スマートロックが後押しか、進む民泊最新事情

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民泊の運営では、ゲストへの鍵の受け渡しについて人を介して行うべきかが、セキュリティと業務の効率化の両面から、これまで課題となっていました。
それを解決してくれるのが、最近集合住宅でも普及が進んでいるスマートロックです。
民泊でスマートロックの活用が進む理由や導入のメリット、最新事情についてまとめます。

世界の民泊市場においてスタンダードとなっているスマートロック設置

民泊の先進国、米国では民泊オーナーの40%がスマートロックを採用しているというデータがあります。また、世界最大の民泊情報サイトAirbnbも、グローバルパートナー認定しているLockState社のスマートロックを推奨しており、日本でも民泊新法成立に伴う民泊ビジネスの振興によって、スマートロックの普及もますます広がっていきそうです。

LockState社がAirbnbオーナーに提供するメリットとして挙げるのは、(1)予約システムから直接ゲストに宿泊期間中だけ有効な暗証番号を自動送付できるので、鍵の受け渡しという行為そのものが不要であること、(2)ゲストが開錠した時にメールで通知を受けられるので、到着時刻を正確に知ることができること、(3)いつ、誰が鍵を開閉したかという情報が履歴として残るので、セキュリティ上安心なこと、(4)ゲストが鍵を持たないことで、鍵の紛失リスクやその場合の鍵交換手続きのコストや手間を減らせる、また鍵をコピーされるといった心配も不要になること、(5)ゲストだけでなく、清掃や修繕といった管理スタッフに対しても必要に応じて暗証番号を発行できるので、そこでも鍵の受け渡しの手間が省け、入退室時刻管理も容易であること、となっています。

スマートロックにもいろいろなタイプが揃っており、利用に際して多少の違いはありますが、導入することによる主なメリットはこれらの内容で説明されていると言えるでしょう。そのほか、スマートロックによっては開錠の後、一定時間で自動的に鍵の閉まるオートロック機能を備えたものもあります。実際、警視庁の調べでは中・高層住宅など集合住宅への空き巣の侵入手段の内、44.8%が無締まり、つまり鍵のかけ忘れによるものとなっていますので、防犯効果まで配慮されたスマートロックを選ぶのが適切と思われます。同じく防犯という意味では、もともと付いている従来型の鍵にプラスして、簡単に設置可能なスマートロックであれば、ダブルキーでより防犯に効果的です。実際に2つの鍵を使用するかは別としても、複数の鍵が設置されていることは侵入者の気を削ぐに十分な効果が見込めます。

こうしたメリットは管理側だけでなく、利用者側にも大きいものです。自分のスマートフォンを鍵として用いることができれば、チェックイン後に出歩く際にも鍵の管理を気にする必要がありません。また、民泊で見込まれる外国人旅行者にとっては異文化で過ごす時に、より簡易で気軽なシステムが導入されているほうが気安く泊まれ、宿泊先選びで差別化になりそうです。

さらに、スマートロックだけでなく、そのほかのスマート機能を備えた物件であれば相乗効果がさらに見込めます。例えばIoTの防犯カメラが備わっていれば、鍵の開け閉めのタイミングで映像撮影を行って、ピンポイントで入退室の様子をチェックすることができます。民泊においては、予約された人数以上、あるいは予約者ではない人が宿泊するリスクなどへの対策にもなります。

スマートロックによる安全担保が、日本の民泊営業推進にもつながる

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日本では現在特区においてのみ行われている民泊ですが、2017年8月29日、観光庁が住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法を2018年6月に施行する方針であることが明らかになりました。民泊新法では民泊の営業ルールが定められており、都道府県や政令指定都市などに届け出たオーナーは年180日までの民泊営業ができるようになります。

もともと、2017年6月16日に公布された新法は、民泊参入意欲の高い事業者より早期の施行を求められてきましたが、全国自治体の中には条例によって営業日数の短縮を検討するところがあるなど、民泊導入に温度差も感じられるため、十分な準備期間を経ての施行となりました。それでも、これで解禁までのロードマップが整ったわけで、民泊支援ツールとしての働きが期待されるスマートロックの普及もさらに加速すると思われます。

2017年8月16日には経済産業省がスマートロックを活用した民泊サービスにおける簡易宿所営業許可を得るに当たって、旅館業法上、フロント設置が義務づけられるかという事業者からの照会に回答を行いました。
関係省庁の検討の結果、「都道府県等が条例で定めた場合を除けばフロント設置は義務づけられない」との内容で、民泊サービスの実施に当たっての旅館業法の取り扱いも徐々に明確になっています。
秋の臨時国会では、違法民泊への罰則強化を目指すための旅館業法改正案の審議も見込まれており、ますます民泊営業に関する法整備が整ってきているようです。

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