ベトナムハノイに見た、日本企業がベトナム進出で成功する方法

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外務省が発表した海外進出日系企業数の調査の結果(海外在留邦人数統計調査平成29年要約版)によると、平成28年10月の段階で海外へと進出している日系企業の総数が71820拠点となり、統計を開始した平成17年度以降最多を記録しています。
地域別で見るとアジアは当初から一貫して首位を維持しており、国別でも1位が中国、2位がアメリカとなっています。このうちベトナムはおよそ2.4%と8位をマークしており、前年と比べて100以上もの拠点数が増える結果となりました。

今回は、そんなベトナムへの日本企業進出の鍵を握る、ベトナム人大学生の教育水準や学生の資質について説明していきます。

大学進学への熱が高まるベトナム都市部

ベトナムでは1998年に初めて教育法が制定され、2005年の改正を経て9年間の義務教育制度が定められました。もともとベトナム政府は1990年代から教育の普遍化や質の向上を課題としてきましたが、最近では学歴社会が浸透し、都市部を中心に受験戦争が勃発しています。さらにベトナムでは2015年に高校の卒業試験と大学入試が一本化したこともあり、現在、大学受験は人々の関心を多く集めているようです。

ベトナムでは、基本的に小学校5年間、中学校4年間の義務教育を経て、高校3年間もしくは中等職業学校に3〜4年間に通い、短大や大学へ入学するという学校制度が敷かれています。学歴社会となっているベトナムでは大学受験への関心が強まってきてはいますが、その一方で中学校卒業後、1年未満または1〜3年間程度「職業訓練校」に通うケースも珍しくはありません。こういった職業訓練を担う施設はベトナムには多数あり、2015年の時点で高等職業学校が167、職業専門学校が306、そして875の職業訓練センターが設置されています。職業訓練施設に通う若者は年平均でおよそ2万人にも上り、最近は都市部から離れた地方部での設置も進んでいるようです。

さらにベトナムでは2020年に向けて30もの近代的な職業訓練施設を開校することを目標としています。現段階でも企業内に小さな職業訓練センターを設立しているところもありますし、今後もより質の高い職業訓練を受けられる場所の整備がベトナムで進められていくことは明らかでしょう。

ベトナム人大学生の教育水準と留学生の現状

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日本で学ぶ外国人留学生の割合(2015年)を国別で見ると、長年2位となっていた韓国をベトナムが上回る結果となっています。2011〜2015年にそれまで首位・次点を譲らなかった中国や韓国の留学生数が減少していく中、ベトナム人留学生は7.7倍に増加しており、その90%以上は私費での留学です。さらにベトナム人留学生のおよそ4割以上は日本語教育機関に在籍しており、大学院や大学に在籍している割合は2割程度に留まるようです。

ベトナム国内の大学に通う大学生はどうでしょうか? ベトナムは識字率が成人男性97%、成人女性91%で他の開発途上国と比べると非常に高い水準であることがわかります。最近は日系企業の進出が拡大したこともあり、ベトナムの首都ハノイでは日本語を学習したいという大学生が後を絶たないようです。また、ハノイの小学校や中学校では日本語を必修科目に取り入れるところも増えてきています。

もちろんベトナム人大学生の魅力は「日本語に関心がある」ということだけではありません。もともと「ベトナム人は優秀だ」というイメージを持つ日本人は多いと思いますが、実際にベトナムの学生のレベルは低くはなく、例えるなら「金の卵」といえるでしょう。近年、ホーチミンやハノイといった都市部で教育熱が高まってきており、小学生の頃から習い事に通う子も少なくはないようです。

ベトナムにおける教育制度の課題とは

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優秀なベトナム人大学生とは反対に、現在ベトナムの大学は世界の上位2000位にも入っていません。ベトナム政府は2020年までに世界上位200大学入りを目標に掲げていますが、その一方で地域による就学のギャップや教員不足など課題も多くあります。

現在、ベトナムへ進出している日系企業の中には、大学卒よりも質の良い職業訓練を受けた職業訓練学校卒の学生を高く評価しているところもあります。こうした状況を踏まえてベトナムでは「社会経済開発2011−2020」において国際基準を視野に入れた人材育成の強化に力を入れることを明らかにしています。しかし、現段階では指導教員の経験不足、施設・機材の不備などこちらも課題がまだ山積みとなっているようです。

日系企業のベトナム進出成功のカギに期待

ベトナムの若者のポテンシャル自体は非常に高く、特に科学や数学の分野では高い評価を得ています。現在、日系企業のベトナム進出数が増加する中、今後は企業内に職業訓練施設を設け、即戦力となり得る人材確保に努める企業も増えていくと予想されます。特に教育熱が高まっているハノイで学んだ学生たちが今後、日本企業のベトナム進出のカギとして大いに注目されることでしょう。


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