【前編】レオパレス21が起業家による利活用をサポート! 『「東京都空き家コーディネーター」とは? 事業設置の背景と狙い』
ソーシャル
関連キーワード
そんな中、東京都は起業家からの空き家の活用に関する相談対応や物件の紹介を行う「空き家コーディネーター(起業家と空き家をつなぐコーディネーター)」として7社を選定しました。レオパレス21もその内の1社として「空き家コーディネーター」事業を2018年6月よりスタートさせています。
今回は同社で東京都空き家コーディネーター相談窓口を務める請負企画部 請負マーケティング推進室の安尾俊之次長(写真左)と小川修課長(写真右)に、「空き家コーディネーター」の概要や事業の背景、狙いなどについて話を伺いました。
空き家問題の解決策「空き家コーディネーター」とは?

安尾:都内には2013年時点で約82万戸の空き家があり、近年さらに増加傾向にあります。
十分に管理されていない空き家は景観を損ねるだけでなく、地域の治安悪化の原因にもなりますし、大型地震などで倒壊すると人的・物的被害を生じさせるおそれもあります。
そうした空き家問題の解決策として、東京都では2018年度から都内の空き家を利活用した事業プランを考える起業家を支援する目的で、空き家活用モデル事業を開始しました。
その際、起業家からの相談を受け付け、空き家を紹介し事業プランの実現に向けた取り組みを行う窓口を、東京都が民間事業者から募集を行ないました。弊社は審査の上、「空き家コーディネーター」事業者として採択されました。
事業内容としては、
1) 起業家の相談受付(専用窓口の設置)
2) 起業家の事業プランの実現に向けたトータルサポート(物件紹介・設計施工・空き家所有者への説明)
3) 起業家と空き家所有者のマッチング(賃貸借契約)
を行っています。
Q:レオパレス21が「空き家コーディネーター」になるまでの経緯、きっかけを教えてください。
安尾:弊社は「衣・食・住」の“住”を担う企業として、地域課題となっている空き家問題に対して真剣に取り組んでいきたいと考えていました。昨年来より行政と連携した空き家対策セミナーの開催については 、川崎・横浜・大阪と開催をしています。
今回、きっかけはお付き合いさせていただいている金融機関様からのご紹介があったからですが、「空き家コーディネーター」として弊社ができることは多いのではないかと思い、東京都に応募させていただきました。
「空き家コーディネーター」として社会的起業家と空き家所有者とのマッチングを行うことで、空き家の新たな利活用モデルの実現をサポートできると考えています。
Q:「空き家コーディネーター」として、どのような形で起業家の空き家利活用をサポートしていくのかお聞かせください。
安尾:弊社では「空き家コーディネーター」として、起業家と空き家所有者のマッチングまでをトータルにサポートする相談窓口・専門サイトの開設、空き家の利活用案や設計計画などの相談に対応しています。
具体的な流れとしては、まず起業家からの相談内容(どこでどのような事業を行いたいかなど)の確認、弊社がストックしている空き家情報から該当する空き家をご紹介します。その後、空き家の所有者の方へ起業家の事業プランの説明、合意いただけるようであれば双方をお引き合わせし、最終的な賃貸借契約締結までをサポートさせていただきます。
事業プランの内容により、リフォームなどが必要になるようでしたら弊社でお手伝いさせていただくことや、税理士や弁護士などのセカンド・オピニオンネットワークを活用し様々なご相談への対応も行なっています。

小川:役割分担などは特にありません。7社それぞれで相談窓口を設け、空き家物件のご紹介を行っています。
ただ、空き家をご紹介できるエリアは各企業ごとに異なります。弊社では、離島地域を除く東京地区ほぼ全域でご紹介可能です。長年蓄えてきた空き家等のストック情報がおよそ8000件近くありますし、空き家所有者に関する情報量と営業網は群を抜いていると自負しております。
Q:対象となる空き家には戸建て以外も含まれるのでしょうか。
小川:今回ご紹介できる空き家は戸建てのみで、かつ過去1年程度使用実績がない物件に限定されています。敷地面積などは特に制限はありませんが、空き家に関して建築上問題がないかなどは事前の調査が必要となります。
Q:今回東京都が「空き家コーディネーター」の事業者を公募したことに、どういった狙いがあるとお考えでしょうか。
安尾:社会的課題となる空き家の解決、起業家に対し積極的に支援する環境をつくり出す2つの狙いがあると考えています。
