週休3日制で働き方が変わる? そのメリット、デメリットと導入方法

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週休3日制
大手企業が導入し始めたことで、週休3日制が注目されています。様々なメリット、デメリットが指摘されていますが、導入した企業はどのような週休3日制を実現したのでしょうか。

週休3日制のパターンは企業によって様々

週休3日制を導入する企業が話題になっています。公務員が完全週休2日制に移行したのが1992年、一般企業にも浸透したのはだいたい2000年頃と言われています。休みが増えるのは単純に良いことのように思えますが、週休3日制を導入することによるメリットとデメリットには、どんなものがあるのでしょう。

週休3日制には導入のパターンによって、大きく2種類に分けられるようです。
ひとつめは1日当たりの労働時間を8時間から10時間に増やし、週当たりの労働時間は40時間のままで週休3日制を導入するパターン。
ふたつめは1日当たりの労働時間は8時間のままで、週当たりの労働時間を32時間に減らすパターンです。実際に導入される方式や企業によって様々ですが、大きく分けるとこの2つのパターンに分けられます。

週休3日制を導入するメリット

週休3日制
週休3日制を導入するメリットは、企業側から見るか労働者側から見るかで、多少の違いがあります。

企業側から見たメリット

・離職する従業員を減らせる
育児や介護と仕事とのバランスを取りにくいことで離職を選択せざるを得ないといった事態は、企業にとって優秀な人材を失うことになってしまいます。労働時間を変えずに週休3日制を導入する場合、より多くの時間を育児や介護に充てることが可能になり、ワークライフバランスを実現でき雇用を維持できます。

・プラスな企業イメージのアピール
週休3日制を導入している柔軟な企業という印象は、企業イメージのアップにもつながります。導入企業が多くない現段階では、他の企業との差別化をアピールできます。人材不足が叫ばれる昨今、求職者が増加する効果も期待できます。

・残業代を減らしたり生産性が向上する
労働時間を1日10時間に増やす場合、残業代の削減効果が期待できます。労働時間を変えない場合でも、限られた時間で業務をこなす必要から集中力がアップし生産性が向上する効果も考えられます。

労働者側から見たメリット

・プライベートな時間が増える
自由に使えるプライベートな時間が増えるため、育児や介護をはじめ家族と過ごす時間が充実します。資格取得のための勉強など、自分を磨くための時間に充てることもでき、スキルアップも期待できます。一部の企業では副業も認められているので、起業を考えている人などには、じっくりと専念する時間が得られます。

・キャリアの中断がなくなる
育児や介護のためにやむを得ず長期の休暇を取ったり、離職したりすることが避けられ、積み上げてきたキャリアの中断も回避されます。また、急に休みを取ることが少なくなるため、心理的な負担も軽減されます。

・しっかりとリフレッシュできる
プライベートな時間が増えることで、しっかりと身体を休ませられます。心身のリフレッシュにより、新たなアイデアが浮かびやすくなったり、オンタイムの集中力が増したりと、仕事へのプラス面も期待できます。

週休3日制を導入したときのデメリット

週休3日制の導入はメリットばかりではありません。デメリットになる面も押さえておく必要があります。

企業側から見たデメリット

・コミュニケーションのロスにつながる
週休3日制を導入する企業がまだ少ないため、顧客や取引先とは休みが合わない状況が生まれ、不測の事態や緊急案件の際も、連絡が上手く取れないといった不都合が生じます。社内でもシフト管理がきちんと行われていない場合、担当者の不在で業務の連携がスムーズにいかない事態も考えられます。

・労働力が5分の4に減る
1日の労働時間が8時間のまま週休3日制を導入した場合、全体の労働時間が20%減ることになります。減った分の労働力は、業務の無駄を省いたり、アウトソーシングを利用したりと業務の効率化を図るなどして補う必要が生じます。場合によっては人員を補充することも必要になります。

労働者側から見たデメリット

・収入が減少する
1日の労働時間が8時間の場合には、労働日数が減った分の収入が減ることになります。1日10時間労働の場合でも、基本の収入は変わりませんが、勤務時間が2時間増えた分、残業代で支給されていた上乗せ分が減る可能性があります。

・1日の労働時間が増える
週の労働時間を変えない場合、1日の労働時間は単純に2時間増えることになります。労働時間が8時間の場合でも、出勤日数が1日減ることで、残業を増やして帳尻を合わせるなどの必要も考えられます。

週の労働時間を変えないで週休3日制を導入した企業

大手宅配業者のS社では週休3日制を導入し、トラック運転手の確保に乗り出しました。週の労働時間は変えずに、1日の労働時間を10時間に伸ばして、給与水準はそのまま維持しています。休日にはほかに副業を持つことも認めており、将来起業するための足掛かりにしたい人や、家業の手伝いなどをしている人など、多様な人材の確保が期待されています。

大手アパレル企業のU社をプロデュースするF社では、地域正社員に限定されていますが、それまでの8時間×5日のフルタイム勤務を、10時間×4日に変更することを決めました。休みは平日に取ることが条件となっています。

大手サービス企業のU社は、介護施設などで週休3日制の試験導入を行っています。それまでの1日8時間勤務では夜勤と日勤で16時間連続勤務がありましたが、1日10時間勤務の週休3日制によって夜勤は朝8時に退勤できるようになり、勤務環境の改善につながっています。

週休3日制の導入には目的を明確にすることが不可欠

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週休3日制の導入という点ではいずれの企業も同じですが、人員の確保や従業員のワークライフバランスの充実、勤務環境の改善など、その導入の目的はそれぞれ異なっています。単に勤務条件の改変といった目的では、週休3日制を導入しても有益な効果を発揮できず、ただ休みだけが増えて労働生産性が落ち込んでしまうといった結果にもなりかねません。

週休3日制の導入で収入が減ってしまう場合には、社内から反発があることも想定できます。大手電機メーカーのI社のように成果主義を採ることで多様な勤務形態を選択でき、労働時間減少が必ずしも収入の減少につながらないケースもあります。週休3日制の導入においては、これまで通りの社内の労働制度では対応できない側面が生じてきます。導入の目的に見合った見直しや改革も、重要な検討事項になると考えられます。

日本の時間当たりの労働生産性はOECD加盟35ヵ国の中で20位と低い水準にとどまっています。GDPが3位であることを考え合わせると、日本は時間当たりの生産性が非常に低いことが示唆されます。週休3日制はその導入によって、業務の見直しやテクノロジーの充実などが図られ、結果として生産性の向上が推し進められるといった効果も期待されます。

1965年、松下電器が日本で最初に週休2日制を公式に導入してから、約35年で一般に浸透したことを考えると、週休3日制を導入する企業も今後ますます増えていくとも考えられます。ほかの企業が導入しているから制度だけそのまま取り入れるのではなく、自分たちの働く場所に導入されたならばどのような週休3日制があり得るのか、まずは想像してみることが週休3日制の効果を最大限に発揮するための大切な一歩になります。

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