更地より集合住宅を建てた方が得? 固定資産税の仕組みとは

クリエイティブ

関連キーワード
固定資産税
土地・一戸建て・集合住宅など、不動産は所有しているだけで固定資産税・都市計画税という税金が掛かってきます。この税金は、評価額の算出が少々複雑だったり様々な特例があったりする一方で、税金の支払いを自動的に口座振替にしている人も多いため、税額すらきちんと認識していない不動産所有者がいるのも事実です。

しかし、固定資産税・都市計画税は不動産所有者の「支出」になるので、所有者は必ず知っておくべき税金です。そのため、今回は固定資産税・都市計画税の概要や特例について解説していきます。なお、この税金は地方税になりますので、国税庁ではなく区市町村の管轄になります。今回は東京都主税局の例を見ていきますが、基本的なルールはどの区市町村も同じです。

固定資産税・都市計画税とは?

固定資産税が課税される不動産は、以下のような不動産です。
・土地(田畑、山林、原野、その他の土地など)
・家屋(住宅、店舗、工場、倉庫など)
・償却資産(構築物、機械、工具など)
なお、償却資産は不動産に関係ないので、今回取り上げるのは土地・家屋に課税される固定資産税・都市計画税についてになります。

まず、この税金を納める人は、その不動産を1月1日時点で所有していた人です。そのため、仮に2018年10月1日に土地を売却(引き渡し)したとしても、2018年1月1日時点で所有していた売主に税金を支払う義務があります。

厳密にいうと、このケースの場合には2018年1月1日〜9月30日までを売主、10月1日〜12月31日までを買主が、税金を負担するのが自然です。そのため、引き渡し時に固定資産税を所有期間で案分し、買主から売主へ「固定資産税精算分」として支払うのが通例になっています。

また、税金の納め方は一括で納めても構いませんし、4回に分けて納税することも可能です。4回に分けて納税する場合には、6月、9月、12月、翌年の2月までにそれぞれの税額を納税するという流れです。また、市区町村から納税通知書と課税明細書が送付されますので、その通知書を持って納税するか、口座振替の登録をしておきます。

固定資産税・都市計画税の税率

 固定資産税
固定資産税・都市計画税の税率は以下の通りです。
・固定資産税:評価額×1.4%
・都市計画税:評価額×最高0.3%

固定資産税・都市計画税は、その不動産の評価額を基に計算しますが、この評価額は3年に1度全体の評価替えを行います。評価替えとは、不動産の評価額が適正価格になるように見直しを図ることです。また、3年に1度という頻度にしているのは、膨大な量の土地・家屋について毎年見直すのは難しいとされているからです。

また、評価額の価格要因は以下のような点になります。
・道路の幅員や舗装状況
・最寄り駅からの交通利便性
・接道状況などの利便性
・水道やガスなどのインフラ関連
・都市計画の用途地域
・容積率や建ぺい率

上記は、基本的に土地を売却する時に算出する査定額の計算と同じ考え方です。その土地を売却する時の基準と似たような基準を確認し、評価額を算出するというわけです。

家屋の評価額に関しては、「原価法」という考え方と似ています。要は、対象の家屋を現時点で建て替えたときの費用を算出し、その費用から築年数に応じた経年劣化分を差し引くという方法です。そのため、その時点の建築費などが影響を与えます。ただし、増改築があったり、街の再開発が行われた場合などには、それらも加味して見直します。

固定資産税・都市計画税の軽減措置

 固定資産税
冒頭で述べたように、固定資産税・都市計画税には軽減措置があります。結論から言うと、土地に集合住宅などの建物を建築したほうが、固定資産税・都市計画税は安くなります。また、更地ではなく駐車場などにしたとしても軽減措置はなく、そこに建物が建築されているかどうかが鍵になります。

◆固定資産税の特例
土地に関しての固定資産税の特例は以下の通りです。
・小規模住宅用地(200m2以下の部分):評価額×1/6
・一般住宅用地(200m2超の部分):評価額×1/3

また、その土地に新築の建物を建築すると、3年間・5年間にわたって固定資産税が1/2となります。
・3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅:新築後5年間
・上記以外の一般的な住宅:新築後3年間

◆都市計画税の特例
一般的な都市計画税も以下のような特例があります。
・小規模住宅用地(200m2以下の部分):評価額×1/3
・一般住宅用地(200m2超の部分):評価額×2/3
なお、都市計画税の特例に関して、新築建築の特例はありません。しかし、土地をそのまま放置しておくよりは、その土地に集合住宅などを建築することで節税効果があるということです。

さらに、集合住宅を建築すれば、その集合住宅の家賃収入が見込めます。つまり、更地に集合住宅を建築することは、投資にもなり節税効果も得られるということです。

固定資産税・都市計画税の計算

前述の計算式を踏まえ、実際に固定資産税・都市計画税の計算をしてみましょう。例えば、2017年3月に自分の土地に集合住宅を建築したという前提です。土地の面積は400m2で、家屋の床面積は750m2(RC3階建て)とします。

まず、土地の評価額は以下の通りです。
・固定資産税評価額:1700万円
・都市計画税評価額:2600万円

土地の固定資産税額は、まず1700万円の評価額を200m2以下と200m2超の部分を850万円ずつに分けます。計算は「(850万円×軽減1/6)+(850万円×軽減1/3)」×1.4%=約5万9000円となります。

一方、都市計画税の計算は、2600万円の評価額を200m2以下と200m2超の部分を1300万円ずつに分けます。「(1300万円×軽減1/3)+(1300万円×軽減2/3)」×0.3%=約3万9000円となります。つまり、この土地の固定資産税・都市計画税の合計額は約9万8000円になるということです。

仮に、土地の軽減措置がない場合には、固定資産税は約23万8000円、都市計画税は約7万8000円になるので、合計約31万6000円になります。そのため、集合住宅を建築することで、土地に関する税金を約21万8000円節税できるということになります。

次に家屋の価格は以下の通りです。
・固定資産税評価額:3600万円
・都市計画税評価額:3600万円

固定資産税の計算は「3600万円×税率1.4%×軽減1/2=約25万2000円」となります。次に、都市計画税は「3600万円×税率0.3%=10万8000円」となるので、合計約36万円の税金が掛かります。

住宅用地の申告

特例を受けるためには、「固定資産税の住宅用地等申告書」により申告する必要があります。申告が必要なのは、建物を建築した時も含め以下のような状況の時です。
・住宅を新築した時
・住宅を増築した時
・住宅の建て替え時
・家屋の用途変更(店舗など)をした時
・土地の用途変更(駐車場など)をした時

つまり、土地に集合住宅を建築する場合には、まず集合住宅の建築をした時に申告が必要です。そうしないと、前述の軽減措置が受けられなくなってしまいます。また、あまり多い話ではありませんが、集合住宅の増改築を行った時も申告が必要になります。

申告する場所は、その土地がある区市町村の都税事務所です。インターネットで「(エリア名) 都税事務所」と検索すれば、当該エリアを管轄している都税事務所が分かります。申告の詳細については、該当の都税事務所で聞いてみましょう。申告の期限は、申告が必要な状況が発生した翌年の1月31日までになります。例えば、2018年5月に自分の土地に集合住宅を建築したら、2019年1月31日までに申告が必要ということです。

その他のクリエイティブの記事

キーワード一覧

 ページトップ