【前編】個人投資家に対する企業の姿勢はどうあるべきか〜東証IRフェスタにて〜『東証IRフェスタ開催の目的と今後の株式投資について』

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2018年3月16日〜17日に、「東証IRフェスタ2018」が横浜で開催され、レオパレス21も出展企業として参加しました。企業と個人投資家が直接顔を合わすことのできるイベントとあって、2日間で2万人を超える来場者がありました。
そこで今回は、このイベントを主催する、日本取引所グループ(JPX)広報・IR部課長の矢田文弘氏(写真右)と、レオパレス21経営企画本部 経営企画・IR担当の宮尾文也取締役常務執行役員(写真左)に、「東証IRフェスタ2018」の開催目的や参加の理由、手応えなどについて、企業と個人投資家の距離感を軸に伺いました。

上場企業の経営者と個人投資家の触れ合う場を提供

Q:東証IRフェスタを始めた目的や背景を教えていただけますか。

矢田:東証IRフェスタは、投資先を探している個人投資家の皆様と株主を増やしたい上場企業の皆様と出会いの場を提供する目的に2007年に始まり、2016年に1回お休みを挟み今回で11回目の開催となりました。多くの皆様に支えられ、お陰様で国内最大級といわれるまで成長した個人投資家向けIRイベントです。

本イベントの開始以前から、上場企業のIRの重要性は年々高まりをみせていて、情報開示の充実はさらに求められている状況にありました。上場企業は、会社説明会やインターネットを利用したIR情報の発信を行っていましたが、一方通行になりがちで、上場企業の経営者やIR担当者と個人投資家が直接触れ合う機会も多くない状況でした。そこで、フェイストゥフェイスでコミュニケーションをとることで投資家にとっては企業をより深く理解し、上場企業にとっては正当な企業価値の実現と個人投資家の関心がどこにあるのか知ることができ、双方が情報交換だけでなく意見交換ができる場を提供するため、東証IRフェスタを始めることになりました。

また、このイベントでは投資経験のある個人投資家の方はもちろん、これから投資を始めたいという投資未経験の方にも分かりやすいコンテンツを用意しています。ベテラン投資家の方々だけではなく、投資はハードルが高いと考えている皆様にとっても、投資を通じて企業を応援することや資産形成へのきっかけづくりになるようなイベントとして開催しています。

双方向性のある発信の場を求めて参加

東証IRフェスタ
Q:レオパレス21は、東証IRフェスタへどういった目的で参加を始めたのでしょうか。

宮尾:コーポレートガバナンス・コードにもあるように、当社では株主との対話が重要だと考えています。当社の株主は60%弱が外国人投資家で、日本の機関投資家と合わせると約75%がプロの投資家です。プロの投資家とは、定期的に対話の機会が持たれています。一方、個人投資家とも、広い意味でユーザー層と重なることもあり、対話の機会を持ちたいと考えています。投資家との対話の機会と言えば株主総会が挙げられますが、株主総会においてはそれほど双方向性はありません。そこで、フレンドリーに等身大の会社を説明するツールとして、東証IRフェスタは有効だと考えています。

Q:東証IRフェスタの会社説明会会場での講演は宮尾取締役、ブースでのミニプレゼンは若手社員と、担当者を変えているのにはどういった意図があるのでしょうか。

宮尾:ブースでのミニプレゼンを若手社員に任せたのには、2つの目的があります。投資家の側から見て、いつも役づきの偉い人が話すよりも若手社員が等身大で話すことで、投資家の方により身近なプレゼンができるのではないかという点がひとつ。もうひとつは、会社についてこういった形で話すことでプレゼンテーション能力が養われ、通常の業務とは異なった視点の質問にも答えることで若手社員の成長につながる点です。一般的な投資家向けのセミナーでは、「ここは社長が話すのか」「こっちは専務か」といったように肩書きが注目されがちですので、東証IRフェスタのブースでのミニプレゼンはあえて若手だけが話す場としました。最近は、ブースのプレゼンを若手が行う企業が増えてきています。

投資家の生の声を聴ける場として有効

Q:東証IRフェスタは投資家と企業の距離を縮めるツールになっていると考えていらっしゃいますか。また、参加した企業からの反響はいかがでしょうか。

矢田:一般の方が経営者の生の声を聴く機会は、なかなか得られないのではないでしょうか。WEBサイトで語録を目にしたり、テレビの映像などを通じてといったケースを除くと貴重な機会ですので、個人投資家との距離を縮めるのに役立っていると思います。

