高齢化社会で「Googleマップ」も車椅子に対応! 通りやすい道とは

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「Googleマップ」で車椅子に対応したルート検索ができるようになったことが話題になっています。
超高齢社会を迎えた日本では、車椅子と関わる機会が今後増えることを予想するのは難しくありません。
誰もが住みやすい環境を実現するために、車椅子で通りやすいルートや、操作する上での注意点などを知っておくことも大切です。

「Googleマップ」が車椅子でのルート検索にも対応

「Googleマップ」は初めて行く場所や目的地までのルートなどの検索ツールとして、今や右に出るものがないと言える存在になっています。誰もが一度は使ったことがあるツールではないでしょうか。サテライトやストリートビューなど、新しい技術がいち早く導入され、常にアップデートを繰り返して進化している点でも、注目度の高いマップアプリです。

その「Googleマップ」が、車椅子でのルート検索にも対応したことが話題になっています。スポットについては、2016年には既に車椅子対応の施設かどうかが、表示されるようになっていましたが、さらに車椅子で移動しやすいルートを表示できるようになりました。

車椅子でのルート検索を支えているのは、通常の検索とは違い登録されたユーザーからの情報提供です。ビッグデータとAIのイメージが強いGoogleですが、車椅子対応のルート検索には、「ローカルガイド」に登録したユーザーに対し、幾つかの質問をすることで収集した、生のデータが反映されています。

Googleの「ローカルガイド」は、18歳以上のGoogleアカウントを持つユーザーであれば、誰もが登録できるプロジェクトです。「ローカルガイド」に登録しておくと、「Googleマップ」で駅やレストランなどの施設の情報を表示した際、下のほうに情報提供を促すメッセージが表示されるようになります。ユーザーは「OK」をクリックして、幾つかの質問に答えることで、情報収集に協力する仕組みです。

質問される内容の中に、「車椅子対応の入り口の有無」や「駐車場が車椅子に対応しているか」など、車椅子でアクセスしやすいかどうかの質問が含まれています。質問は「はい」「いいえ」「わからない」の3択で、ユーザーが回答しやすく工夫され、より多くの回答を得られるようになっています。また、質問に回答することで、今までは気にも留めなかったバリアフリーについて、ユーザーの関心を高める効果も期待できます。

こうして集められたデータが、公共交通機関を利用するルートのみですが、車椅子でも対応できるルートの検索を可能にしています。現在は東京やニューヨークといった大都市のみで提供されていますが、十分なデータが集まるにしたがって、サポートエリアも次第に広がっていく予定です。

車椅子でも対応できるルートは、足の不自由な人やベビーカーを利用する人にとっても、負担が少ないルートでもあります。特に超高齢社会の日本では、車椅子でスムーズにルート検索できる機能は、ますます需要が高まると考えられます。今後、サポートエリアが拡大することで、誰もがスムーズに移動できる世の中の実現に近づけてくれそうです。

車椅子での外出でなるべく避けたい道

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車椅子の人と出掛ける時には、段差や石畳のない道を選ぶことが大切です。車椅子は振動が伝わりやすく、歩きでは気にならない石畳やタイルの道でも、車椅子に乗っている人には予想以上に大きく伝わっていることがあります。広い道は歩道がタイルで舗装されていることが多いので、多少遠回りになっても通行量が少なく、でこぼこのない平坦な道を選ぶのが無難です。歩道の両端は必ずと言って良いほど段差があるため、できるだけ歩道を避けられるルートを選びましょう。

車椅子に座っている人は視線が低くなるため、混雑する雑踏の中を移動する時に、人や自転車とすれ違うことに危険を感じる場合が多くあります。特に横断歩道は、先を急ごうとする通行人が増えるため、車椅子の人には周囲がより速く感じられ、恐怖感が増すこともあるため、安心して通行できない場所になっています。大きな交差点はできるだけ避けて、通行人が少ないひとつ手前や先の横断歩道を利用するだけで、車椅子でも不安を感じずに道路を渡れるようになります。

