【後編】災害に介護に大活躍のポータブルトイレ「ラップポン」とは? 導入事例と、その反響、今後の展望 〜日本セイフティー株式会社〜

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自動ラップ式のポータブルトイレ「ラップポン」が、被災地や介護現場など様々な場面で力を発揮しています。
中越沖地震や東日本大震災・熊本地震、そして今年7月の西日本豪雨など、国内で起きた未曽有の災害に際して、「ラップポン」の開発・販売元である日本セイフティー株式会社では、会社一丸となって自動ラップ式トイレの設置をはじめとする支援活動に取り組んできました。
後編では前編に引き続き、同社ラップポン事業部営業部の餅月忍部長(写真左)と、同事業部の漆田裕治事業部長代行兼開発部長代理(写真右)に、「ラップポン」の導入事例とその反響、今後の展望などについて話をお聞きしました。

画期的なポータブルトイレ「ラップポン」、災害や介護以外のユニークな導入事例も

ラップポン
Q:「ラップポン」の災害時や介護現場での導入事例について教えてください。

漆田:災害用のものについて言えば、2007年以降に発生した能登半島地震や中越沖地震・東日本大震災・熊本地震、そして西日本豪雨などの被災地で、避難所や施設に「ラップポン」を設置して使ってもらう活動を行っています。今年7月の西日本豪雨災害では、岡山県・愛媛県・広島県を回って約600台の「ラップポン」を設置しました。

餅月:万が一に備え、全国の市町村の内、300近いところで「ラップポン」が災害備蓄用として置かれています。また、警察の機動隊や消防や自衛隊が災害派遣におもむく際、「ラップポン」搭載の車両が用いられることがありますし、「ラップポン」を手で持って現地へ向かうこともあります。

災害時以外では、皆既日食で話題になった南西諸島のトカラ列島において、環境保持という目的で50台程の「ラップポン」を設置したほか、富士山の仮設トイレとして約2ヵ月間使用されたこともありました。ユニークな事例では、運動選手のドーピング検査を行う日本アンチドーピング機構へ「ラップポン」が導入されたこともありましたね。排泄物がそのまま袋の中に入って密閉されてしまうので、ドーピング検査には最適だったようです。また、日本国内だけでなくベルギーの南極観測隊でも「ラップポン」が活用されています。

「ラップポン」は一般のコンセントから電力供給が使用可能なほか、停電などで電源が確保できない場合でも、緊急時対応可能なオプション品のリチウムイオンバッテリーからの電力を供給できます。さらに、一般的な車のバッテリー容量と同じ12Vという電圧なので、災害時などには専用ケーブルを使うことにより車のシガーソケットにも対応し、いざという時にも迅速な対処が可能です。

Q:実際にラップポンを使用され方からはどのような反響がありましたか。「このようにしてほしい」などの要望の声がありましたら教えてください。

餅月:反響としては、被災地での「ラップポン」設置に当たって感謝の声をいただいています。西日本豪雨の際、愛媛県の宇和島市での設置活動において、酷暑の中で給水車から水を運ぶ回数が少なくなったという声をお聞きすることができました。

また、介護用に関しては、在宅介護を行っている方と介護を受けている方の両方からの声が届いています。実際に介護を行っている方からは「排泄物の処理が楽になった」「排泄物の匂いがしなくなった」という声が、介護を受けている方からは用を足す姿を見られずに済むのが嬉しいという声もお聞きしています。

漆田:また、例えば介護用の「ラップポン」では、フィルムの処理時間を早めてほしいという要望が届いています。現在は排泄物を密閉するフィルムの処理に90秒ほど掛かるので、それを短縮してほしいということですね。現状では、排泄物に自分で凝固剤を入れる必要があるのですが、自動で入れられるようにしてほしいといった要望もありました。

災害用に対しては、女性の自衛隊員も増えてきているので、機器自体をもう少しコンパクトに軽くしてほしい、介護用と同様に、処理時間を短くしてほしいなどの要望もあるようです。ご指摘いただいた声を真摯に受け止め、徐々に改善していきたいと思っています。

Q:「ラップポン」開発時に特に大切にしたポイントはどのようなところでしょうか。

漆田:やはりコストですね。いくら良い商品であっても、手が届く範囲の金額でなければ多くの方に使用していただくことが難しいからです。そして使いやすさにもこだわりました。「ラップポン」はあくまでも“トイレ”なので、通常のトイレと使い方が大きく異なっては使いづらくなってしまいます。使用後の処理に関しても、通常のトイレと同様にボタンを1回押すだけで良いように、なるべくシンプルな使い勝手にするための工夫をしました。

最近はより使いやすいものをということで、音声でアナウンスする機能がついた「ラップポン」も販売しています。ボタンを押すと「処理を開始します」、処理が終わると「処理が終わったので、袋を取り出してください」といった内容の音声が流れるようになっています。さらにトラブルがあれば音声で知らせしてくれる機能も備えています。

広い分野での活用を目指して

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Q:今後の展望についてお聞かせください。

漆田:弊社で「ラップポン」に活用している自動ラップ式のユニットは、私どもが自信を持って良いものだと言えるシステムです。今後はこの自動ラップ式のユニットを、トイレに限らず幅広い分野で活用していきたいと考えています。また、介護の分野に関しては、「ラップポン」以外のほとんどの製品がまだバケツタイプのポータブルトイレなので、匂いもしない、処理の手間も掛からないようなタイプに全て切り替えていくという願望もあります。

餅月:現在、自動ラップ式のポータブルトイレはごく一部でしかありません。超高齢社会を迎えた現代だからこそ、「ポータブルトイレ=自動ラップ式」という展開を進めていきたいと思っています。

(プロフィール)
日本セイフティー株式会社

ラップポン事業部
事業部長代行兼開発部長代理
漆田 裕治
2007年より前職で、ラップポン開発に関わり
2014年ラップポン事業部の開発部長代理として
日本セイフティー株式会社に席を置く。
2017年より事業部長代行を兼任。

ラップポン事業部
営業部
部長
餅月 忍
2004年ラップポン事業に初期より関わる。
2010年より営業部長に。

日本セイフティー株式会社
https://www.nihonsafety.com/

ラップポン公式ページ
http://wrappon.com/static/product/

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