働き方改革で活躍が期待される「ワーママ」が仕事を続けるポイントとは?

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働き方改革では、「同一労働同一賃金」や「ワークライフバランスの推進」などが打ち出されていますが、実際に子育てしながら働く母親=ワーママ(ワーキングママ)が仕事を続けるためのポイントとは何なのでしょうか。時短勤務などの制度が整えられただけでは働きにくさを感じるという意見も少なくないと言われます。
ワーママが働きやすい環境づくりに向けて、組織や制度などのハード面と実際の職場での運用などのソフト面の両面から考察していきます。

着々と整備が進められている、仕事と家庭の両立支援策

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厚生労働省による仕事と家庭の両立支援においては、労働基準法、男女雇用機会均等法に基づく妊娠中・出産後の母性保護、母性健康管理として産前6週、産後8週の休業や軽易な業務への転換、時間外労働・深夜業の制限、医師の指導などに基づく通勤緩和、休憩、休業などの措置の義務付け、そして妊娠・出産を理由とする解雇の禁止など、ベースとなる制度は整えられています。また、育児・介護休業法の再三の見直しにより、子どもが満1才になるまでの育児休業や3才に達するまでの時短勤務制度、所定外労働の免除などが整備されてきました。

さらに、これらの制度を利用しやすい職場環境づくりとして、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画の策定・届出・公表・従業員への周知を従業員101人以上の企業に義務づけるほか、一定の基準を満たした企業を子育てサポート企業として「くるみん認定」してきました。2017年3月末時点で認定企業数も2695社となって、より高い水準の取り組みを行っている企業への「プラチナくるみん認定」も始まっています。

取り組み事例の共有により、自社に合ったワーママ支援の参考に

このようなハード面の整備の一方で、運用するソフト面についても取り組みが進んでいます。
例えば、厚生労働省は、企業が自社に合った取り組み支援策を考えやすいよう「両立支援のひろば」というサイトを運営して、全国各地の様々な業種や、従業員規模の企業が実施している取り組み事例を公表しています。そこから見受けられるワーママへの支援策としては、育児短時間勤務制度のほか、各種行事や子どもの体調不良時に利用しやすい有給休暇制度の運用、そして管理職や周囲の従業員の理解を促す意識啓発が考えられています。また、ワーママの参考になるようなロールモデルの策定や、同じような境遇の社員同士のコミュニティーづくりも提案されています。

そして、民間活動では、「ママ活躍推進プロジェクト」という団体が主催して、ワーママが働きやすい体制、多様な人材を活かせる経営基盤づくりに向けて努力している企業を「ママが働きやすい企業」として認定しています。審査基準は、女性向けの福利厚生・社内制度の制定や育児休業取得率の高さといったワーママの働きやすさ、女性社員及び管理職比率に見るワーママ人材活用、さらに企業の成長性や売上高、事業の優位性、先進性などとなっており、基準のクリアを目指そうとすればより実際的な環境整備が必要になりそうです。2017年7月からは名称を「ウーマンエンパワー賛同企業」として、各企業の努力と想いにもスポットを当てています。

乳幼児期を越えて、小学校入学頃からワーママには新たな悩みが

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そのほかにも、2013年から「パワーママプロジェクト」としてインタビュー記事のネット配信や交流会の開催によりワーママの紹介をしてきた民間の活動もあります。こちらが目指すのはロールモデルのシェアで、毎年「ワーママ・オブ・ザ・イヤー」の選定も行っています。サイトにおけるインタビュー記事の検索キーワードも「2015年生まれ」「2児のママ」「スタートアップ」「子連れ出勤」「協力的なパパ」「管理職」「職種変更」など、ワーママにとって身近で気になるワードが並んでいます。

同プロジェクトでは、多くのロールモデルに接してきた集大成として、2017年4月には『「ワーママ」5年目に読む本』という書籍を出版しました。子どもが小学生になる頃、放課後の預け先を探すという悩みをはじめ、新たな壁が現れることからと言います。子どもの勉強を見てあげられるか、この先教育費はどのくらいかかるのか、時短からフルタイムに戻ったほうが良いのか、仕事を続ける意味があるのかなど、問題も新たな局面を迎えます。このように、子育てをしていく時、仕事する上での問題がどのように変化していくのかあらかじめ示されることで、より多くの女性が「ワーママ」を目指すことにためらわなくなるようになっていくのかもしれません。

働き方改革の主眼であるダイバーシティーという多様な人材による働き方を推進していく際に、女性や外国人、障がい者、高齢者など考えていくべき対象はいろいろありますが、その中でも女性が子育てのためにキャリアを中断せずに済めば、少子化による人材不足解消への大きな一手ともなり、そもそもの少子化への対策となります。ワーママを支援するための環境づくりには、より現実的な運用の事例やロールモデルによる実際の声を社会で共有していくことが求められるでしょう。

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