【前編】グローバル化で関心が高まる「外国人技能実習制度」で求められる国際貢献とは?『日本とベトナムをつなぐ役割〜監理団体:公益財団法人日中技能者交流センター〜』

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外国人技能実習制度
グローバル化が進む中、「外国人技能実習制度」が再び注目されていますが、海外からの技能実習生の受け入れに欠かせない役割を担うのが監理団体です。
監理団体の中でも、制度発足時から活動する公益財団法人日中技能者交流センター(通称:HRsDアジア財団)は、外務大臣より国際技術協力の推進に尽力し、諸外国との友好親善に寄与した功績により表彰を受けており、また教育や文化、医学などの分野で中国の発展に貢献した人に贈られる中国政府「友誼賞(ゆうぎしょう)」を理事長が受賞するなど、国際貢献に寄与しています。

前編では、外国人技能実習制度とは何か、また、監理団体の役割などについて、公益財団法人日中技能者交流センター理事長の人見一夫氏に伺いました。

発展途上国への技能移転を通じた国際貢献

Q:「外国人技能実習制度」の概要について教えてください。

A:「外国人技能実習制度」は1993年に始まってから24年経ちます。開発途上国の青年が日本国内の企業において技術を学ぶことで、帰国後に母国の発展に寄与するための制度です。

現行の制度では、実習生は「技能実習」という在留資格で来日します。中国やベトナム、カンボジアなどの送り出し機関となる団体がそれぞれの国の認定を受けて実習生の派遣を行い、当財団などの監理団体を通じて受け入れを行うシステムになっています。企業が直接受け入れる企業単独型もありますが、受け入れ人数はごくわずかです。

当財団では中国やベトナムなどの送り出し機関と協定書を交わして、2ヵ月以上母国で日本語や日本の生活習慣の研修を受けた後、入管(入国管理局)の許可を得て入国する流れです。日本への入国後は、1ヵ月間、語学研修や日本の法律など日本で生活するのに必要な研修を行った上で、企業へ3年間派遣することになっています。HRsDアジア財団では、岐阜県羽島市と栃木県小山市に研修施設を持っています。

Q:HRsDアジア財団は、もともとどういった目的で設立されたのでしょうか。

A:当財団は、中国の全国規模の労働組合である中華全国総工会から要請を受けて設立され、2016年に30周年を迎えました。中国への日本語教師の派遣からスタートし、これまでに延べ1700人以上を派遣しています。近年は、中国の大学における日本語教師のスキルアップ事業も行っています。

「外国人技能実習」の事業には、旧制度の外国人研修制度の頃から関わっており、当初は中国からの実習生のみでしたが、3年ほど前からベトナムからの受け入れも始めました。

そのほかに、中国国家外国専家局の協力で中小企業診断士を派遣する事業などを行っています。

監理団体は「外国人技能実習制度」の適正な運営を担う

外国人技能実習制度
Q:「外国人技能実習制度」で監理団体はどういった役割を担っているのでしょうか。

A:監理団体は中国やベトナムなどの送り出し機関と協定書を交わして、技能実習生を受け入れます。
受け入れ企業から職種などの要望を聞いて、送り出し機関と調整した後、面接を行います。通常、受け入れ人数に対して2倍程度の応募があり、選考は受け入れ企業が行いますが、監理団体が代行することもあります。技能実習生が日本へ来るための在留許可の申請などの手続きを行うのも、監理団体の役割です。相手国での研修と日本へ入国後の研修費用は、受け入れ企業が費用を負担します。 監理団体は受け入れ企業に対し、1年目は毎月訪問して仕事や生活に問題はないか確認することが法律によって義務づけられています。また3年間、3ヵ月に1度は監査を行い、実習計画どおりに進んでいるか、賃金が契約書どおりに支払われているか、労働基準法に抵触する行為はないか、生活上の問題はないかといった点を企業の担当者と技能実習生に直接会って確かめて、報告書を提出することも必要となります。
実際には3年の間には、技能実習生の親が亡くなったり、病気になったりするといった問題が発生する場合もありますので、企業側と解決策を調整することも監理団体の役割です。

中国、そしてベトナムから技能実習生を受け入れ

外国人技能実習制度
Q:HRsDアジア財団によるこれまでの外国人技能実習生の受け入れ実績を教えてください。

A:今までに外国人技能実習生を延べ1万8000人ほど受け入れています。2016年の実績で、中国から約400人のほか、ベトナムが200人以上、カンボジア、フィリピンなどから数名です。今後は、ミャンマーなどからの受け入れも検討中で、現地調査を行うなどしています。
受け入れ企業の職種は広範囲で、場所も東北から関東、関西、沖縄まで各地に及んでいます。
監理団体は2000ほどありますが、公益財団法人は少なく、多くは漁業や農業などの協同組合です。当財団では、製造業を中心に建設業での受け入れも行っています。

Q:「外国人技能実習制度」について、レオパレス21とはどのような関わりがありますか。

A:レオパレス21より、国際貢献したいという希望と海外への事業展開を図っているとのことからお話をいただき、2015年からベトナム人の技能実習生をレオパレス21の事業に関連する工務店20数社に受け入れをお願いしています。2017年からは、レオパレス21本社でも技能実習生の受け入れを始めていただいています。

後編では、「外国人技能実習制度」の制度改正や今後の展望などについて伺います。

<プロフィール>
公益財団法人日中技能者交流センター(HRsDアジア財団)
理事長
人見一夫

2006年副理事長に就任。
2007年理事長就任。
2016年中国政府「友誼賞」受賞。
趣味は山登りとゴルフ。

http://www.jcsec.or.jp/

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