無人店舗の時代が来る? 「ウォークスルー型の会計ソリューション」検証

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九州を軸としてスーパーやドラッグストアなどを展開している流通メーカーと、関西を拠点にソリューション事業などを展開している技術系メーカーによる、電子タグを使用した「ウォークスルー型の会計ソリューション」の検証がスタートしました。
これが将来の無人店舗実現への一歩となると期待されています。そこで、ウォークスルー型の会計ソリューションとは何かを解説した上で、今後、実現が期待されている無人店舗についても触れていきたいと思います。

自動で精算できる「ウォークスルー型の会計ソリューション」

2018年にスタートした電子タグを使用した、「ウォークスルー型の会計ソリューション」の検証。これを実施した福岡市に本社を置く流通メーカーは、当初ソフトウェア企業としてスタートしましたが、現在では214店舗のスーパーを運営する企業となっています。
今回の検証は、この流通メーカー構内の店舗で行われました。小型店舗での少人数スタッフによる運営や、将来の無人店舗化への実現を見据えた動きと言えます。

「ウォークスルー型の会計ソリューション」は、電子タグを貼付した商品を買い物客が会計レーンに通すと、自動的に精算が行われる仕組みです。該当店舗のプリペイドカードを、会計レーンの入口でカード読み取り部分にかざし、商品とともにレーンを通過すると支払いが完了します。プリペイドカードは、店内に設置されたチャージ機でチャージすることができます。

また、電子タグを貼付することで、商品個品管理によるダイナミックプライシングと呼ばれる、需給状況に応じた価格調整を行うことが可能になります。検証でも、弁当やおにぎり、サンドイッチなどは、個々の賞味期限に合わせて自動的に値引きされる仕組みが取られたそうです。この検証では、通常25秒掛かるレジでの決済がわずか5秒に短縮されました。

電子タグでレジや在庫管理を省力化

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「ウォークスルー型の会計ソリューション」は、非接触で電子タグを読み取ることのできるシステムです。
従来のようにスキャナでバーコードを一つひとつ読み取るのではなく、電波が届く範囲であれば、複数のタグの読み取りを同時に行うことが可能です。そのため、買い物カゴやエコバッグに入れた商品を、そのまま会計レーンに通しても、全ての購入商品の電子タグを読み取れる仕組みとなっています。また、電子タグはレジの省力化だけでなく、入荷時の検品や在庫管理・棚卸し作業にも活用ができるため、人件費の削減にもつながります。

電子タグを導入する上でネックとなるのは、現状1枚10円とされている電子タグのコストです。
しかし、小売業において少子高齢化による働き手不足や人件費の高騰が課題となっているため、経済産業省が進める施策から、今後、電子タグのコストが下がっていくことが期待されています。経済産業省は、大手コンビニ5社と「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定しています。これは、2025年までに推計年間1000億個とされる取扱商品全てに電子タグを貼付して、商品を個別管理するというものです。この宣言の保留条件として、電子タグの単価が1円以下になっていることという条件があるため、電子タグの低価格化の促進が見込まれているのです。

日本では、レジ作業の省力化のため、買い物客が商品のスキャンと精算を行うセルフレジや、精算機を使用するセミセルフレジが浸透してきています。電子タグが低価格化することで、客側にも利便性がある、無人レジや無人店舗が実現することが考えられます。

世界で広がる無人店舗実現の動き

電子タグを活用したシステムとは異なりますが、海外でも無人店舗を実現する動きがあります。
アメリカのシアトルでは、2018年1月に「Amazon GO」がオープンしたことが話題となりました。このシステムは、入店の際に、専用アプリをインストールしたスマホのQRコードを入口にあるコード読み取り機器にかざし、購入する商品を店内に置かれたショッピングバッグに入れながら買い物をしていきます。商品はスマートフォン上に表示され、そして、帰りにゲートを通ると自動的に精算される流れです。「Amazon GO」は、店内のカメラ・センサー・マイクで情報を収集し、AIを活用することで無人レジを実現しています。「Amazon GO」の場合、厳密には調理スペースのスタッフなどがいるため、完全な無人店舗ではありませんが、レジが無人のため、無人店舗に近い形態と言えるでしょう。

また、現時点ではまだ試験的な段階と位置づけられていますが、中国では無人店舗のコンビニが実際に運用されています。

無人店舗は少子高齢化による働き手不足の解決に一役貢献するとともに、店舗運営の効率化にもつながるものです。無人店舗に適しているのは、コンビニなどの小規模店と言われています。近い将来、有人店舗は大型店が中心となり、小規模店は無人店舗がほとんどという時代がやってくるのかもしれません。

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