【後編】「Leo Remocon」でスマートハウスに! 集合住宅におけるIoT導入例とは『独自のAIスピーカーも登場。スマートハウス化、今後の可能性』

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レオパレス21では賃貸業界の中でも他社に先駆けて、スマートフォンで室内家電の制御ができる「Leo Remocon(レオリモコン)」とスマートロック「Leo Lock」の連携を推進し、新築物件から順次導入しています。
前編では製品の特徴や使われ方などを伺いましたが、後編ではオーナー様からの反響や今後の展開について、機器を提供する株式会社グラモの代表取締役社長である後藤功氏(写真中央)と、導入を指揮するレオパレス21執行役員の和田稔商品技術統括部長(写真右端)、現場で推進業務に当たっているコーポレート業務推進統括部の早島真由美理事統括部長(写真右から2人目)、コーポレート業務推進第1部企画課の村上史隆次長(写真左端)に伺います。

スマートリモコンとAIスピーカーの併用で生活環境はどう変わる?

Q:2018年1月の契約物件からスマートステーション端末の導入が開始されますね。

早島:一部物件ではすでに「Leo Remocon」による遠隔操作で家電を制御できますが、AIスピーカーを端末に搭載することで、グーグルホームやアマゾンエコーのように音声で呼び掛けて家電の操作ができたり、ゴミ出しの日のお知らせなど情報を自動的に集めて提供してくれたりと、ますます便利になります。学生の方など一人暮らしの多いレオパレス21の集合住宅だからこそ、お住まいになっているご本人がルーティンで行っている日常的な動きをAIが学ぶことで、自然とその方の生活に役立つようにカスタマイズされていくと期待しています。

後藤:市販のAIスピーカーの機能の延長線上ではありますが、通常は利用する方が家電との連携を一つひとつ設定しなければなりませんし、相性もありますから所有する家電が全て連携できるとは限りません。むしろ、すでにグーグル派、アマゾン派のどちらとの連携を深めるのか、家電メーカーやIoT機器メーカーによる勢力図ができつつあり、利用者にとって必ずしも使いやすいとは言えない状況にあります。「Leo Remocon」やスマートステーションでは室内装備をトータルで制御できるよう一体でつくっていますから、1台で自室の環境を快適にできるのが大きな違いです。

Q:入居者様に余計な負担なく、利便性を楽しんでいただけるわけですね。

早島:市販のAIスピーカーは、購入して家の中に置くものであり、それをどう使うかは買った方次第でしょう。レオパレス21がグラモ社と行っているのは「部屋の設備」としての開発です。入居した瞬間から使っていただける、当社独自の設備なのです。
また、AIスピーカー自体、日本で普及していくのはこれからですが、一人でいる時に声を出して呼び掛けるという行為が日本人に馴染むのかは難しいところかもしれません。「オーケー、グーグル、○○をやって」という呼び掛けは、もともと一人称で呼び合うカルチャーの欧米社会では自然なのでしょうが…。

後藤:世代によるところはあるでしょう。私の息子は小学生ですが、スマートフォンに話し掛けるのに抵抗は全く感じないと言います。20代前半くらいまでの若者の中には、メールを音声認識で送るのに慣れていて、そもそもタイピングなど文字入力しなければならないことのほうに違和感や疑問を覚える方もいらっしゃるようです。そういう世代が出てきているのですね。レオパレス21の入居者様も若い層が多いということで、好意的、積極的に利用していただけるのではと期待しています。

早期のインターネット設備導入がベースになり、IoT化をいち早く実現可能に

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Q:オーナー様にはどのように受け入れられるでしょうか。

早島:世代で言えば70〜80代の方が多く、相続されたオーナー様で50〜60代ですが、もともと新しい物への感度の高い方が多いので興味、関心はかなりいただいています。設備のグレードアップは資産価値の向上につながりますので尚更ですね。むしろ、複数物件を所有する方からは、既存物件のほうにも導入を要望されたり、自宅でも使ってみたいとグラモ社製品の「iRemocon」を購入された例もあります。
また、AIの予測機能という点では、ゴミ出し・駐車場・騒音など集合住宅でクレームになりやすい項目についていち早く検知して対策を打つようなことも今後考えられます。そうすれば、運営面でもプラスですし、資産価値向上にもつながるでしょう。

