人工知能と急激な技術進化がもたらす未来。シンギュラリティと2045年問題とは

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シンギュラリティとは、指数関数的に高度化する人工知能(AI)によって、人間に代わりAIが文明の進歩を担うことになると予測されている日のことを言います。
Googleの技術者でAI研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルが、「人工知能が人類を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)は2045年にやって来る」と予測していることについて、私たちの未来の生活はどう変わっていくのかをポイントに紹介していきたいと思います。

急激な技術進化により、生活は目覚ましい変化を遂げている

現代において、誰もがスマートフォンを手にし、仕事にも生活にも欠かせないものとなっています。インターネットとつながり、カメラ機能を備えるスマートフォンは、データサイエンス的に見ればセンサーであり、そこから取得されたデータはAIによって、人間の意志を介在させることなく分析され、今ではマーケティングに活かされて、新たなビジネスやサービスを生み出す契機として活用されていたりもします。

レイ・カーツワイルがシンギュラリティを提唱したのは2005年のことです。“The Singularity Is Near” (邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)という著作において、シンギュラリティについての踏み込んだ記述を展開し、世間一般にその概念が広まることとなりました。
さらに、カーツワイルは、「収穫加速の法則」という考え方も提唱しています。ひとつの重要な発明は他の発明と結びつき、次の重要な発明の登場までの期間を短縮させ、イノベーションの進行を急激に加速させるというものです。そこからシンギュラリティの到来時期は2045年と予測されました。

カーツワイルがそう考えるに至ったエピソードとして、ヒトゲノム解析プロジェクトの進行があります。最初の1%を解析するのに7年ほど掛かり、当時の技術者は皆、このままではあと700年必要と考えていたところ、カーツワイルは既にほぼ終わりに近づいているとしていたと言われます。その分野の技術革新によって、結果は毎年倍々のペースで伸びていく、つまり、1%が翌年には2%、その翌年は4%、その次は8%となり、あと7年で解析は終わるというわけです。

モノや場所から解放され、楽しく健康な暮らしの実現がより身近に

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私たちの生活における変化も、今後ますます急激に加速していくでしょう。
総務省は2017年12月より有識者を招いて「ICT分野における技術戦略検討会」を逐次、開催しています。その中で示された「2050年以降の世界について」では技術面において、2050年には「AIを搭載したロボットと人間が結婚する」「地球と宇宙をつなぐ宇宙エレベーターが実現する」「脳に電気信号を読み取るチップの埋め込みが普及する」「記憶を消すことができるようになる」といったことが想定されています。もちろん、確実性の高い予想ではなく、取り組み次第で実現時期も変わり得るとされています。それでも、ここに描かれている未来の姿を想像すると、わくわくさせられます。

さらに、同検討会の2018年3月20日付の資料には、2050年以降の技術動向として「サイバーとフィジカルの融合が進展」「自動運転は当たり前」「AIが一般的に使われている」「量子計算機が普通に使える(最適化問題の解決が容易)」「宇宙利用が進展」を想定しています。同時に描かれている、人々のニーズ・価値感は「モノや場所の束縛から解放されたい」ということであり、例えば、「車・家・オフィス、PC・電話・財布・鍵、言葉の壁・心の壁」などからの解放や、「楽しく健康に暮らしたい、手軽に健康維持、好きなものや美味しいものを好きなだけ食べる、好きなだけ寝る」というもので、実際に2050年以降はどうなるのか気になるところです。

様々なテクノロジーの組み合わせにより、未来への期待は無限大に

同資料にはこれらを背景として実現したいモノ・コトの一例として「分身ロボット」を挙げています。これは、オフィスでの作業や家庭での家事の補助や代替をするものです。「脳情報通信により、どこに居ても自分の脳からロボットに直接指示が伝えられる」「超臨場遠隔存在技術で、自分が家庭に居てもオフィスに居るかのように感じながらテレワークを行える」「AIコピーロボットがオフィスに居て、同僚と自然にコミュニケーションして、自分の意志通りに業務をこなしてくれる」といった光景が、実現したい未来の姿なのです。

そこで、社会への影響として挙げられているのは「柔軟な働き方の実現」「快適なライフスタイルの実現」「快適な職場・生活環境の実現」「女性・高齢者の社会進出の促進」であり、これにより「労働力不足」「通勤ラッシュ」「都市部への人口集中」といった社会的課題の解決につながることにもなります。人々のライフスタイルは一層多様化し、知的労働へとシフトしていくなど価値観の変化も見込まれています。

そこまでの過程の途上にある現在、2018年においても、既にテレワークやIoTによる家電の遠隔操作、ARやVRによる遠隔でのリアル体験などは実現しています。ひとつの発明が他の発明と結びつき、次の重要な発明をすぐに生み出す、としたカーツワイルが2005年時点に予測したよりもさらに加速度的に、私たちの生活は変化しているのかもしれません。

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