【後編】テレワーク導入で働き方改革『活動の成果と今後の展望 〜日本テレワーク協会〜』

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2000年に発足した一般社団法人日本テレワーク協会(以後、日本テレワーク協会)では、テレワークの普及や啓蒙施策への協力・コンサルティング・調査・研究などテレワークに関する様々な取り組みを実施しています。
後編では前編に引き続き、日本テレワーク協会の中山洋之専務理事にテレワーク推進の成果や今後の展望について話を伺いました。

テレワーク活用の企業事例

Q:実際にテレワーク導入した企業の事例などありましたら教えてください。

中山:例えば世界的に有名な自動車系企業A社では2006年からダイバーシティ推進室が設置され、その一環としてテレワーク制度も導入されることとなりました。
A社では最初は育児・介護の両立従業員のみをテレワーク制度の対象としていましたが、利用者が一部従業員に留まってしまったため、生産工程以外の全従業員に対象者を拡大しました。さらにその後、利用上限を拡大した上、30分単位の部分在宅も可能としたことで、利用者の充実度が向上したという結果が出ています。また、現在A社では特に男性のテレワーク利用が増えていることからも、男性の育児・介護への参画の促進という結果にもつながりました。

情報通信システム系企業B社は、テレワークの先駆者とも言える代表的な企業です。テレワークは当たり前という認識から、現在はテレワークを制度ということではなく、従業員も日常的にテレワークを活用しています。B社ではテレワークを導入したことでペーパーレス化が49%促進したほか、女性の離職率や旅費・交通費の削減といった面でも成果が出ています。

Q:色々な業種でテレワークが取り入れられているのですね。中山専務理事から見てテレワーク導入が多い業種の傾向などはありますか。

中山:やはりICT系の企業が最もテレワーク導入が進んでいると思いますが、それ以外の業種では極端な差はないと思います。

「テレワーク推進賞」の最近の傾向

日本テレワーク協会
Q:日本テレワーク協会が行っている「テレワーク推進賞」の表彰事業について教えてください。

中山:「テレワーク推進賞」は日本テレワーク協会で2000年の発足当時から行っている表彰事業です。毎年テレワークに顕著に取り組んだ企業を選定し、表彰しています。

Q:最近の受賞傾向などで変化はありましたか。

中山:テレワークの導入自体は、先ほども話した通りやはりICT系の企業が、続いて外資系企業が早かったと思います。またテレワークの導入目的も、以前は育児介護など時間に制限のある社員を対象とした 福利厚生的な要素が強かったのですが、この数年は競争力強化・生産性向上ということで、まさに企業の経営戦略として導入するようになってきました。また、「テレワーク推進賞」でも様々な業種の企業の応募が見られるようになりました。

Q:2017年度にはレオパレス21が「テレワーク推進賞奨励賞」を受賞していますが、どのようにお考えでしょうか。

中山:以前にも不動産系の企業が「テレワーク推進賞」を受賞したことはありましたが、基本的にはいずれもサテライトオフィスの契約など自社のビジネスとしてテレワークに携わるものでした。ですから、2017年度に奨励賞を受賞したレオパレス21のように、不動産系の企業で自社の中にテレワーク制度として導入している企業というのは貴重だと思います。

テレワークを含めた今後の展望

日本テレワーク協会
Q:最後にテレワークを含めた今後の展望をお聞かせください。

中山:最近はテレワークの色々なメリットが注目されています。2016年に安倍内閣により働き方改革実現会議が始まり、第2回の会議ではテレワークのガイドラインの見直しが検討されました。
その結果、これまではテレワークイコール在宅勤務と考える方が多かった のですが、サテライトオフィス勤務やモバイル勤務に広げたことにより、 今後、雇用型テレワークがさらに加速することが期待できます。
また、人手不足が進む中、一方では近年のICTの急速な進化とともにクラウドソーシングのような 新たな仕事の受発注のビジネスモデルも認知されるようになってきたことで、副業兼業や 自営業の方など、多様な人が多様な働き方ができるような環境になりつつあり、 テレワークの広がりを実感します。

我々日本テレワーク協会は、こういったテレワークの広がりを含め、今後も更なる普及に向けた様々な活動を行ってまいります。また直近では2020年の東京オリンピックに向けて、政府と連携し「テレワーク・デイズ」という取り組みも実施しています。
これは総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府と連携し、テレワークの全国一斉実施を呼び掛ける働き方改革の国民運動のひとつで、2017年からスタートしました。2017年は来る東京オリンピックの開会式予定日である7月24日の1日だけを対象にしていましたが、2018年は7月23日〜27日の5日間に期間を延長しています。

いろいろと悩むよりも、とりあえずテレワークをやっていただくことで、その良さを分かっていただければ、自然にテレワークができるようになり、多くの企業がテレワーク導入に積極的になっていただけたら嬉しく思います。

<プロフィール>
一般社団法人 日本テレワーク協会
専務理事
中山 洋之

1980年富士ゼロックスに入社。1989年ニューヨーク駐在。1994年富士ゼロックス社長秘書、2002年よりグローバルアカウント営業部長として、東京の他、上海・シンガポールに駐在し、グローバルビジネスを展開。2015年、日本テレワーク協会専務理事就任。

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