弊社としては、専門性や経験が評価され、「空き家コーディネーター」事業者として採択されていますので、起業家の方々から寄せられるご相談に真摯に対応し、利活用の実現に向けて事業に取り組んでいきたいと思っています。
(プロフィール)
株式会社レオパレス21
請負企画部 請負マーケティング推進室
次長
安尾 俊之
1999年新卒入社。建築請負営業として配属。2003年に支店長へ昇格、2014年に営業副部長へ昇格 2015年10月より、請負企画部へ異動
2018年5月 請負マーケティング推進室を新設 責任者へ 本日に至る。
株式会社レオパレス21
請負企画部 請負マーケティング推進室
BDR推進課
課長
小川 修
2003年新卒入社。東京本社に建築請負営業として配属。2006年に支店長へ昇格、2018年4月迄、支店長職を従事。
2018年5月より、BDR推進課設立の際、課長として配属し、本日に至る。
※BDRとはビジネス(事業)をディベロップメント(開発)するレプレゼンタティブ(担当・代表)の意味です。
BDR推進課ではアライアンス・パートナー企業様との関係構築によるお客様の課題解決、新たな商品・サービスの企画開発、社会的課題への取り組みを行っております。
■『東京都空き家コーディネーター』に選定 ニュースリリース
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0618_2529.html
■空き家問題への取り組み 空き家をご所有の方はこちら
https://www.leopalace21.jp/csv/akiya/owner.html
その他のおすすめ記事
ソーシャル
【後編】レオパレス21が起業家による利活用をサポート! 『「東京都空き家コーディネーター」事業の反響と今後の展望』
レオパレス21では、2018年6月より東京都が指定する「「空き家コーディネーター(起業家と空き家をつ...
ソーシャル
【後編】空き家の適正な管理をさらに推進! 練馬区が取り組む空き家対策とは『環境課が舵取り役となって、“オール練馬”で対応〜練馬区環境部環境課〜』
全国の自治体で「空き家問題」が深刻化しています。東京都の練馬区ではいち早く全棟調査に着手し、建物の老...
クリエイティブ
【前編】産学官連携による空き家利活用プロジェクトとは?『学生のアイデアを活かして空き家を利活用 〜京浜急行電鉄×横浜市大×横浜市金沢区の試み〜』
放置された空き家が周辺住民の迷惑になるなど、空き家問題への関心が高まっています。総務省統計局が5年ご...
その他のソーシャルの記事
-
【後編】女性活躍を支援し、働く女性と企業に寄り添う「はたらく×らいふ プロジェクト」とは?『働き続ける女性のライフスタイルをデザイン!意識改革による効果〜一般財団法人あんしん財団〜』
働く女性や中小企業に向けて、女性活躍を推進する取り組みを行っている団体のひとつに、一般財団法人あんし...
-
長野県佐久市で進められている「ホシノマチ団地プロジェクト」は、移住する高齢者が活躍できる環境づくりが...
-
銀行の一部が保育所やカフェに!?待機児童問題解消や地域活性化に店舗スペースを有効活用
銀行が空きスペースを活用して保育所やカフェを併設し、待機児童の解消や地域活性化に取り組む事例が増えて...
-
【前編】女性活躍を支援し、働く女性と企業に寄り添う「はたらく×らいふ プロジェクト」とは?『女性が働き続けられる環境を醸成する取り組み〜一般財団法人あんしん財団〜』
結婚や出産といったライフイベントを経て働き続けたい女性が増加傾向にあります。しかし、一方で女性活躍を...
-
CCRC(=Continuing Care Retirement Community)とは、元気な高...
-
年少人口の比率が下がり続けている江戸川区の未来に危機感を抱き、「子育ての環境を良くすることから江戸川...
-
働き方改革の新たな手法「分断勤務」とは?家庭と仕事を両立し人材獲得や離職防止の効果も期待
労働人口の減少などを背景として進められてきている働き方改革。長時間労働の是正やダイバーシティの促進な...
-
ICT活用で保育士の負担軽減?待機児童問題の解決のため、まずは保育士の離職率低下など人員確保を目指す動き
待機児童問題がなかなか解決しない中で、ICT活用による保育士の負担軽減と人材確保を目指す動きがありま...
-
地方自治体のSDGsの取り組みを国が支援!モデル事業に選ばれた横浜市の取り組み
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標のこ...
-
東京23区の人口比率に対する年少人口(15歳未満)の割合は、全体的に見て全国平均(12.2%)を下回...