契約できる
・原状回復義務が免除となることも

DIY型賃貸借に関する取り組みが進められている背景には、現在の空き家問題が関係しています。
最近はメディアで空き家問題が取り上げられることも増えてきていますが、実際に空き家問題は深刻化しており、2013年には空き家率が13.5%と過去最高をマークしていました(※)。さらに野村総合研究所の調べによると、2033年には総住宅数の増加に伴って空き家数は2179万戸にまで増大すると予測されています。しかし、DIY型賃貸物件が増えることにより、問題視されている空き家の中でも「貸したいのに借り手がいない」という賃貸物件の減少が見込めると考えられているようです。
※平成25年住宅・土地統計調査結果(総務省統計局)

DIY型賃貸物件でできること

DIY型賃貸借
DIY型賃貸物件では、基本的には入居者が自由に部屋を改修することが可能です。
今までは、原状回復を視野に入れた上で、跡が残らないような「家を傷つけない」アイデアのもと改修を行う人が多かったようです。しかし、DIY型賃貸物件では、例えば棚の新規設置や床・壁・天井の張り替え、扉の変更などといった大規模な改修を行うこともできます。さらに基本的には原状回復義務が免除されるため、リフォーム費用は掛かっても元に戻す必要はないということになります。

DIY型賃貸物件を契約する際の注意点とは

DIY型賃貸借
DIY型賃貸物件を契約する際は幾つか注意点があります。
まず、DIY型賃貸借物件の場合、貸主の所有物である物件に借主、もしくは借主が施工を依頼した業者が手を加えることになりますので、事前に所有権や明け渡し時の対応についてなどを確認しておく必要があります。所有権に関してはもともと物件自体は貸主のものですので、物件と切り離せない部分、例えば壁や天井にペンキを塗った場合などはその所有権を貸主が持つことになります。しかし、基本的には借主が自由に改修するため、造作家具などあらかじめ所有権がどちらにあるのかを確認しておく必要があるのです。

また、部屋を空け渡す際に、経年劣化や通常破損している部分に関して原状回復の必要があるかどうかも事前の確認が重要です。さらに改修費の清算や施工の責任についても事前に双方合意の上で取り決めておくことが後々のトラブル回避につながるでしょう。

今後も増える可能性が高いDIY型賃貸物件

現在大手不動産会社をはじめとして、DIY型賃貸物件は増加傾向にあります。また、オーナーや物件によっては、部屋全体とまではいかなくとも、壁の1面だけや部屋の構造を変えないならOKといった条件つきのケースもあります。さらにホームセンターやインターネットショップでも住宅用のDIYアイテムが多く販売されており、DIY型物件に対する関心が高まっているようです。

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