「現金払い」お断りのフィンテック社会到来! スウェーデンでは銀行窓口もキャッシュレス

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北欧のスウェーデンやノルウェー・デンマークでは、GDPに対する現金の使用率が5%を下回り、中でもスウェーデンでは急速にキャッシュレス化が進んでいるとされています。
「現金払い」を断る店も少なくないなど、なぜ急激なキャッシュレス化が進んでいるのか、実態をまとめました。

「現金払い」では日常生活もままならないほどに進むキャッシュレス社会

国際決済銀行のデータによると、スウェーデンの流通現金に対するGDP比は、2006年の3.82%から、2015年にはわずか1.73%となっています。日本の流通現金のGDP比率は19.4%(2015年)であり、アメリカの7.9%、イギリスの3.7%と比較してもキャッシュレス化が遅れている日本とスウェーデンの間には、大きな差があります。

スウェーデンでは、既に国内銀行の半数を超える店舗が現金を扱っていないとされ、地方にはATMがないなど、現金を入手すること自体が困難な状況です。カフェや飲食店では「現金払いお断り」のステッカーが貼られていることが多く、教会への献金もキャッシュレスで集めている光景が見られます。電車やバスといった公共の交通機関の利用も、キャッシュレス化が進み、「現金払い」では移動もままなりません。

「現金を使うのは観光客だけ」と言われることもあるほど、なぜ、スウェーデンではここまでキャッシュレス化が進んだのでしょうか。

国家や銀行、企業がキャッシュレスに取り組む理由

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キャッシュレス社会が進む背景には国の政策も影響しています。ヨーロッパ諸国の多くは、マネーロンダリングや脱税を防止し取引の透明性を高めるため、現金での取引額に上限が設けられています。「現金払い」は履歴が残らないため、資金の流れが分かりにくく、犯罪の温床になりやすいことが要因です。クレジットカードや電子マネーによる決済であれば、取引履歴を追っていくことができます。

企業や店舗の立場からは「現金払い」をやめることで現金を扱う手間が省けるため、業務の効率化を図っていくことが可能です。また、現金を置かないことで、銀行や店舗が強盗の犯罪に遭うリスクが低くなり、スウェーデンでは強盗や窃盗の被害が減っていると言われています。決済トラブルを起こしたユーザーは利用できなくなるという点からも、キャッシュレス化には犯罪の抑止効果があるとされているのです。銀行にとっては、キャッシュレス化によって手数料収入を得ることができることもメリットに挙げられます。

フィンテック革命によるスマホ決済が主流

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キャッシュレス化が進むスウェーデンではクレジットカードよりもデビットカードが使われ、スマホのモバイル決済アプリが浸透してきています。2012年に使用が開始された「Swish(スウィッシュ)」はスウェーデンの6つの主要銀行が共同で開発し、国民の半数以上が利用していると言われるアプリです。買い物や飲食代の支払いをしたり、携帯電話番号が分かれば、オンラインバンキングサービスを介して、個人間や企業に対して送金をしたりすることも簡単にできます。

日本のスマホ決済はクレジットカードを経由しているものが大半を占めますが、「Swish」は直接口座から引き落される仕組みで、口座残高にすぐに反映されます。利用者から手数料を取らず、加盟店が支払う手数料についてもクレジットカードより安いことも、スマホ決済アプリが浸透している理由のひとつです。クレジットカード決済は利用代金を回収できなかった時に備えて、回収コストを踏まえた手数料設定になっていますが、即時に決済される電子決済システムはリスクが小さく抑えられています。そのため、キャッシュレス化が進んで行く中で、これまでキャッシュレスの中心であったクレジットカードは衰退していくという見方もされています。

また、「Swish」で個人認証に使用されているのは、電子IDカード「Bank ID」です。スウェーデンでは、日本のマイナンバーにあたる個人識別番号が出生時に付与されています。銀行10社の共同事業体によって発行されている「Bank ID」には、氏名や個人識別番号・電子証明書が収められており、官民の幅広い分野での利用が進んでいるのです。

日本のマイナンバーの利用は、税金や社会保障の分野に限られていますが、今後、キャッシュレス化を進めていくには、金融分野での利用も検討課題となってきます。一方で、政府や銀行が取引内容を全て把握できることも懸念材料となります。また、急激にキャッシュレス化が進行すると、高齢者を中心とした現金払い派の利便性が低下することが予想されます。情報格差によって不利益を被ることがないように、対策が必要になってくるでしょう。

スウェーデンでは、国を挙げてキャッシュレス化に大きく舵を切っています。資金の流れの透明性や効率性といったキャッシュレス化社会のメリットが広く理解されることが前提条件ですが、日本でも遅かれ早かれ、世界の潮流であるキャッシュレス化の方向に進んでいくと考えられます。


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