東京都独自の待機児童への支援策! ベビーシッター利用の補助事業を視野に

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全国でも待機児童問題が深刻な東京都ですが、2018年度予算では初めて「ベビーシッター利用支援事業」が盛り込まれました。
他の道府県に先んじた取り組みとして、メディアでも大きく報じられています。
この補助事業を始めるに至った背景や利用できる人の条件、補助額をまとめるとともに、今後の課題も考えていきます。

月最大28万円のシッター利用補助で、ワーキングママの復職を後押し

2017年4月1日時点で都道府県別待機児童数が最も多かったのは、東京都の8586人です。これに続くのは沖縄県の2247人・千葉県の1787人・兵庫県の1572人で、東京都が抜きん出て多い状況にあると分かります。このような数字は、市区町村ごとに毎年4月時点の待機児童数を調べ、それを厚生労働省が取りまとめて9月に発表するものです。上記の東京都の数字も各市区町村別に見ると、対前年比で大田区では343人増、目黒区が318人増と全国自治体の中でも増加数が目立つのに対し、世田谷区は337人減、北区は150人減と、削減されたところもあります。

そのような中、東京都の2018年度予算にベビーシッター利用支援事業が盛り込まれたことを受け、「月28万円までベビーシッターの利用料金を補助」と大きく報道がされました。実際、待機児童対策に1576億円の予算が向けられ、その一部であるベビーシッター利用支援事業に50億円が当てられます。2018年1月26日の記者会見で小池東京都知事が、「認可保育所の1歳児定員を増やす工夫、それからベビーシッターの利用支援など、1歳児までは安心して育児休業を取得できる環境づくりということを進める、そして平成31年度末の待機児童解消ということを目指していきたい」と話しています。

この事業の中身を見ていきましょう。事業概要は、「待機児童の保護者または育児休業を1年間取得した後復職する保護者が、子が保育所等に入所するまでの間、本事業の参画事業者としてとの認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を利用する場合の利用料の一部を助成する」とされています。待機児童となっている子どもの保育園が決まるまでの間、ベビーシッターを利用して働きたい保護者に加え、1年間の育児休業の取得満了後に復職して次年度4月の入所申請をする保護者も対象となっており、仕事をしながらの子育てを積極的に支援しようという姿勢が現れていると言えます。

サービスを提供するのは、都の居宅訪問型保育基礎研修や本事業のガイダンス研修を修了したベビーシッター及び都が認定したベビーシッター事業者です。このサービスを1時間250円の利用者負担で、1日8時間かつ月160時間を上限として受けられます。利用料の設定は1時間税込2160円が上限とされていますので、単純計算で1時間1750円が助成されることになります。但し、入会金やベビーシッターの交通費・キャンセル料・保険料・おむつ代などの実費はこれに含まれません。

認可保育施設並みの利用料による安定的運用が緊急の課題

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ベビーシッター利用補助の仕組みの原型は、家庭にベビーシッターを派遣する居宅訪問型保育事業にあります。主に重度障がい児や病時保育を対象としてきましたが、保育所が確保できていない0〜2歳児向けに応用することで、施設を整備するまでの受け皿としようとするものです。近年、東京都の幾つかの自治体で実施されており、それに都が追随する動きと言えます。

豊島区では、2016年12月より待機児童対策枠の居宅訪問型保育事業をスタートさせました。
保育料の補助はありませんが、認可保育施設の保育料と同額で利用でき、保育者の往復交通費1日一律1000円は区が負担します。当初定員10人で始めたところ好評のため、2017年度は80人に枠を増やして対応しています。保育園の新設などといった施策も功を奏して2017年4月時点では待機児童ゼロを達成し、その維持のために同事業は引き続き実施されています。港区や千代田区でも同様の事業を行っており、認可保育施設の保育料と同額で利用できます。港区では2017年6月時点で約20人の利用があり、100人程度まで対応することも視野に入れるなど、取り組みへの成果が認められています。

さらに、同様の事業で2018年4月より保育料助成を始めたのは、品川区です。認可保育所及び地域型保育事業所に入園できなかった児童が、ベビーシッターサービスを月48時間以上(月12日以上かつ1日4時間以上)利用した場合に、定額で月3万円(96時間以上利用の場合は5万円)が助成されます。

一方、調布市の制度では、保護者が一時的に子どもを養育できない時に、自宅で民間のベビーシッターを利用した場合の利用料の一部を助成しており、対象は小学校3年生までと幅広くなっています。補助額は支払った保育料の2分の1で、1家庭につき1日4000円かつ1年度で2万8000円が上限ですから、ほかに預け先がない場合に頼るようなイメージでしょうか。対象のベビーシッター事業所は、公益社団法人全国保育サービス協会に加盟の事業所か、それに準ずるサービス水準の事業所となっており、自由度が高いようです。

実際、東京都によるベビーシッター利用の補助事業は参画事業者の選定など調整中で、運用開始は2018年12月〜2019年1月頃になる見通しとのことです。安定的な運用が望まれますが、先行自治体における利用状況を見るとサービス自体が渇望されており、保育施設の整備とともに待機児童対策の両輪となることが期待されるのではないでしょうか。

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