【前編】人との役割分担で警備・案内業務を効率化する警備ロボ〜ALSOK〜

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2020年の東京五輪開催に向け、街なかでのおもてなしや警備が話題になっています。
日本の警備業務のパイオニアである綜合警備保障株式会社(ALSOK)では、「警備ロボット」開発にも早くから着手してきました。
その背景や歴史について、長年チームでロボット開発に当たってこられた開発企画部開発企画課課長代理の恒次創氏(写真左)と丹野和友氏(写真右)に伺います。

労働力不足への備えとして開発が始まった警備ロボット

Q:警備ロボットを開発されるようになった背景を教えてください。

恒次:80年代に入って、日本社会の少子高齢化が問題視されるようになり、警備員のなり手が足りなくなると予想されました。そこで、ロボットで労働力を代替できないか、と考えたのが開発理由のひとつです。また、日中の巡回や危険を伴う夜間巡回については人間ではなくロボットを活用することで、警備の効率化や受傷事故防止につながるとも思われました。

それで1982年にロボット事業に着手し、まず自動で巡回するための自律走行と自動充電技術をメインに研究開発を行いました。幾つか形にしながら走行試験やタッチパネルの採用など試作を重ね、商用ロボットの第1号ができたのが2002年です。その頃から警備に加えて、施設案内機能も加えるようになりました。実は警備員の仕事では、通りがかりの方から道やトイレの場所などを聞かれて案内する役割のウエイトも大きいのです。そのような役目をロボットにもやってほしいというお客様からの要望も多かったため、案内機能としてタッチパネルを装備するようになりました。

その後は、2005年の愛知万博の会場で屋外走行のできるコンセプトモデルを発表したり、警備保安に特化して両手の先に消火器を搭載しているモデルなども開発しました。さらに、2009年にリリースされた企業の受付案内に特化してタッチパネルとカメラの2体に分けた小型の愛らしいキャラクタータイプ、広告宣伝を意識して案内用のタッチパネルのほか表示用ディスプレイを2面用意したタイプなど、様々な用途をイメージしてバージョンアップしています。

顔認証やエレベーター移動など、採用施設のニーズに合わせて機能をカスタマイズ

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Q:最新のタイプはどのようなものでしょうか。

恒次:2015年にリリースされた「Reborg-X(リボーグエックス)」が最新型で、警備と案内機能をバランスよく備え、形も流線型でシンプルになっています。標準装備として自動巡回や充電、各種センサーによる異常検知、警告音や威嚇灯による注意の促しなどが可能で、動く防犯カメラのような感じで決められたエリアを巡回したり、立哨といって警備員が後方に腕組み・起立して監視するスタイルの見守りもします。巡回中は、例えば、指定されたポイントで消火器が正しく設置されているか、禁煙区域で喫煙者がいないかといったチェックを行うこともでき、カメラによる記録画像は通信でサーバーに送られます。また、WEBカメラを通じて警備室につながっているので、状況に合わせて遠隔操作によりロボットを動かすこともできます。もちろん、案内機能に使用される液晶タッチパネル画面や音声は施設ごとに内容をカスタマイズできます。

これらの標準装備機能をベースとして、お客様それぞれの警備や宣伝計画に合わせ、プラスアルファの機能を追加してカスタマイズするのが通常です。顔認証や赤外線による熱検知、エレベーター制御との連携による階層間移動といったことも可能です。

開発スタートから35年の試行錯誤を経て、ベストな仕様・形状に

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Q:仕様や形態での工夫はどういった点ですか。

丹野:サイズは高さが144cm、前後・左右の幅が各70cmと、大人よりは小ぶりでお子さんにも威圧感のないバランスです。なだらかな流線型で、引っ掛かって転倒事故の原因となりやすい突起物は設けていません。重量は140kgありますが、重心を下げてあるので余程のことがなければ倒れるようなことはありません。このサイズ感や流線型の形に落ち着くまで試行錯誤してきましたが、現在のものが転倒リスクなどを避けられる最善の形状と考えられます。

移動は足元にタイヤがついていて、1cm程度の段差は普通に進んでいきますので、点字タイルは問題ないですし、階段など大きな段差は自動的に検知して手前で止まるようになっています。坂についても、車椅子用スロープで5度の傾斜までは大丈夫ですし、カスタマイズしてエレベーター制御と連携させればロボット自身でエレベーターを通信で呼び出して別の担当階にも移動できるので、フロアをまたいでの巡回が可能ということになります。

充電効率も最新版ではかなり向上しており、1時間充電で2時間稼動を1日4回繰り返すことができます。2時間動いたら1時間休んで、また2時間動いて1時間休むというイメージですね。バッテリーがなくなってくると自分で充電装置のある場所に戻って自動充電しますので、管理運用する上での手間も掛かりません。

(プロフィール)
綜合警備保障株式会社(ALSOK)
開発企画部
課長代理
丹野 和友

2003年入社。
開発技術部機器開発室にて法人向けセキュリティ機器の開発に従事。
法人向け機械警備システム「ALSOK-GV(ジーファイブ)」などの開発に携わる。
2014年より現部署にて警備ロボット、ドローンを活用した新商品・サービスの企画を担当。

綜合警備保障株式会社(ALSOK)
開発企画部
課長代理
恒次 創

2005年入社。
技術研究所(現セキュリティ科学研究所)にて警備用センサーの研究に従事。
屋内外の侵入者検知センサーや高齢者向け転倒検知センサーの研究に携わる。
2015年より現部署にて警備ロボット、ドローンを活用した新商品・サービスの企画を担当。

警備ロボット「Reborg-X(リボーグエックス)」
https://www.alsok.co.jp/corporate/robot/reborg-x/


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