【前編】顔認証でロックを解錠! 賃貸初の試み

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ITを積極的に活用し、新しいビジネスや価値観を生み出した企業として経済産業省が東京証券取引所と共同で選定・公表する「攻めのIT銘柄2017」に選ばれたレオパレス21。同社では実際にITを活用した様々な事業を展開しており、その取り組みが高い評価を得ています。

今回は、レオパレス21が新たに導入した、賃貸マンションとしては初となる、顔認証のみでエントランスのロックを解錠できる画期的なシステムについてレオパレス21 建設企画部資材開発課設計課長の大木宏樹氏(写真右)に話を伺ってきました。

顔認証でロックを解錠する仕組みについて

Q:顔認証でロックを解錠する、というシステムについて詳しく教えてください。

A:今回世界一の精度・速度を誇るNECの「NeoFace」という顔認証AIエンジンを活用した顔認証システムをエントランス部分に導入し、従来のように鍵を差し込んだりICカードをかざしたりすることなく、言ってしまえば両手が塞がった状態でもロック解錠ができるようになりました。入居者様にはあらかじめ、住まう方の分だけの顔を登録させていただいております。実際に登録した方がエントランスに設置した顔認証画面の前に立つと、顔認証システムが起動しロックを解錠する仕組みです。ちなみにわざわざ指定の位置に立ち止まらずとも、ウォークスルー方式でエントランスに向かってもらえると顔が識別され、ロックは解錠されます。

Q:具体的にはどのように顔が認証されるのでしょうか。

A:「NeoFace」自体は、もともと3Dカメラを用いることで高精度の顔認証を行うというものです。しかし今回は民間で使用するということで、2Dカメラを用いて起動させています。そのため基本的に顔の画像を識別していますが、まず「人がいるかどうか」、次にデーターベースの中から画像に一致する人がいるかどうかを判断します。具体的には「顔」のパーツ、例えば目の位置や鼻の位置などを大きな基準として判断し識別しているので、眼鏡の着用やお化粧の有無などでは左右されません。

エントランスでは入居者様の写真を複数枚撮らせていただくことで認証の精度を上げています。そもそもエントランスでロックを解錠するためのものなので、iPhoneのように顔を近づけて認証するのでは面倒です。そこで利便性の向上とセキュリティ性の確保という相反する内容のバランスを重視しながらウォークスルーでロック解錠ができるようなシステムにカスタマイズしました。

顔認証システムの精度向上に当たって

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Q:システム導入に当たって工夫した点はありますか。

A:例えば今回顔認証システムを導入した「LOVIE麻布十番」は、黒を基調にシックな高級感のある内装となっています。実際にエントランスも黒を基調としているのですが、そうなるとどうしても空間内も暗めになってしまい、顔認証を行うのに必要な明るさが不足してしまいます。一方で、明るくしすぎてしまうと白くなり認証を行いにくくなってしまうので、あくまで認証しやすい明るさに調整する必要がありました。そこで今回、顔認証システムにつながるカメラが人物の顔を十分に捕捉することができるように配慮して、照明を取り付けています。

なお、照明自体は通常のLED電球ですが、光量を調整できるようにカスタマイズしています。季節によって光の入り方が違うので、光量に合わせて「真冬」と「真夏」で光の設定を変えています。

Q:顔認証用の画面に映る枠にはどんな意味があるのでしょうか。

A:もともと認証に当たって枠はなかったのですが、多人数を一気に認証するとなると反応速度が下がってしまうので、枠を設定し1人の顔認証をするスタイルに調整しました。枠があると身長制限などがあるように感じるかもしれませんが、枠の大きさ自体は変更することができますし、立ち位置を調整していただければ顔認証は十分可能です。

セキュリティレベルが格段に向上

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Q:顔認証でロックを解除する、ということのメリットは何でしょうか。

A:まず、検出した顔画像や識別結果を識別できた場合、できなかった場合ともにログとして残すことが可能なので、セキュリティレベルの向上につながります。また、わざわざICカードや鍵を持ち歩くストレスからも解放されると思います。そのほか、基本的には事前に登録している方のみを対象に顔認証でロック解除するので、民泊等を想定した場合の利用者のなりすましを防止する事が出来ます。これは、通常の一般賃貸においても同様です。

もともと知らない人に頻繁に出入りしてほしくないというニーズは入居者様から多数寄せられていました。今回の顔認証は、合い鍵の役割ではなく、あくまで入居者様に限ったロック解錠システムとなりますので、見知らぬ人が出入りするリスクが少なくなるという点でもセキュリティレベルは格段に向上すると見込まれています。

(プロフィール)

株式会社レオパレス21
商品技術統括部 
建設企画部 資材開発課
設計課長
大木宏樹

1995年入社。現場建築職人として入社後、工事課、資材課を経て、1998年以降は商品開発業務を中心とした資材業務を行う。
2011年から2年間、株式会社LIXILリアルティへ出向して納材業の立ち上げを行い、復帰後は資材を中心とした開発業務に携わり、今に至る。
趣味は、テニス、ソフトボール、バンド、ゲーム、釣り等、多趣味。

株式会社レオパレス21
http://www.leopalace21.co.jp/

賃貸物件初!顔認証のみでエントランスのロックを開錠できるシステムを導入
http://www.leopalace21.co.jp/news/2017/0710_2059.html


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