持ち家はいらない!? ミレニアル世代が求める賃貸の集合住宅のあり方

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世界中で「ミレニアル」と呼ばれる世代が注目を集めています。ミレニアル世代とは1980年代初めから2000年の間に誕生し、2000年以降に成人した人たちのことを指します。また、携帯電話やパソコンなどのデジタル機器が普及し始めた時代に生まれ育ったこともあり、デジタルネイティブ世代と呼ばれることもあります。

アメリカでは、2018年現在で人口の約3割をミレニアル世代が占めており、世界的に見てもこれからの社会で中心を担っていく世代でもあります。そんなミレニアル世代とはいったいどのような世代なのでしょうか。そして、ミレニアル世代が求める賃貸住宅のあり方をさぐっていきます。

日本のミレニアル世代の特徴

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各国によって特徴は異なりますが、今回は日本とアメリカのミレニアル世代を紹介します。

1.消費に消極的
現在、日本における30歳未満の単身者世帯の消費性向は20年前の82.7%から73.5%と全体的に下がっています。ミレニアル世代は生まれた途端にバブルが崩壊し、その後大手企業の相次ぐ倒産、そして就職する直前でリーマンショックが起きるなど、度重なる金融危機や不景気の影響をもろに受けてきたこともあり消費に対してとても消極的です。

2.帰属意識が低い
日本のミレニアル世代は、所属する企業への帰属意識が低いと言われています。同じ企業に長く属し、その場所だけで生き残る術を身につけるよりも、異なる環境で色々な経験を積みたいと考える人が増えていることから、ミレニアル世代にとって転職はむしろ前向きなものであり、自身の能力を上げるためのステップアップとして考える人もいます。

3.個人能力を重視
ミレニアル世代は異なる企業への転職にも対応できるよう、個人能力を高めることを重要視します。また、どの企業にも属さない広義のフリーランス人口が2017年現在、日本で1100万人を超えているとされ、さらに増加傾向にあります。

以上が日本のミレニアル世代の主な特徴です。次にアメリカのミレニアル世代の特徴を紹介します。

アメリカのミレニアル世代の実情

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1.家を買わない
アメリカのミレニアル世代はとにかく家を買わないと言われており、住宅所有率は過去最低となっています。理由はそれぞれありますが、ひとつには住宅ローンを組む際の厳しい信用基準があるため、買いたくても買えないというのが実情のようです。
また、住宅の購入は決して無理ではないものの、費用対効果を考えると必ずしも自分所有の住宅が必要ではないと考える人も増えていることが理由に挙げられます。

2.学生ローンの負債
アメリカでの学生ローン残高は右肩上がりの傾向で、150兆円を超えています。高額な学生ローンの支払いが残っているため、住宅ローンが組めない人も多数います。

3.親と同居している割合が高い
学生ローンの支払いに追われるため、一人暮らしをすることが困難になり、親と同居をする単身者も多くなりました。アメリカのシンクタンク、ピュー研究所の報告書によると、2014年現在で18?34歳の単身者が親と同居している割合は32.1%で伴侶・パートナーと暮らす31.6%を上回っています。
結婚や出産は住宅購入の大きなきっかけになりますが、親と住むことで晩婚化が進み、住宅購入にも遅れが生じることになると言われています。

4.多様性を受け入れる器を持っている
経済的な内容だけを見るとマイナスな部分に目がいきますが、とても多様性に富んでいるという特徴もあります。ピュー研究所の調査では、政治の分野においてミレニアル世代(※)の50%は無党派だと回答しています。また、ミレニアル世代はここ50年の間にアメリカに渡ってきた移民の子たちが多く、中には海外で生まれた子も多数含まれています。
※2016年、15?34歳を対象に調査

以上の特徴はアメリカだけでなく、ほかの国々のミレニアル世代と比較しても世界全体の共通性を持っています。彼らは多様な価値観を受け入れる器を持ち、そして何より身軽で自由な生き方を好みます。それらの特徴を踏まえて、彼らが理想とする賃貸集合住宅のあり方とはどのようなものかを見ていくことにしましょう。

ミレニアル世代が求める賃貸集合住宅のあり方

1.事務所つきワンルーム賃貸集合住宅
個人能力を重視する世代であることからフリーランスを目指している人も多く、また企業に属していても満足せずに副業を行う人も増えてくることが推測できます。ちなみにミレニアル世代は時間の拘束を嫌うため、時間を切売りする副業でないことが前提となります。
住宅に仕事をするための小スペースを設けることができる、あるいは住むための空間と切り離した離れのある賃貸の集合住宅といったものが受け入れられるのではないでしょうか。

2.超高性能住宅
省エネ意識が高く、企業に期待していない世代でもあるので、住んでいるだけでお金を生み出してくれる賃貸の集合住宅があれば文句なしです。住んでいる場所でエネルギーをつくり出して自分が使う分の光熱費をカバーするだけでなく、余ったエネルギーを売ることもできれば理想的と言えます。

3.共用スペースを充実させる
消費に対して消極的なミレニアル世代にとって、家具家電つきの賃貸住宅は望ましいスタイルです。居住する人の中にはただ寝るだけ、お風呂も時間がもったいないのでシャワーだけ浴びれば良いという方もいるので、キッチン・洗濯機・お風呂は共用部のみに設置する、というパターンも受け入れられるのではないでしょうか。
共用部を雑多な空間にしてしまうのではなく、清潔感がありデザイン性が高い空間にすることで、従来のマイナスイメージをプラスに変えることもできると思われます。

4.ビジネスホテルのような賃貸住宅
賃貸物件は1ヵ月ごとに家賃を支払うことが一般的になっていますが、ミレニアル世代には親と住んでいる人も多くいます。平日は会社近くの賃貸住宅に住み週末は実家に戻る生活をしている人もいるので、家賃を日決めとした、ビジネスホテルのような賃貸住宅というのも実用的なのではないでしょうか。
元々モノに執着しないので、部屋には必要最低限の所有物を置ける鍵つきの収納などを準備しておけば事足りるのです。

ミレニアル世代にとって住宅とは、今の世の中にあふれているものであり喉から手が出るほど欲しいものではなく、またローンに追われ自分を苦しめるような働き方にも疑問を持っているため、とにかく慎重です。ただ住むためだけにお金を掛けるのではなく、そこに住むことが投資効果を産むなど、自分にとって有価値の資産になることが明らかでなければお金を掛けることはないのかもしれません。
多様性を受け入れる意識の高いミレニアル世代だからこそ、今までにない斬新な住まい方が、新しい住まいのカタチを生み出すことにもつながるのではないでしょうか。

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