【前編】テレワーク導入で働き方改革『協会設立の経緯と活動内容 〜日本テレワーク協会〜』

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近年、PCやスマホといった情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方、テレワークという制度に企業から注目が集まっています。
単純に従業員の働き方というだけではなく、政府が推進する働き方改革を実現する取り組みでもあるテレワークには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は一般社団法人日本テレワーク協会(以後、日本テレワーク協会)の中山洋之専務理事に、同協会の活動内容やテレワークの概要について話を伺いました。

日本テレワーク協会とは 〜設立の背景と概要〜

Q:まず日本テレワーク協会設立の経緯について教えてください。

中山:テレワークという言葉自体はここ2年くらいでよく聞くようになったと感じる人が多いと思いますが、歴史的に言うと実は決して新しいものではないんです。我々日本テレワーク協会も2000年に発足していますし、その前身である日本サテライトオフィス協会については1991年に設立されています。

Q:もともとは日本サテライトオフィス協会として活動されていたんですね。どうして日本テレワーク協会へと名称を変更したのでしょうか。

中山:そもそもテレワークという働き方は、1970年代にアメリカのロサンゼルス周辺で、オイルショックによるエネルギー危機とマイカー通勤による大気汚染の緩和を目的として始まりました。
日本の場合は、1980年後半からバブル期を迎えたこともあり、今以上に深刻な通勤ラッシュが問題視されていました。その解決策として一部の企業で職住近接のサテライトオフィスが設置されるようになったのですが、当時はまだICTも今のように発展していなかったため、サテライトオフィスで仕事をしたからといって生産性が上がるというわけではなかったのです。その後バブルが崩壊し、サテライトオフィス自体も一時トーンダウンせざるを得ない状況にはなりましたが、徐々にICTが発展していくにつれ、サテライトオフィスだけでなくテレワークという働き方が可能な環境が整っていきました。そこで2000年から名称を変更し、日本テレワーク協会としての活動をスタートしていくに至ったのです。

政府と連携した推進事業と、独自の普及推進活動を実施

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Q:日本テレワーク協会の具体的な活動内容について教えてください。

中山:日本テレワーク協会の活動は大きく分けて2つあります。ひとつは政府と連携し、政府が普及・推進する事業の協力や、促進サポートを行うというものです。現在、総務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省の関係4省が、各々立ち位置は違いますが働き方改革の切り札とされるテレワークの推進を行っています。我々日本テレワーク協会では関係4省のほかに内閣官房とも連携し、テレワークの推進事業も行っています。

もうひとつはテレワーク普及推進のための独自活動です。例えば日本テレワーク協会設立時から行っている「テレワーク推進賞」の表彰事業や年に1回のトップフォーラム開催、関連書籍の出版、研究部会の実施、テレワーク推進フォーラムの運営など、テレワーク普及推進のための活動を多岐にわたり行っています。

ユニークなもので言えば、「テレワーク川柳」という事業を研究部会で実施しています。テレワークについての川柳を毎年募集しているのですが、2017年度はおよそ1000通の応募がありました。その中から100くらいを選定し、本やカレンダーに掲載しています。思わずクスッと笑ってしまうような面白いものも多いんですよ。

テレワーク普及の背景と導入のメリット

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Q:近年急速にテレワークという言葉が普及してきたような気がします。この状況についてどうお考えですか。

中山:我々も肌感覚でテレワークが急激に普及してきたなとは感じています。相談センターへの相談件数や助成金の件数が、ここ1年くらいで例年と比べて数十%上昇しているからです。
その一方で、総務省や国土交通省が実施しているテレワークの実態調査では、テレワーク普及に関する数字はあまり上昇していません。しかし、企業側がテレワーク制度という名目で実施していなくても、社員が無意識にテレワークを実施しているというケースは珍しくありません。
例えば電車の中で会社のメールを見て返信したり、外回りの空き時間を活用して喫茶店でPCを開いて仕事したりすることは、単なるリモートワークだと思われがちですが、立派なテレワークなのです。こういった無意識的なテレワークも含めれば、テレワーク自体の普及はかなり進んでいると思います。

Q:そもそもテレワークを導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか。

中山:テレワークは大きく分けて「社会」「企業」「就業者」の3者にメリットをもたらします。まず社会全体へのメリットにおいては、近年少子高齢化が急速に進む中で問題視されている、労働力人口減少の緩和が期待できることは大きなプラスの効果だと言えます。そのほかにも地域創生や環境負荷の低減もテレワークに期待できる社会全体へのメリットのひとつです。

次に企業側へのメリットに関しては、生産性向上や経営改革、事業継続性の確保(BCP対策)が挙げられます。また、テレワークを導入することで育児や介護で休職せざるを得ない優秀な人材の流出防止といったメリットも期待できます。

また、就業者個人へのメリットとしては、通勤時間の削減やその分空いた時間の有効活用などが挙げられます。時間を有効活用できればワークライフバランスの向上にもつながりますし、育児・介護中の仕事継続も難しくはなくなると思います。

<プロフィール>
一般社団法人 日本テレワーク協会
専務理事
中山 洋之

1980年富士ゼロックスに入社。1989年ニューヨーク駐在。1994年富士ゼロックス社長秘書、2002年よりグローバルアカウント営業部長として、東京の他、上海・シンガポールに駐在し、グローバルビジネスを展開。2015年、日本テレワーク協会専務理事就任。

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