発展するインドネシア! パティンバン港建設で物流機能の強化へ

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経済発展が目覚ましいアジア地域ですが、その中でもインドネシアが注目されています。最近、日本の円借款による協力で、インドネシアのパティンバン港の建設が進められていることからも、インドネシアの発展は日本にとって影響が大きいと言えるでしょう。

今回は、そんなパティンバン港建設に着目し、なぜ建設するのか、日本はどのように関わり、どういったメリットがあるのか、という点を解説していきます。

インドネシアの経済発展

まず、インドネシアの経済発展の状況を見ていきましょう。
・世界第4位の人口大国
・2018年6月の消費者物価上昇率は3.12%
・政策金利3年半ぶり引き上げで4.5%に
・2017年のGDP成長率は5.07%と、やや加速
・2017年の貿易収支は黒字幅が24.1%拡大

同じ指標で日本を見れば分かりますが、全ての指標が日本の数倍程度の数値を記録しています。これは、インドやミャンマーといった、経済発展著しいアジアの他国にも引けを取らない水準です。

世界第4位の人口大国

まず、インドネシアの人口(約2億5500万人:インドネシア政府統計2015年)は中国、インド、アメリカに次ぐ第4位です。
国の経済成長は国内消費や労働力の伸びが原動力となるため、その国の人口が大事な要素となります。現に、成長率が低くなっている日本では、経済成長を妨げる原因のひとつに「人口減」が挙げられていることからも、成長率と人口が関係していることが分かるでしょう。

消費者物価指数と政策金利

また、消費者物価指数も上昇しており、インドネシア政府は金利の引き上げも行っています。物価が上がるということは、お金の価値が下がっているということで、それはお金が世の中に出回っている好景気であることを表しています。

そして、物価が過度に上昇しないよう、お金の回り方を抑えるために政策金利を上げるというのが、局面の手順です。日本でも、この状況を実現させたいのですが、なかなか物価が上がらないため、いつまで経っても低金利が続いているというのが現状なのです。インドネシアは、まさに理想的な順番で推移しており、経済発展の真っ只中と言えるでしょう。

経済成長率

実際に、2000年から2017年のGDP成長率を見ると、インドネシアは毎年4%後半、高い年は7%以上成長しています。2017年も5.07%という高い成長率でした。

一方、日本のGDP成長率を同じ期間で見てみると、高くても4%強、2011年にはマイナス成長を記録し、アベレージでも1〜2%程度です。これらのことから、インドネシアがいかに成長を遂げているかが分かってきます。

パティンバン港の建設

パティンバン港
さて、これまで見てきたインドネシアの状況を踏まえた上で、パティンバン港の建設プロジェクトについて解説します。今回の港建設では、以下の点を理解しておきましょう。
・建設内容
・港建設の背景
・インドネシアの課題を解消

パティンバン港の開発は、インドネシアの経済発展と深い関わりのある事業と言えます。

建設内容

パティンバン港は、インドネシアの首都であるジャカルタから、東に150キロほど離れた場所に建設されます。西ジャワ州スバンという地域で、総事業費30億ドル(約3300億円)を見込むプロジェクトです。

現在、予定されている建設計画は以下となっています。
・港の外周護岸や防波堤の整備
・航路の浚渫(しゅんせつ)工事
・港と陸上を結ぶ連絡橋の建設
・港から国道1号までのアクセス道路の建設

港建設の背景

さて、そもそもインドネシア政府は、ここまで大掛かりな事業をなぜ行うのでしょうか。その大きな理由は、港が建設される西ジャワ州は、自動車メーカーなどが集積する工業地だからです。つまり、このパティンバン港に、自動車輸出の玄関口として役割を担わせたいということです。

現に、インドネシアのブディ運輸相は「パティンバン港は当面、自動車輸出の玄関口としての戦略的役割を持つ」と表明しています。現在は、輸出港としてジャカルタ北部のタンジュンプリオク港を利用していますが、それは地理的に遠回りであり、無駄な労力になるのです。

パティンバン港が完成すれば、そのような遠回りをする必要もなくなり、物流コストの削減につながります。さらに、ジャカルタに向かう高速道やプリオク港周辺道路の渋滞緩和に貢献するというメリットもあるのです。

インドネシアの課題を解消

インドネシアは急速な経済発展を遂げているので、その発展にインフラが追いついていません。つまり、経済発展に伴って増える人口、車、モノの量に対し、道路の整備が十分には足りていないため、渋滞が深刻な問題となっているのです。

そうなると、人の移動に時間が掛かるのはもちろん、深刻なのは物流機能の低下です。インドネシアの物流コストは、インドネシアのGDPの20%超を占めるとも言われており、物流機能が低下することでインドネシアの発展に水を差すおそれがあります。

そこで、今回パティンバン港という新港を開発することで物流を改善させ、国際競争力を上げるという狙いがあるのです。物流網がストップしていると、「製造できているのに輸送できない」という状況に陥ります。そうなると、せっかく売るモノがあるのに、国内で売ることもできず輸出もできないということになるのです。

日本の支援について

パティンバン港
さて、そんな中でパティンバン港建設について、日本は以下のような関わりがあります。
・円借款
・ゼネコンの参画

円借款

そもそも借款(しゃっかん)とは、それぞれ異なる国家同士の政府や公的機関などの間で、長期間にわたり資金を融資することです。つまり、今回の円借款は日本がインドネシアに対して、融資を行うということになります。基本的には長期低金利の貸付になり、これは発展途上国との間でよくある方式です。

残念ながら日本は、昔ほど先進国と胸を張っていられる状況ではありませんが、それでもインドネシアと比べれば経済的に先進国です。そのため、インドネシアの発展のために、低金利で円借款をすることで支援しているのです。

これは、インドネシアが経済成長することにより、日本も輸出入で恩恵を受けられるというメリットがあります。今回、日本政府は1189億600万円を上限とする、円借款契約をインドネシア政府と締結しました。

ゼネコンの参画

さて、日本からは大手ゼネコン3社が、この工事に参加します。日本のゼネコンは、インドネシアよりも施工技術が進んでいるので、工事の際の技術的な面からも支援しようというわけです。もちろん、日本企業の利益にもなります。

また、パティンバン港建設は、日本にとってほかにも大きなメリットがあるのです。それは、港の建設予定地である西ジャワ州は自動車生産の工業地帯であり、自動車メーカーなど日系企業も多く進出しているからです。

つまり、現在のインドネシアの急激な発展による物流機能のマヒは、現地に進出した日系企業にも足枷になっているということです。そうした点の解消に役立つパティンバン港建設は、日本の自動車産業にとってもプラス方向に働きます。

インドネシアをはじめ、アジア諸国が少しずつ経済発展してきています。経済大国と言われる日本も、将来的にはアジア諸国に抜かれるかもしれません。

しかし、今回の港建設のように、相手国の経済発展に貢献する支援を行うことで、日本の側にもメリットが生まれる事業も増えてくるでしょう。日本の立場から資金提供以外に技術面も支援し、日本を含めたアジアが一体となって発展していくなら、それはWin‐Winの関係と言えるでしょう。

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