ふるさと納税返礼に「実家の見守り」「墓掃除」「空き家の管理」

ケア

関連キーワード
ふるさと納税返礼
幾つかの自治体では、ふるさと納税のお礼の品として、「実家の見守り」「空き家の管理」「墓掃除」といったサービスを提供しています。
このようなお礼の品が考え出された背景には、過熱するふるさと納税のお礼の品に対する総務省からの通達や、地方が抱える過疎化と高齢化、さらには空き家放置などといった問題が隠されています。

日本各地から届くお礼の品が魅力的な、ふるさと納税

ふるさと納税は、自分の意思に基づき、生まれ育ったふるさとや応援したい地方の自治体に寄付をする制度です。ふるさと納税を利用して自治体に寄付をすると、寄付した額に応じた税金の還付や控除を受けられたり、寄付した自治体からお礼の品が届いたりするなどのメリットがあります。

ふるさと納税を利用するメリットは4つあります。

1つ目は寄付した自治体からのお礼の品です。多くの自治体が、その地方の特産品をお礼の品として届けています。日本各地から名産品が届けられるのはふるさと納税の大きな魅力です。

2つ目は寄付した額に応じて税金が控除されたり還付されたりすることです。寄付した総額から2000円を引いた金額について、所得税と住民税から控除を受けられます。控除を受けられる上限額は家族構成や収入によって違うので、ふるさと納税を利用する前に確認が必要です。

3つ目のメリットは、寄付する自治体を自分で選んで社会貢献できることです。寄付できる自治体は出身地の自治体だけではありません。出身地ではないが応援したい自治体や欲しいお礼の品のある自治体を、寄付者が自由に選択できる仕組みになっています。寄付先の自治体の数や金額、回数にも上限は設けられていません。控除の上限額を超える寄付も可能です。

4つ目のメリットは、寄付金の使い道を指定できることです。自分の寄付金がどのように使われるのかということも、ふるさと納税で寄付先を決める際の選択基準になります。

ふるさと納税で人気を集めるお礼の品

ふるさと納税返礼
ふるさと納税のお礼の品には、各地の特産品が色々とあります。中でも人気があるのは、地方の名がついたブランド牛や、いくらやカニといった高級な食材です。桃やマンゴー・ぶどうなど、産地の果物人気も高くなっており、地方ごとにそれぞれ特徴のある日本酒やワイン・焼酎といった酒類も人気です。

食材以外で人気を集めているのが、豊かな自然や温泉などの観光資源を武器にした旅行です。その土地の高級旅館やホテルなどの宿泊券や、航空券などに使える旅行券などのお礼の品には、遊びに来てくれた寄付者が地元でさらにお金を使ってくれるメリットも期待できます。また、牧場の入場券やランチつきの乗船券・イベントへの招待券などをお礼の品にする自治体もあります。

地元のメーカーがつくる工業製品をお礼の品にする自治体もあり、傘や化粧筆など土地の特色を感じられるものや、中にはトレーニング器具や美顔ローラーといったものまで、バリエーションの幅も広くなっています。シャンプーや化粧品をはじめ女性向けのアイテムも人気です。

寄付金集めで過熱気味のお礼の品にストップ

ふるさと納税返礼
ふるさと納税による寄付金はそのまま自治体の収入につながるため、どの自治体もお礼の品に知恵を絞って工夫を凝らしていますが、アピールできる特産品や温泉などの観光資源を持たない自治体では、地元と全く関係のない電化製品などをお礼の品にするところも出てきたり、他県の特産品などをお礼の品にする自治体もあります。ふるさと納税のお礼の品を掲載するサイトは、今や通販サイトと変わらない様相を見せているのが現状です。

総務省は、過熱し続けるふるさと納税のお礼の品に対し、「お礼の品は地場産品」にするよう通達を出しました。また、お礼の品を調達するための資金は、「寄付金の3割までに抑えるように」とも通達しています。これを受けて多くの自治体では、高級すぎるお礼の品の見直しを始めましたが、一部の自治体ではこれまで通りの体制を貫く姿勢を見せています。

ふるさと納税が自治体にとって、全国から寄付金を集められる絶好のチャンスであることが過剰なお礼の品競争を引き起こした原因です。人口の減少などで税収の少ない自治体にとっては寄付金を集めることの重要度は高くなります。目を惹きつけるお礼の品を選ぼうとすることは仕方のないことなのかもしれません。

離れた場所の家族を見守ってくれるユニークなお礼の品

ふるさと納税返礼
このような流れの中で、豪華なお礼の品に頼らないユニークなサービスが登場しました。幾つかの地方自治体では「実家の見守り」「墓掃除」「空き家の管理」といったサービスをお礼の品にして話題になっています。

長野県を例にとってみると、諏訪市では日本郵便と提携し、市内に住む家族への「郵便局のみまもりサービス」をふるさと納税のお礼の品としてスタートさせました。郵便局の職員が月に1回、約束した時間に家族を訪問し、生活状況などを、確認事項に沿って約30分お話しするサービスです。事前に設定すれば指定したメールアドレスへ家族の写真を送ってもらうこともできます。訪問期間は寄付金に応じて6ヵ月と1年の2コースがあり、離れて住む家族をつなぐサービスとして注目されています。

また、プロの業者やシルバー人材センターへの委託で、離れて住む家族に代わって先祖のお墓の掃除を代行してくれるサービスも登場し、草むしりや掃除をしてくれるだけでなく、お花を添えてお線香もあげてくれたりもします。帰省する時期に合わせて事前にサービスをお願いし、きれいになったお墓にお参りするといった利用もできそうです。

各自治体の区域内にある空き家を管理してくれるサービスも注目されており、ふるさと納税のお礼の品として、住宅管理の専門家が市内にある空き家の管理作業を行っています。寄付金に応じて、郵便物の確認や清掃・草むしりといった屋外のみの作業と、室内の空気の入れ替えや水漏れ・カビの確認までの作業を含むサービスを行っている自治体もあります。メンテナンスの状況は詳細なレポートで利用者の手元に届くので、空き家になった住まいの状況を詳しく知ることもできて安心です。

地方の抱える過疎化問題とふるさと納税

ふるさと納税返礼
「実家の見守り」「墓掃除」「空き家の管理」といったお礼の品は、人目を惹くためのサービスとして行われているのではありません。総務省の通達によって過剰なサービスの見直しを始めたこともありますが、地方では過疎化が進むことによる幾つかの問題を抱えているといった状況が、こうしたサービスが登場するきっかけになっています。

一部の地域では自分たちの市町村への移住を推奨する施策を行い、若い世代が増えている地方もありますが、多くの地域では都市部へ人口が流出し、過疎地域の住人の高齢化や空き家への対策が依然として課題になっています。都市部に流出した人たちを呼び戻すことは、就職の問題や通勤の問題といったハードルもあり、簡単には解決できません。

離れて暮らしていても、家族や実家の状況を知ることができたり、空き家になった住居をメンテナンスできたりするサービスは、地方が抱える様々な問題を解決していくためにも、今後ふるさと納税のお礼の品として広まっていきそうです。ふるさと納税は、「離れたふるさとを想う」気持ちが大前提にある仕組みであることを考えると、特産品や豪華なお礼の品ではなく、このようなサービスを提供することが、最もふるさと納税に適しているのかもしれません。

その他のおすすめ記事

その他のケアの記事

キーワード一覧

 ページトップ