スマートホンを見ながら歩く人が増えたことも、人通りのある道をなるべく避けたほうが良い理由に挙げられます。注意のほとんどがスマートホンに注がれているため、歩行者の多い交差点では車椅子に気づきにくい可能性もあります。お互いの不幸な遭遇を避けるため、急ぎの予定がない時には、できたら人通りの少ない道を選んだほうが、気分良く車椅子で外出できます。

舗装されていない砂利道も、車椅子では避けるべき道です。振動が車椅子に伝わりやすいだけでなく、砂利道に車輪が埋まって前に進まなくなることもあります。無理に動かそうとすると、車椅子を転倒させる事態にもなりかねません。神社仏閣の通路など砂利の多い場所でも、最近は車椅子用の道を設けているところもあり、車道や搬送路を車椅子に開放してくれる場合もあります。

車椅子を操作する時のコツと注意点

やむを得ず歩道などの段差のあるルートを通る場合には、車椅子の正確な操作方法を知っておくと助けになります。車椅子で段差を上る時は、座席の背面にあるティッピングレバーを踏んで、ハンドルを押し下げると前輪を浮き上がります。その状態で段差の上にしっかりと前輪を乗せ、後輪を段差につけながら徐々に車椅子を押し上げていきます。なるべく振動が伝わらないように、ゆっくりと操作することが肝心です。

タイヤが埋まりやすい砂利道やでこぼこの多い道では、後ろ向きで進むとスムーズに通れます。スロープや坂道を下る時は、ほんの少しの傾斜でも車椅子を後ろ向きに進めるのが鉄則です。前向きのまま下ると、車椅子に座っている人は前のめりで転がり落ちる感覚になってしまいます。傾斜が急だと、本当に車椅子から落ちてしまうこともあり危険です。同様に段差のある通路を下る時も、車椅子を後ろ向きにして移動するようにしましょう。

比較的スムーズなルートを選んだ場合でも、車椅子の操作時に気をつけたいポイントが幾つかあります。車椅子に乗って視線が低くなると、歩いている人よりもスピードが速く感じられるので、車椅子を押す人は自分のいつもの歩行ペースより緩やかに進むよう心掛けましょう。ゆっくり目を意識して操作することは、車椅子に振動が伝わりにくくすることにもつながります。

移動時以外は車椅子のブレーキを掛けておくことも、事故を未然に防ぐ上で大切です。車椅子から立ったり座ったりする時にも、忘れずにブレーキを掛けましょう。また、エレベーターには、車椅子を後ろ向きに入れるのが基本です。対面で乗ると、車椅子の人もエレベーターに乗っている人も、圧迫感を感じて気まずい思いをします。混雑の状況にもよりますが、スペースや時間に余裕があるなら、後ろ向きで車椅子を入れるようにしましょう。

車椅子の人とこまめにコミュニケーションを取ることが大切

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車椅子を操作する上で最も大切なのは、乗っている人とこまめにコミュニケーションを取ることです。車椅子に乗っている人はあまり動くことがないため、暑さや寒さを感じやすくなります。春や夏は日差しを避けるものが必要か、秋や冬はひざ掛けが欲しくないかなど、体の状態を聞いてあげることが大切です。

移動時にも、乗っている人が手をタイヤに巻き込まないか、フットサポートから足が落ちていないかなど、細かな点にも気を配るようにしましょう。曲がり角などでは、手前で声を掛けてから曲がると、車椅子に乗っている人も一緒に進行方向へと注意が向き、転倒や衝突などの事故を未然に防ぐことにつながります。

車椅子の周りを意識し、空間的に余裕を持たせる感覚を保つことにも、気を配る必要があります。特に交差点では、車椅子が車道に近づきすぎないように気をつけなければなりません。周囲の空間に余裕を持たせることは、車椅子に乗っている人に安心感を与えます。

超高齢社会の日本では、車椅子の需要が今後も高まっていくと予想されます。車椅子に乗ること、車椅子の人と出掛けることがどういうことなのかを、家族や友人と実際に体験するのも良いでしょう。一度、車椅子に乗ってみることで、今まで気づかなかったものが感じられるかもしれません。まずは「Googleマップ」の「ローカルガイド」に登録して、バリアフリー環境を広める手助けから、始めてみてはいかがでしょうか。

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