後藤:高齢の方がお住まいの場合、見守りにも役立てることができます。離れて暮らすご家族が、遠隔で家電や鍵の使用状況を確認して、不審な点があればすぐに気づけるというようなことですね。いろいろな機能を連携させているので、よりリアルな状況把握や予測ができると思います。

Q:こうした集合住宅におけるIoT化を、業界で先駆けて次々と導入していけるのはなぜでしょうか。

村上:レオパレス21はトライ&エラーを恐れず、進取の気性に富んだ社風です。賃貸の集合住宅のIT設備としては、20年近くも前に当時の賃貸部部長、現在の深山社長が、「LEONET(レオネット)」としてインターネット装備を推進したのが始まりです。インターネットの普及も日本の隅々にまでは行き渡っていなかった時代でしたが、独自でVPNというネットワーク接続網を構築しましたので、それがベースとなってその後も、テレビでYouTubeや様々なビデオサービスが楽しめる「Life Stick」チューナーなどの導入につながりました。

早島:実際、業界に先駆けての新しい試みということで、現場のオペレーションの調整などはその都度苦労しながらやってきている面もありますが、入居者様の利便性向上、ひいては顧客満足度の向上を第一に考えております。前進あるのみで、他社の二番煎じはなしという覚悟ですね。また、検討を始めてから導入までをいかに短期で行えるかを常に考えていますので、連携先企業には本当にご協力をいただき、感謝しています。特にグラモ社は社長ご自身が開発者なので、たいへん話が早く、柔軟にこちらのニーズに応えていただけています。

集合住宅への大規模な導入によって情報収集もスムーズで、開発の加速にも

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Q:グラモ社にとっては、レオパレス21との協業はいかがでしたか。

後藤:要望も判断も明確でスピーディーなので有難いです。また、「Leo Remocon」で言えばすでに4000台をレオパレス21社に出荷させていただいていますが、それだけの数を使ってもらいながら、それらの反響や感想を伺えるのも良いことです。「Leo Lock」でも、年間で数十万件もの入退去があってその度に鍵交換が必要だったそうですが、それだけのボリュームに対応するためのシステムとして考えさせられたことも多かったです。通常は、それほどの使用状況の把握はできません。実際の使われ方をヒアリングして、今後も開発に活かせればと思います。

Q:今後のスマート化の展望を聞かせてください。

和田:スマートステーションについては、AIスピーカー搭載という、デバイス不要への転換なわけですが、重要なのは入居者様が便利に感じていただけることです。声を掛けるなど特段指示を出さなくても、住まいの側から働き掛けてくれるというのが浸透すればよいですね。例えば、朝起きると天気と交通情報などいつも知りたい情報を自動的に話し掛けてくれて、目覚まし時計代わりにもなるというのは日本人にも馴染みやすいかもしれません。実際の使われ方を見て、グラモ社とさらに味付けを加えていければと思います。
また、別途始まっていることですが、宅配ボックスを設置している物件もあります。これは入居者様の利便性はもちろんのこと、eコマースや宅配業者への支援という意味でも重要なことと考えています。ほかにも顔認証のみでエントランスのロックを解錠できるシステムの導入も始めましたが、精度の高いシステムを採用しており、今後もこうした最新技術をいち早く実用化していく姿勢でまいりたいと思います。

(プロフィール)
株式会社グラモ
代表取締役社長
後藤 功
大学卒業後、起業を目指してITベンチャーで経験を積み、企業向け情報システムなどの構築に従事。IoTやスマートハウスという言葉のなかった頃から、スマートフォンで室内装備を操作するような構想に着目して、自ら開発者として2011年に株式会社グラモを創業。

株式会社グラモ
http://www.glamo.co.jp/

株式会社レオパレス21
コーポレート業務推進本部
コーポレート業務推進統括部
理事統括部長
早島 真由美

コーポレート業務推進第1部 企画課
次長
村上 史隆


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