人口ボーナスに沸くカンボジア・ラオス・ミャンマーで期待される経済発展

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CLM諸国と呼ばれるカンボジア・ラオス・ミャンマーでは現在、人口ボーナス期を迎え、生産労働人口の割合の多さから経済発展が期待されています。
各国の人口ピラミッドを紹介し、人口ボーナス期が経済成長につながる理由や今後の経済発展の展望をまとめます。

人口ボーナスがもたらす豊富な労働力と個人消費の活性化が経済を成長させる

人口ボーナスとは、総人口における15〜64歳の生産労働人口の比率が上がり、経済成長が促進される状態のことです。国がこの人口ボーナス期にある時には、豊富な労働力のもとで個人消費が活発化するとともに、高齢者が少ないことで社会保障費用も抑えられ、経済が拡大しやすいと言われます。

ASEANの中でも後発の経済発展途上国である、カンボジア・ラオス・ミャンマーは、今まさに人口ボーナス期を迎えています。それぞれの人口ピラミッドを見てみましょう。

まずCLMの「C」、カンボジアの総人口は1600万人強となっています。ポル・ポト政権下で人口が減ったため、40〜44歳で大きな凹みがあり、その子世代に当たる10〜19歳で僅かな凹みが見られますが、大よそでは正三角形を描いており、今後も順調な人口増加が見込まれます。

「L」のラオスは総人口700万人強です。日本で言えば、埼玉県より若干少ない人口規模ですが、ほぼ正三角形です。カンボジアと同様に10〜19歳で僅かな凹みが見られるものの、29歳以下が男女ともにほぼ5%以上と、ボリューム層となっており、これからの労働力及び消費行動に期待が持てます。

そしてCLMの「M」、ミャンマーの総人口は5500万人強と、ASEANの中でも規模が大きいのが特徴です。最も多いのが15〜19歳の4.7%で、世代間のバランスも良いのですが、5〜9歳と0〜4歳が4%台前半で、少し減り始めています。

カンボジア・ラオス・ミャンマー、いずれの国でも生産年齢人口の世代、特に若い年代の部分が厚くなっています。日本では65〜69歳と45〜49歳にピークがあり、上が重く、下に向かって先細った形態です。つまり、高齢者に対する社会保障費がますます必要となる中で、それを支える若年層が減る一方の日本とは対照的な状況にあるのが、これからのCLMということになります。

タイからの分散投資を引き込むカンボジア・ラオス。総人口で抜きん出るミャンマーには内需への期待も

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このような人口ピラミッドの構成を踏まえ、CLM各国の経済状況と今後を見ていきましょう。

カンボジアでは、政府が2015 年に策定した産業開発政策において、縫製業などの軽工業主体の労働集約型産業から、2025年までに技術・知識集約型産業への高度化を目指すとしています。背景には、大きな人口を武器に投資環境整備を進めつつあるミャンマーに対する危機感があると見られます。

とは言え、カンボジア自体、中国などの支援によるインフラ整備が進んでおり、自動車やエレクトロニクス関連といった労働集約的セグメントでASEANにおける先輩格であるタイとの分業による投資拡大も見込まれています。生産年齢人口も年平均1.5%増が予測され、労働力、ひいては消費力も上向きで明るい環境と言えます。

ラオスでは、2000年代半ば以降より実質GDP成長率が前年比6〜8%増と、手堅く推移しています。その結果、2010年には低所得国から下位中所得国へとステップアップしました。産業分野では農業や水力発電、金属鉱物といった資源関連に加え、労働集約型軽工業が進展を見せています。ラオスはカンボジアと同様に、隣国タイとつながる道路や国境地域の開発が進んでいることが強みで、やはりタイから労働集約型産業が分散立地することが期待されます。但し、人口規模ではカンボジアを下回っているため、大量採用の大企業よりも雇用規模の小さい中小企業の発展が重要になるかもしれません。

そのほか、ラオスでは2021年開通予定の鉄道インフラ投資も今後の成長要因として挙げることができます。また、生産年齢人口の伸びは年平均2%を維持して、潤沢な労働力による成長への寄与が続く見込みです。実質GDP成長率についても引き続き前年比7〜8%増が予測されます。

人口5500万人強のミャンマーは、2011年に軍政が終了して以来、実質GDP成長率が当時の前年比5%台から7〜8%増へと着実に上昇しています。そして、農業から労働集約型製造業へと主要産業を転換させてきました。

カンボジアやラオスと異なるのは、人口の多さです。5500万人強の人口は低廉な労働力としてのみならず、その消費力も評価され、内需の成長に期待した直接投資も行われています。実際に、工業団地への誘致も好調で拡張が進むティラワSEZ(経済特区)には、ミャンマー国内での販売を目指して進出してくる製造分野の企業も見られるようです。その意味で、人口1600万人強のカンボジアや700万人強のラオス以上に、サービス業など内需関連の産業が拡大するポテンシャルがあると言えるでしょう。生産年齢人口の伸びも年平均 +1.3%程度で推移する見通しであり、労働集約型分野への直接投資が拡大・成長に寄与すると見込まれます。内需狙いの投資拡大も成長を牽引すると見られ、年平均成長率は前年比7〜8%増を維持すると予想されます。

個別の事情はそれぞれですが、カンボジア・ラオス・ミャンマーともに経済発展の原動力となる、その強みは生産年齢人口の多さにあります。CLM各国には、労働集約型産業により経済成長のきっかけを得て、暮らしも豊かになっていく明るい未来が期待されます。

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