米仲介大手や異業種参入で普及が本格化! 「民泊」はなぜ広まる?

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住宅地でも自宅を旅行者などの宿泊に貸し出す、「民泊」の営業が可能になる住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」がいよいよ2018年6月に施行されます。施行に向け、米国など民泊先進国の仲介大手や日本企業、さらに異業種からの参入などにより民泊業界が賑わっているようです。そうした現状や、「民泊」が注目される背景について、改めて解説します。

銀行・保険・地方創生・・・ 提携で日本ならではの民泊市場が生まれつつある

グローバルでの民泊仲介最大手、米国「Airbnb(エアビーアンドビー)」のビジネスモデルをもとに、民泊のビジネスモデルを改めて確認してみましょう。

仲介業者が行うのは、自宅などを宿泊施設として貸し出す人(=ホスト)と借りたい人(=ゲスト)をつなぐプラットフォームとしての予約サイトの運営です。掲載料は無料で宿泊代金は前払いのため、予約した時点で宿泊料がゲストから仲介業者に支払われ、同時にホストから手数料も仲介業者に支払われます。実際に宿泊した後に、宿泊料から一定の手数料を差し引いた額が仲介業者からホストに支払われるという仕組みです。

ゲストとホストが顔を合わせる必要がなく、お金のやり取りも全て仲介業者を介して行われるため、ホストからすれば、自宅の空き部屋や所有物件の空き室を活用して容易に宿泊ビジネスを行うことができ、ゲストにもまた、その地域のホテルなどの一般的な宿泊代よりリーズナブルかつ安心に宿泊場所を確保することができるといったメリットがあります。

日本では、昨今の訪日外国人数の急増もあってか、各地でホテル不足が起きているようです。2020年の東京五輪に向けて、訪日外国人への対応はますます急務な事柄となり、「民泊」もさらなる需要増が見込めるかもしれません。また、少子化による人口減少などを受けて社会問題となっている、空き家増加への対策としても、「民泊」への参入が有効と言えるのかもしれません。

その「民泊」のプラットフォームとなる予約サイトの中では、現在、日本でも先行している「Airbnb」が一強と言える状況です。同社はさらに、日本の状況に合った「民泊」の仕組みと市場をつくるため、次々と、企業や自治体との提携関係を結んでいます。

2017年の代表的な動向だけでも、7月には「みずほ銀行」と提携し、「民泊」の受け皿拡大を支援しています。今後、地方の観光業を盛り上げる団体として初めて「山陰インバウンド機構」と提携し、「Airbnb」が農山漁村での滞在支援をしていく予定のようです。また、ANAグループと提携し、「民泊」を利用した顧客にマイルを提供するといった旅行需要喚起に取り組むという情報もあります。さらに、国内保険会社と連携して、宿泊者のトラブル対応なども視野に入れた上での民泊向け保険を作ることも検討しているようです。

日本の民泊最大手のポジションを巡り、特色を打ち出す各社の戦略

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一方、日本企業の主な動きとしては、「楽天」が、2017年6月に、国内約800万物件を掲載する大手不動産情報サイト「LIFULL」との共同出資で「楽天LIFULL STAY」社を設立し、翌7月には米国web予約サイト大手の傘下で世界最大級のバケーションレンタルサイトを運営する「HomeAway(ホームアウェイ)」や、台湾の民泊仲介大手「AsiaYo」と提携。さらに8月には、中国の民泊仲介大手「途家(トゥージア)」との提携を立て続けに発表するなど、存在感を示しています。「民泊新法」施行後に訪日中国人客をターゲットに民泊サイトを開設する予定もあるようです。
そして、同年末にはレオパレス21も「楽天LIFULL STAY」と民泊事業での提携を発表しました。「民泊」の国家戦略特区にあるレオパレス21の賃貸物件を民泊向けに運用し、オーナーに代わり集客から問い合わせ対応・空室管理・清掃など、一連のサービスを共同で提供していく予定です。

また、2018年の年明けには「リクルート」が「Airbnb」と業務提携し、民泊事業へ参入することを発表しました。同グループの不動産・住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」に掲載した賃貸物件との連携も考えているようです。

そのほかにも、「KDDI」傘下で、一流旅館やホテルなど厳選された会員制の宿泊予約サービスを提供する「Relux(リラックス)」が、民泊の仲介を始めることを発表しています。

さらに、法事や法要に僧侶を手配する「お坊さん便」サービスで全国の僧侶とのネットワークを持つ「みんれび」が、2018年2月から「Airbnb」との提携を開始し、宿坊支援プロジェクトといったサービスの提供に取り組んでいます。「みんれび」では、民泊という枠組みを用いての寺院での宿泊や座禅、写経といった体験コンテンツも発信していく意向のようです。

このように「民泊」を通じて宿泊場所や体験の選択肢が増えることにより、不動産活用の可能性もいちだんと広がり、外国人だけでなく日本人のゲスト集客にも成果があることを期待したいと思います。

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