5G通信の遠隔操作で災害復興の作業効率が向上! 5Gの実用化で広がる可能性とは?

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早期の災害復興には、危険作業に伴う二次被害を防ぎながら、かつ迅速に作業を進めていくことが求められます。
そうした作業に適しているのが無人重機の遠隔操作ですが、その作業効率を向上させる次世代移動通信システム5Gを用いた実証実験は既に実施されています。
ここでは、5G通信を活用することで実現する重機の遠隔操作について紹介するとともに、そもそも5G通信とは何か、また、2020年の5G通信の実用化に向けて期待されることなどを解説していきます。

5G通信の活用で実現する災害復興時の重機の遠隔操作

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災害復興時の危険を伴う作業では、オペレーターが重機に乗らず、遠隔操作による無人運転を行うことで二次被害のリスクを抑えることが可能です。しかし、作業現場と離れた場所からのモニター映像を頼りにした遠隔操作は、搭乗操作よりも作業スピードが落ち、作業効率が低下することが課題となっていました。

そこで、通信会社と電機メーカー、建設会社の3社によって、5G通信と4K3Dモニターを活用した重機の遠隔操作の実証実験が行われました。重機に搭載された4K3Dカメラと全天球カメラの映像を5G端末から5G基地局を介して、遠隔操作室の4K3Dモニターに伝送するものです。高速で大容量の通信を可能とする5G通信によって、従来のモバイル通信よりも高精細の映像をモニターに伝送することが可能になりました。また、4K3Dモニターにより、裸眼で立体画像を見ることができます。その結果、従来の遠隔操作では作業効率が50%〜60%程度に低下すると言われていますが、実証実験は15〜25%改善できたとされました。

5G通信などの技術によって、今後、人の立ち入りが困難な災害現場でも、復旧作業が迅速に進められるように期待されています。

そもそも5Gとは?

5Gの「G」は「Generation=世代」の略で、5Gは第5世代移動通信システムとも呼ばれています。モバイルネットワークの発展によって、移動通信システムは1Gから5Gへと進化を遂げてきました。

第1世代となる1Gは、1979年から運用されたアナログ無線技術のモバイルネットワークで、自動車電話に利用され、肩掛け式のショルダーフォンも登場しました。1993年にデジタル方式の通信サービスの2Gの運用がスタートすると、ポケベルやPHSの登場、携帯電話でインターネットメールが利用できるようになりました。そして、2001年に運用開始された3Gは、国際電気通信連合 (ITU) によって国際規格として統一された「IMT-2000」に準拠したものです。データ通信の高速化も図られ、10M〜20Mbpsクラスのデータ通信が実現しました。現在の4Gでは、1000Mbps(1Gbps)クラスの高速データ通信が可能となり、スマートフォンで高画質の映像を視聴できるようになりました。

さらに、2020年に運用開始が予定されている5Gでは、10Gbps程度の超高速通信が可能になるとされています。

5G通信の実現で何が変わる?

4Gの通信システムでも、スマートフォンで映像を見るのに支障はありません。しかし、スマートハウス化が進んで、家電をスマートフォンやスマートリモコンから操作することが一般化したり、ウェアラブルデバイスが注目されるなど、あらゆるモノがインターネットにつながることで、データ通信量の増加が見込まれています。そして、さらなる高速化が求められる時代のニーズに応えるためにも、5G通信の開発が進められているのです。

5G通信が実用化されることで、重機などの遠隔操作以外にも様々な技術の開発が期待されています。例えば、自動運転車の実現には、実際に道路を運行する際の安全性の確保が必要不可欠です。近くを走行する自動車やバイク、自転車や歩行者などの周辺環境の情報を瞬時に伝送して、リアルタイムで状況を把握できれば、安全性の向上に役立ちます。また、速度や車体に取り付けたセンサーからの情報によって、車体に異常事態が起きた際の自動的停止や遠隔操作での運転も行えるようになります。中でも、遠隔操作による運転は、5G通信を活用し、高精細の映像をほぼリアルタイムに伝送することで、その実現が可能となる技術です。

活躍の場が広がっているドローンについても、5G通信の実用化により、さらに広範囲でのコントロールが可能になれば、日本縦断など実現するかもしれません。ドローンからの4K映像を5G通信で伝送する実証実験も行われ、災害時の救助や施設・設備の検査などへの応用が想定されています。

また、医療分野では、離島と都市部を結んでロボットを使った遠隔操作の手術を行う際に、5G通信によって視覚や触覚などの精密な情報を執刀医にタイムラグなく伝え、高度な手術を可能にするといったことが期待できます。

5G通信の実用化は、大量データを超高速で伝送することが可能になるため、災害復興や生活利便性の向上に役立つ技術としての期待が高まります。もちろん他分野においても、5G通信の特性から新たな発想が生まれ、これまでにはない付加価値を持った商品やサービスが展開される時代が到来するでしょう。

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