参加企業のIR担当の方からも、例えば個人投資家が情報開示や株主還元などでどういったことを求めているのか、生の声を聴くことができる有効な機会だと伺っています。

Q:レオパレス21では、東証IRフェスタでの手応えはどのように感じていますか。

宮尾:個人投資家向けの説明会は、証券会社での支店などのセミナーを中心に毎年20回ほど開催しています。セミナーは一方通行になりがちですので、ブースを出して説明できるのは、個人投資家にアプローチできる大きなチャンスと捉えています。個人投資家との距離を縮める機会としてはもちろん、若手社員の育成の効果を含めて、とても手応えを感じています。

株式投資の裾野を広げていく

東証IRフェスタ
Q:来年以降も東証IRフェスタを開催する予定があるかと思いますが、今後の方向性はどのようにお考えですか。

矢田:東証IRフェスタは、上場企業の皆様のIRの場というのはもちろんなのですが、個人投資家の裾野を広げる場として、投資未経験者の方にも分かりやすいコンテンツを盛り込んでいき、投資を考えるきっかけづくりに使っていただけるイベントにしていきたいと考えています。

Q:今後の株式投資のあり方について教えてください。

矢田:株式の売買単位は、1000株単位が一般的だと思われがちですが、十数年ほど前は実は8種類存在していました。現在は1000株と100株単位へ集約されており、2018年10月には100株単位に統一され、とても分かりやすくなります。あわせて、取引所では投資単位(最低購入代金)を50万円以下にすることを上場会社各社にお願いしていて、現在9割以上の銘柄がそうなっています。株式投資は多額の資金がないとできない、手が届かないと思われがちですが、数万円で買える銘柄もありますので、少しの余裕があれば投資を始めることは可能です。

身近にあって応援したい企業へ投資して、顧客であるとともに株主にもなっていただけたらと思います。また、NISAやiDeCoなどの税制優遇措置により、資産形成の支援制度も整い投資がやりやすい環境になってきています。

Q:レオパレス21では、株主の裾野を広げるという意味で何かお考えでしょうか。

宮尾:レオパレス21の株式は、100株10万円ほどで購入できます。株主優待も100株から受けられますので、株主優待が目的という投資家の方のニーズにも結果的にマッチしていると思います。

Q:最後に、株式投資を身近に感じてもらうための日本取引所グループの取り組みについて教えてください。

矢田:日本取引所グループでは、WEBサイト(https://www.jpx.co.jp/)をはじめ、TwitterやFacebook、さらにYouTube(上記WEBサイトにリンクあり)でも情報発信を行っています。東京証券取引所の情報提供施設「東証Arrows」では、日本の証券市場の歴史に関する史料の閲覧ができたり、ニュースでおなじみのマーケット・センターなど、すべて無料で見学できますので、ぜひ一度足を運んでいただければと思います。

後編では、経済株式評論家の木村佳子氏に個人投資家に対する企業の姿勢や株式投資の今後の展望などを伺うとともに、「東証IRフェスタ2018」におけるレオパレス21の講演内容のまとめやIRに関する今後の展望について、引き続き宮尾取締役に話を伺います。

<プロフィール>
株式会社日本取引所グループ
広報・IR部
課長
矢田文弘

2001年 証券会社、ノンバンクを経て入社。総務部に配属、主に決算業務、有価証券報告書等の作成を担当。
2010年 総務グループ配属。メディア対応、取締役会、経営会議等の運営を担当。
2013年 広報・IR部配属。ブランディング、広告・イベント企画及び運営等を担当。
趣味は、ゴルフ、釣り、アクアリウム、料理など。

株式会社日本取引所グループ
https://www.jpx.co.jp/

株式会社レオパレス21
取締役 常務執行役員
経営企画本部 経営企画・IR担当
宮尾文也

1983年中道リース株式会社入社。
1990年株式会社レオパレス21入社。
経理部次長、リゾート事業本部部長、経営企画部長を経て、2013年に執行役員に就任。
2016年に取締役執行役員に就任。2017年に経営企画部・広報部担当に就任。
2018年より現職。

http://www.leopalace21.co.jp/ir/

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