【前編】空き家を有効活用する時代へ! 空き家の現状と全国版空き家バンク開設の経緯 〜国土交通省 土地・建設産業局不動産業課〜

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近年増加し続けている空き家の問題に対して、2015年2月26日の「空き家等対策の推進に関する特別措置法」施行など、国土交通省では問題解決に向けた早急な対策を実施してきました。
さらに2017年には全国の空き家・空き地を紹介する「空き家・空き地バンク」を創設するなど、空き家を有効活用するための施策を多彩に展開しています。

今回は、国土交通省 土地・建設産業局不動産業課の角谷大介課長補佐(写真中央)、松村学課長補佐(写真左)、多田恭亮情報整備係長(写真右)に空き家問題の現状やその対策について話を伺いました。

空き家の現状と課題

Q:現在空き家の増加が社会問題化してきていますが、空き家の現状について教えてください。

角谷:人口減少社会である現代において、相続などで急増する空き家は、今後さらに増加が見込まれており、早急に対処すべき喫緊の課題となっています。空き家を放置してしまうと、老朽化による景観の悪化や、防災・防犯性の低下などといった地域にとって深刻な外部不経済をもたらすため、国土交通省としても地方自治体や専門的知見を有する事業者などと連携しながら、活用できるものは活用し、除却すべきものは除却を進めるという方針で対応しています。

Q:現在空き家はどのくらい増えているのでしょうか。

角谷:2013年の時点で、全国の空き家総数は統計上約820万戸あることがわかっています。その中でも、賃貸又は売却用の住宅を除くその他の住宅(いわゆる「その他空き家」)は、特に利用目的のないものであり、320万戸ほどあると言われています。

「全国版空き家・空き地バンク」の開設にあたって

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Q:「全国版空き家・空き地バンク」開設の経緯を教えてください。

角谷:空き家とひと口に言っても色々な物件があります。例えば取り壊すしかないくらいぼろぼろの状態の物件もありますし、中には駅から1km圏内で、かつ少し手を加えればすぐに利用できるような空き家も全国で約48万戸もあると推計しています。今後さらに空き家の総数が増えていくと言われている現状で、国土交通省では利用可能な空き家の流動性を高め、利活用を推進していく取組を行っています。「全国版空き家・空き地バンク」もそのひとつであり、利活用できる空き家を可能な限り流通させていくことを目的として開設に至りました。

Q:「全国版空き家・空き地バンク」では具体的にどういったことができるのでしょうか。

松村:空き家・空き地などの情報開示に関しては、現在に至るまで全国各地の自治体が独自の取り組みを行っていました。しかし、各地域で情報開示の項目や見せ方が違うほか、そもそも空き家の情報をサイト上で検索できないところもあったため、十分な情報取得が難しいという問題もありました。

そこで今般、「全国版空き家・空き地バンク」において全国の空き家の情報を集約し、空き家情報を標準化・一元化することで、空き家の利活用を検討している方へ広くわかりやすい情報を発信できる仕組みを構築しました。これにより全国どこからでも物件が検索できるほか、移住先を探している方へのサポートも可能になると考えております。

Q:「全国版空き家・空き地バンク」の現状を教えてください。

松村:今般「全国版空き家・空き地バンク」の構築運営に当たってモデル事業者を公募し、アットホーム株式会社と株式会社LIFULLを選定しました。

2018年2月末日の段階で、全国の自治体の内、467自治体が「全国版空き家・空き地バンク」への参加を表明しています。準備が整いしだいそれぞれ物件の情報開示を行いますが、現在サイト上では234の自治体が空き家情報を公開しており、物件数にしておよそ2000以上の情報をご覧いただけます。

「地域の空き家等流通モデル」の構築について

Q:2017年度は「全国版空き家・空地バンク」開設のほかに「地域の空き家等流通モデル」の構築も行うとのことでしたが、具体的にどういった取り組みがなされたのでしょうか。

多田:実際に空き家を取り引きするとなると、最終的に不動産取引の専門家である宅建業者が介在するケースが多いと思います。そこで今般、流通モデルの構築・普及に向けて、流通促進のために先進的な取り組みを行っている不動産業団体などの支援を行っています。

また、優良な団体を支援するとともに様々な先進事例を集めて横展開することで、流通モデルを普及させる一助となると考えており、2017年度は全国から38団体を実施事業者として選定し、現在モデル事業を進めているところです。

「全国版空き家・空き地バンク」運用への期待

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Q:「全国版空き家・空地バンク」運用に当たって、どのような効果が期待できるとお考えですか。

松村:先ほども紹介したように、現在、少し手を加えることで利活用できるその他空き家が約48万戸あることがわかっています。
これらの物件が「全国版空き家・空き地バンク」の運用により流通のラインに乗ってくることは、空き家の流通を活性化させることへの一助になると考えます。また、従来のように自治体だけの「空き家・空き地バンク」では、その地域に関心がある人だけに情報開示が限られてきてしまいますが、全国版に集約することで様々な情報を全国どこからでも見られるようになり、広い地域で移住を考えている方のサポートにもなるとも考えております。

もちろん、「全国版空き家・空き地バンク」として情報を取りまとめたからといってすぐに空き家を利活用しようという動きにつながるわけではないので、ひとつの活動として地道にやっていきたいと思っています。

(プロフィール)
国土交通省
土地・建設産業局 不動産業課
課長補佐
角谷 大介
2016年より現職に着任。イクメン(2児の父)。

国土交通省
土地・建設産業局 不動産業課
課長補佐
松村 学
2016年より現職に着任。趣味はジョギング。

国土交通省
土地・建設産業局 不動産業課
情報整備係長
多田 恭亮
2017年より現職に着任。第一子誕生によりイクメンとして奮闘中。

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