【後編】AIロボット警備員は、施設案内も兼ねて人気者!〜ALSOK〜

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日本の警備のパイオニアである綜合警備保障株式会社(ALSOK)では、「警備ロボット」開発にも早くから着手してきました。
前編ではその歴史や最新バージョンの機能について伺いました。後編では引き続き、開発企画部開発企画課課長代理の恒次創氏(写真左)と丹野和友氏(写真右)に現場での使われ方や今後の展望を伺います。

自律走行で動くロボットは子どもにも大人気、PR効果も見逃せない

Q:警備と案内機能を兼ね備える自立走行ロボット「Reborg-X(リボーグエックス)」ですが、実際の現場での使われ方を教えてください。

丹野:もともと当社が警備を受託しているお客様への提案から始まったものですので、常駐の警備員と役割分担する前提になっています。ロボットができること、人間よりも得意なことをロボットが受け持って、人間は人間にしかできないことに専念するということですね。例えば、立哨など体力的にも厳しい業務はロボットに担当させ、従来は警備員4人で対応していた内容を人間3人とロボット1体で行うなどです。昼間は案内を中心に、夜間は警備をさせるという兼業運用もありますね。
各種センサーやカメラで異常を検知するノウハウも蓄積しており、内容によって警備室で速やかに対応したり、ロボットがその場で警告を発したりします。頭部のこめかみに当たる部分にLED灯があって、普段は青いのですが、警告を発する時には赤や黄で点滅したり、足元のライトもフラッシュを発して注意喚起する感じですね。不審者への威嚇という意味では限界もありますので、警備員との連動になるかと思います。ただ、警備員も警察とは違って捕まえるのではなく追い払う、事故や危険を未然に防ぐというのが本来の役割ですから、人間とロボットの協働による相乗効果でその辺りを強化していければと思います。

恒次:案内のほうでは、自律走行で動いていることでたいへん注目していただいています。お子さんたちに好評なので、ファミリーの多い商業施設などで受け入れられやすい傾向にあります。また、タッチパネルや音声を多言語化することで、外国の方に案内を求められるシーンも多くなってきています。イベントなどではキャラクターを模したデザインにしたり、コーポレートカラーでの彩色を施したりもしています。

顔認証でグルーピングし、来客・社員それぞれに向けたメッセージ発信も

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Q:AIならではの使われ方にはどのようなものがあるでしょうか。

恒次:顔認証機能がつけられますので、防犯面ではいわゆるブラックリストに載る人物の顔データを登録しておけば、警戒・通報ができますし、エンタテイメントとして使うならば、VIPのお客様などの顔を登録しておき、サプライズであいさつをするといった演出も可能です。
日常的なシーンでは、従業員の顔データを全て登録しておけば、従業員には「お疲れ様」と声を掛けて通用口に解錠の信号を送って通ってもらい、登録されていなければ来客と見なして「いらっしゃいませ、ご用件は何でしょうか」といった窓口対応をすることもできます。特定の人物をピックアップするだけでなく、従業員と従業員以外などにグルーピングして対応させるわけですね。これが夜間の巡回であれば、残業している従業員のチェックや帰宅勧奨、不審者の発見を行って、警備室など指定者への連絡・通報といった使い方もできます。

Q:現在「Reborg-X」が導入されていて、一般の人が会いに行ける場所はありますか。

恒次:横浜にある住宅展示場「tvkハウジングプラザ横浜」に隣接するヨコハマくらし館様で来場者への案内業務で人気を博しています。関西だと、ピアノ買取のタケモトピアノ様のショールームで稼動しており、事前にご要望をいただければ見学することができます。同社ではエントランスで顔認証による入退室管理も行われています。お客様のご要望で、「今日もお仕事がんばってください」、終業近ければ「あと少しですね、がんばって」と声をかけるなど、従業員のモチベーションアップを図るような設定にカスタマイズされています。
また、羽田空港で2016年の年末から翌年2月にかけて実施された、各種ロボットの実証実験に「Reborg-X」も参加して公共空間での検証ができました。館内放送も流れるにぎやかな環境下でお客様の言葉を正しく聞き取れるか、理解して適切な回答ができるかなどを検証し、課題も明確になりましたね。プロジェクト終了後も引き続き業務オペレーションに落とし込んだ実験を行っていて、空港や駅などの公共空間での本格導入を目指しています。

広大な施設の点検や接近困難エリアの情報収集にはドローン型ロボットが活躍

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Q:「Reborg-X」のほかにも、ロボットがありますね。

恒次:ドローン型の飛行ロボットで、メガソーラー太陽光発電施設の点検や工場など大規模施設工事進捗の管理といった空撮サービスを行っています。メガソーラー施設では、発電効率の維持や故障の早期発見のために温度異常箇所、いわゆるホットスポットを検知することが重要です。通常は地上で人間が熱監視カメラを持って巡回しますが、サーモカメラで空撮できれば時間も短く、人件費分の節約にもなり好評です。

丹野:後は、災害地の上空に飛ばして被害を特定するのに使えると考えています。道路が塞がれてしまった先の状況把握ですね。自動飛行させるにはGPSが必要なので、電波の弱い山間部や長いトンネルの中などでは手動になりますが、そうしたニーズにも応えていきたいと思います。

(プロフィール)
綜合警備保障株式会社(ALSOK)
開発企画部
課長代理
丹野 和友

2003年入社。
開発技術部機器開発室にて法人向けセキュリティ機器の開発に従事。
法人向け機械警備システム「ALSOK-GV(ジーファイブ)」などの開発に携わる。
2014年より現部署にて警備ロボット、ドローンを活用した新商品・サービスの企画を担当。

綜合警備保障株式会社(ALSOK)
開発企画部
課長代理
恒次 創

2005年入社。
技術研究所(現セキュリティ科学研究所)にて警備用センサーの研究に従事。
屋内外の侵入者検知センサーや高齢者向け転倒検知センサーの研究に携わる。
2015年より現部署にて警備ロボット、ドローンを活用した新商品・サービスの企画を担当。

警備ロボット「Reborg-X(リボーグエックス)」
https://www.alsok.co.jp/corporate/robot/reborg-x/
ALSOK空撮サービス
https://www.alsok.co.jp/corporate/robot/kusatsu/


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